ハルタ 2015-OCTOBER volume 28

  • 表紙絵は森薫。紅葉、和装美女、三毛猫。フェチ。
  • 裏表紙「ハルタカルタ」はまな板の上のハート目人魚に包丁。フェチ。

森薫乙嫁語り』/パリヤさん一人相撲編。画風がこれなだけに劇画絵でコメディやってる風情。マンガ絵のギャグシーンも出てくる作品だけれども、ここでは使わないんだよな。パリヤさん本気だし。
九井諒子ダンジョン飯』/マイルドなサービスシーンを吹き出しで隠すことにより逆に、その手があったか!あ、今回の戦闘シーンは怖かったです。冒頭にてこの物語の目的は間近だと示し、しかしここに至って不定形・無生物っぽい・倒せない・料理に利用できない、これまでの定型が通じないモンスターの出現。(リベンジある?)これと相まみえるのが「魔術師」という、同じく不定形だろうファンタジーであるところのマルシルと。センシ以外は各キャラ単独戦闘してて、それもキャラのアビリティに合った形、かつ“発見”という展開による勝利なんだよな。血が足りないから食べる、てカリオストロの城みたいな内実。MP切れはつらいよ。
大武政夫ヒナまつり』/ひでえよもう。ていうか、なんで進学したんだよこいつ。
樫木祐人ハクメイとミコチ』/お姉さんキャラ登場。キセルではなくパイプ、しかし大根。姉妹での酒、そこからの一人酒と、この距離感と叙情はこの作品にしては独特。これまでの主人公二人や仕事仲間や友人知人で飲み交わしたそれとは違い、でも筆致は変わらず生きてて、間をおきつつも通じててあたたかであり。飯時に喧嘩してはいけない、それは飯をうまそうに描けるマンガこそ唱えるべき真理。
八十八良『不死の猟犬』/完全鎮圧、というかこの世界においては虐殺。主人公も冷徹だな。逃がし屋はベクターあがり、しかし帯がコスチュームに変形って。両陣営にそれがいるあたりはまだ謎。今さらながら風鈴、切子、雁金、て細工品の名前ね。
●徳永龍人『ドロップス』/読み切り。百合。
福島聡『ローカルワンダーランド』/未来のペットショップ。親愛、反抗、そして生命のほとばしり。いわゆる動物マンガにはなじみ薄い私ですけど、口に出さない描写やコマ並べる構成によるこの語りは、ジャンルとしてのそれからは逸脱するだろうな、と。今回は才気走ってて、すげえ好き。
久慈光久狼の口〜ヴォルフスムント〜』/能力あるからこそ死に急ぐ、という。それでも同士はいるのだよな。
西公平『ゲス、騎乗前』/あ、レース出るんだ。これはこれで策としてありか。
近藤聡乃『A子さんの恋人』/髪の伸びたA太郎、確かに(絵が)。で、こうして三人並ぶと、感情的なけいこの顔が描線はっきりしてる一方、ゆうこの顔は輪郭線まで消えていくのな。だからむちゃくちゃな髪方でもA太郎は大して気にならないわけで。一方でA太郎の内面については、モノローグ含めこの面倒くさい引きずり方、もとい感情の吹き出し方。そっちは思い出という、残るものの領域であり。
●原鮎美『織子とナッツン』/それはゆるキャラでもご当地ヒーローでもなく看板娘と言います。キャラの方が積極的にSNSとかやってる昨今、人格認められるのはどっちになるんだろうな。
●高江洲弥『首花は咲きゆく』/ベルタとの関係の始まりが、彼女の願いがそこにあるならば、守らなくてはいけない。で、それが目的意識でなく楽しさになる、というのが親しみであり、正にベルタの、彼女が主人公に教えた幸福なのよね。序盤の意志を固めた主人公の“笑顔”(それを見るベルタの表情)と、目の前にいないベルタを想いその幸せを指摘された後の笑顔、その対比よ。
●大窪晶与『かささぎ卿と骨』/シリーズ連載最終回。コレクター仲間とのいい友情だと思いますが。お疲れ様でした。
●加藤清志『THE TOWN』/なんか、うん、すごくジョジョだな。
なかま亜咲健全ロボ ダイミダラーOGS』/まあ最初から自家発電(おい)してたしなあ。パートナー無用といえば確かに。というか、ほづみの粒子役立ててたっけ。
●徳永智子『1時間目がプールだったので』/読み切り。百合。
●窪中彩乃『華麗なる虚偽』/あー、こうなっちゃうか。主体なしで願望の投影いつまで続けられるか、かな。