越智善彦『ドロイどん』5

週刊アスキー掲載作品、越智善彦『ドロイどん』。現在は1ページ連載ですが、連載初期は1/3ページ連載でした。で、その頃のは尺が短くて、引用掲載が難しい。(ほぼ載せてしまうのは本意ではないので。)
また、この頃は作者も各話を「一話」という意識では描かずに、場面を切り取るという形で構成されている…と書いてみて気づいたが、その点は今も変わらんかなあ、尺が伸びただけで。というか、それを見せ方で「一話」に構成してみせるのが技術であり魅力であり私が語りたいものなんだものな、うむ。
というわけで、一年数ヵ月前の雑誌から一話全7コマ中3コマの引用いきます。臆せずに!



「ポン…」とドロイどんの頭(肩?)をたたくひなたちゃん→「……」とぬくもり(?)に浸るドロイどん→ハッと漫符出すドロイどん、という3コマ。
●まあどうということはない、といえば言えるのです。だからこのカテゴリーは単なる俺推しだから!はい。/で、私が好きなのはこの間(ま)ですね。「ポン…」と叩く、ひたる、ハッ。一つの感情で一コマ。
●一コマ目、この叩く時のひなたちゃんのふぅ、とでもいうべき吐息表現する漫符が好きです。背景は白なんだけど、背景にあるバケツとシャベルは配置してね。二人の空間、なんだけどそれはある、そのアイテムは。
●で、2コマ目は枠線取り払われた開放感の中、「……」とまんじりとせずなドロイどん。目があ、目があ!腕もどうなってんだこれ。しかし、この可愛さをとる作者だってことです、ロボットなのに、それを描写する際にも。
●そして3コマ目。前コマのまんじりドロイどんから同じ構図で、顔だけアップになります。同じ角度で細かく描かれます。この線ね、入りと抜きがちゃんと入ってますね。で、漫符にトーン貼られて影までつけられている。この落差での、より「ハッ」たる効果です、はい。以上です。