(『ドロイどん』76話より)
はい、これは廊下の角でガイコツとセイバー、のようなドロイドがはちあわせする場面です。
読者の視線が入ってくるコマ右側に「キュイイイイン」という描き文字・オノマトペがある。それを見て左側にいくとコマの上下にキャラがいます。この両方に「キュイイイイン」のオノマトペがかかっている。
で、次のコマではガイコツ側の動き。「カクカクカク‥」と一様に線引かれた背景の中駆け抜けるわけですが、そこに漫符が浮かぶ。
その次のコマは、前のコマで漫符が浮かんだ対象。「ザッ!!」とすべり込んでくるわけですね、セイバーが。このコマは、ちょうど段の左端。視線も折り返すので“止まる”動作がより強調されます。
(『ドロイどん』77話より)
冒頭四コマ。まず読者の目にこの「キャーー…」という筆描きのオノマトペが入ります。それに反応するひなたら子供達。オノマトペの来し方を見つめるわけです。
で、「ひょこ ひょこ」と窓の外をのぞくと、「カクカクカク‥」とガイコツが通過していきます。これ二コマ目と三コマ目でアングル逆ですね。二コマ目は窓の外からひなた達が描かれ、三コマ目はひなたの見ている光景が描かれる。これを、手前にある窓枠が白か黒か、光源側か陰か、という形で逆に描きわけます。タテに並べたコマ間で枠の位置を合わせて。
四コマ目は遠景。みんなで「わわわわわ」と驚いてます。
(『ドロイどん』78話より)
はい。「……」だった女性が「はっ!!」と目覚め「キョロ‥」と見渡しながら「がばっっ」と起き上がり「バッビュンッ」と駆けていきます。
(『ドロイどん』79話より)
この四コマは映像的、というとなんですが、スムーズに左へ左へと視線が流れてく場面ですね。イマジナリーライン(笑)的にも無理のない。
(『ドロイどん』80話より)
俯瞰の遠景。整列するロボット、謎の歯車やコンピューターというガジェットの中を歩いてくるおじさん。彼が「パチンッ」と指鳴らすと、黒ドロイド達が「ワシャワシャ‥」と動き始める。いったい何が起きるんだろう!?(ドキワク)
ギミックこらしたハプニング起きつつも、流れる空気のゆるやかさとぬくもりは変わらない、という“日常”。越智善彦『ドロイどん』、来週27日単行本発売!
- 作者: 越智善彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/05/27
- メディア: コミック
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