- 作者: 松田洋子
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/12/24
- メディア: コミック
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- 大傑作。
- 『ママゴト』3巻(最終巻)と同時発売だったわけだけれども、こちらは闇が濃い、いやさ、たくましい。ふてぶてしく、人の心の抱え得る闇が、この世の現実としてある。
- それに対する“救い”が異形化であり、つまりは人としての死、世間からの離脱というのがなんとも切ない。物語の構造としては、これが同時にまごうかたなき「悪の成敗」でもあるからこそ、なおさらに。
- ゆえに、帯でうたわれているよう「ダーク・ファンタジー」なのだ、これは。生身という暗黒であり、死という幻想である。それらは私たちの“現実”と地続きである。
- そのリアルとファンタジー、語り部としての松田洋子が描く抜群の筆致にぐいぐい飲み込まれた私は、最後に涙した。汚い涙だったろうなあ。でも、ふてぶてしく生きていこうじゃないの。おはなしに入った身、世話になった身の愛の返し方は、現実へのその心持ちこそだ。