週刊少年チャンピオン2022年9号

◯表4広告は「大学1年生限定ミスコン」企画。きつい。

◯連載100回記念お祝いコメント!って全員内輪で当たり障りのない内容だが、ファンサービスとしては正しいんすかね。

刃牙最強シーン投票結果発表。以前の企画での特賞イラストによって花山&母の人気上がったのかな。今にして思えばこの回、すごく浪花節というか民話的というか、弱者にもやさしいドメスティック少年マンガな世界である。





西修『魔入りました!入間くん』/出た~女の欲望はチャーミングとして男の欲望はゲスとして描かれるやつ~。で、そのゲスなオスも直後にイイ顔見せたからチャラ、という心算なんだろうけど、それ同じ目盛りの上でコマ左右に動かしてるだけだからさー。あいかわらずカッコつけたセリフ使おうとして日本語がおかしい。

●灰谷音屋『Diego!!』/負の生い立ちから頂点にたどり着いた者と、過去からの亡霊…といった感じか。周囲からも案じられつつ保護されつつ、天才の闇はのぞかれることなく。傲岸と憔悴を同根の感情表現として活写してくるのはこの作者らしい筆致。
/もういっぽん!でもしばしば見られる構成法だけども、上下左右・2Dとしての(速度ともなう)視線誘導と連続するコマ内での同ガジェットによる意識内での(イマジナリーライン越えた)接続を、使い分けたり多層的に読ませてきたりする点がいずれ表現に自覚的であって面白いわけです。

渡辺航弱虫ペダル』/アニメ放送中なのもあって、見開きで刃牙VSオリバのあれ思い出しちゃった。

板垣巴留『SANDA』/サンタは子供の願いに逆らえない!これはまた枷として強烈な設定。その中にあって子供という属性ではなく個人名として浮かぶヒロインの名前、からの当人爆破参上。展開が強い。ちゃんとサンタは子供守ってるのね。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/ひさびさに読んだらアシスタントの作画面積爆上がりしてて笑ってしまう。Twitterで募集したサブタイトルに沿って描いた回だそうだが、そもそもこの内容でお題処理扱いなのか?続くオチだし。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/先週ノムさん小鉄とデートしてた一方、‪一時‬期ノムさんとちょっといい関係だった晴郎はこんな目に…。

安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』/箸を持つ手は描けないので断ち切り外に出すというごまかし方。


●村岡ユウ『もういっぽん!』/前回の厳しき“リアル”から一転、陽のおはなし力がものすごい。この見開きはもうあれじゃん、み~んな友達!み~んな柔道選手!のノリじゃん。すでにメンバーそれぞれ助力を得て、もとい見出だして立ち直れる克己心は持っているわけで、その事への祝福みたいな形で出てくる集合見開き、その場を作れる主人公ってのがいいよ。オチのコマも熱戦からそうくるんかい。
/私は聖条学園での練習試合後にさっさと帰ろうとする天音さんをスリッパもはかずに追いかけてくる九条さんの図が大好きなんですけども、今回はそれすら許されずに主人公から引きずり出されて、もちろんつき合ってあげる優しさがいい子だぜ!ってなります。

板垣恵介『バキ道』/アライJr.再び、になるのでは…。

東毅異世界シェフと最強暴食姫』/ここ3回しか読んでないのだけれど、この緊迫感のなさは打ち切りゆえのヤケクソなんだろうか。まあ暗い設定(≠重い話)まだるっこしく並べてシリアス面してる他作品の方がいいってわけでもないが。

石黒正数木曜日のフルット』/節分回。右ページでは四コマ構成にて鯨井先輩がカラスに恵方巻を取られ、左ページでは屋根の上のカラス(マリア)が恵方を向いてそれを食べ始め後ろから出てきたフルットがそばに座る。この一連の描写において、構図の使い方が印象的な回である。3コマ目まで横からのアングルだったのに4コマ目のみ俯瞰になる右ページ。左ページでは、黒一色で平面的に描かれたマリアが向きを変えると、背景にあたる屋根と周囲の建物もアングルが変わる。背後からぬっと顔を出すフルットも、マリアのアップからロングへ、そこまでの描写から180度替わる背景の向き、という描写とリンクしているからこそ効果的。上手い。





水島新司の訃報掲載。チャンピオンのTwitterアカウントは今に至るまで一切触れていないのを確認して引いてるが、もしかしたら水島プロ側からツイッターで言わず出版社ホームページで言って、みたく指示されてる可能性も…。(訃報翌日のスポーツ新聞に掲載された図版はどこも同じ絵だったみたいですね。)

○巻末コメントも一様に水島新司への追悼であるが、こういう所でも作家性というものは出るんだな、と。