●澁澤龍彦、近藤ようこ『高丘親王航海記』/新連載。これがコミックビーム版ONE PIECE(おい)。スタイルとしては『弥次喜多 in DEEP』に近くなるかもなあ。主人公のやる気と闇が混然一体のラストページ。
●羽生生純『この物語でネコに危害はいっさい加えておりません。』/新連載。ネコ漫画を宣言する予告からの、世界の異変とそれをあずかり知らぬネコ。主人公ネコの過去や背景の異変と、情報の読ませ方がおもしろい。作者Twitterにて無料公開されていくとのこと。
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— 羽生生 純 (@hanyunew) 2019年3月15日
●小山建『生理ちゃん』/日常を選べなかった、という自立。道を選ぶということはなあ。
●おおひなたごう『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/次回最終回。やはり美味しんぼ(の当初の構想)コースに。
●桜玉吉『えっ?』/昭和の子供。『むかしこっぷり』とも近いかもしれん、違うかもしれん。
●西尾雄太『水野と茶山』/さすがに、今さらのゲソピンくんとコマ枠での私信並べられるとキツさの方が…。
●新井英樹『KISS 狂人、空を飛ぶ』/次回最終回でこの展開、もとい表現なあ。伏線の張り方からして予定通りではあるのだろうが。
●やまじえびね『かわいそうなミーナ』/流浪の霊。同情は危険フラグっぽいが。
●谷口菜津子『彼氏と彼女の明るい未来』/そこでつまずく(文字通り)、という哀愁よ。
●いましろたかし『未来人サイジョー』/マッドマックス2はもちろん、ブルース・リーももうちょっと先なんだよな、考えてみりゃ。共通言語があった上で、という作品ではあろうし。
●オカヤイヅミ『ものするひと』/恋愛展開にいくかあ、意外っちゃ意外。モノローグや文字がちゃんと浮き足立っている。湯気のオノマトペがよい。
●上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/島崎藤村・初恋、をマンガのタイトルロゴで。七五調の詩である点で、実質RHYTHMシリーズだな。ここで組み上がるのが普通の文章だと個々の“絵”としての内実は減じてしまうわけで、なかなかの際である。別の視点を向け異なる意味を与えるこれは、やはりパロディと呼べると思うのだ、愛のある。/新企画に向け来月より休載とのこと。待ってますよ!
がんばれ酢めし疑獄!!(1) (少年チャンピオン・コミックス)
●河合克夫『ゆみこ覚醒』/読み切り。見ることの不安。ビジュアルイメージの不穏さよ。
●松田洋子『父のなくしもの』/「物語」を得られない悲しみなのだよなあ。
●原百合子『もしも、明日世界が終わるなら』/読み切り。BLでそれらしきガジェットましまし、という印象だが、同時にこの作家性の出力配分を変えると『繭、纏う』になる、というのはよくわかる。
- 奥村勝彦編集総長が部署移動、岩井好典編集長が退社という形で、コミックビームを離れられるとのこと。(奥付け確認したら、今年に入ってから「編集長代理」という肩書きが加わっていた。)長い間楽しませていただきました、本当にありがとうございました。