月刊コミックビーム2017年10月号

※明日には最新号発売。




  • 表紙は青高チア部。ここ数ヵ月のビーム表紙はヒロイン押しだな、いやーあざとい(棒)。





●オカヤイヅミ『ものするひと』/新連載。作家の日々。絵柄の静物としての画面の浸食が独特で、その中である言葉。最後のネタには帽子男がダブったが。

●伊図透『銃座のウルナ』/最後の一人としての情念ではあろうが、それすらも最初から“殺されて”いた、と。

●conix『青高チア部はかわいくない!』/修業パート。「かわいくない」は、そういうことなんだよな。

三宅乱丈イムリ』/動かない顔の見せ方と、それとの対比がもう。そしてまた、裏切りと相対する展開になるわけか。兵器による襲撃もだが、苛烈さを一貫して冷徹に描写する筆力よ。

山田参助あれよ星屑』/死。最後のコマ、この処刑描いたのはすごいけれど単行本化時に消し入るかも。(前例『パノラマ島綺譚』)

ジュール・ヴェルヌ、倉薗紀彦『地底旅行』/閉鎖空間からの行き先は。次回最終回。

小林多喜二唐沢なをき『僕らの蟹工船』/アレンジつうかなんつうかもう、軽いなおい。やっぱ猫耳少年かよ。

田中貢太郎近藤ようこ『蟇の血』/着物姿で泣き伏す女性をこのアングルから、という絵もなかなか見れないか。

おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/箸。教育という要素入るとな。図示がちょっと前の刃牙と印象ダブった。

●谷口菜津子『彼女は宇宙一』/読み切り。前回掲載作品に続き、異物と女性マンガ要素の組み合わせがおもしろい。『ヨメがコレなもんで。』の宮田絋次思い出すなど。

●H.P.ラヴクラフト、田辺剛『狂気の山脈にて』/ショゴスあらわる。息を飲む絵力。

いましろたかし『新釣れんボーイ』/過去作品映画化、とまた混沌たる要素が。新機軸ではある。

山川直人『小さな喫茶店』/『団地ともお』の樫野さん思わせる導入ながら、展開はまあ別物。そこにいる人々。

上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/怪奇マンガパロディ、とオチが予想外だよ。

須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』/「どこか」が「あそこ」へと変わる。目的地がある、行ける場所である、ということがこの旅の終わりになるのか。

●市川ラク『わたし今、トルコです。』/前連載が日本のトルコ料理店で今回はトルコの食生活、そのリアルの違い。


松田洋子『大人スキップ』/くろけー…。われ鍋にとじ蓋、と言うにもあんまりな重さだが。

●おくやまゆか『むかしこっぷり』/生と死と、と思わせておいてこのオチ。いや、死には変わりないんだけど。こういうノリで話すおばさんいるよね。

●横山旬『あらいぐマンといっしょ』/最終回。最後まで嵐のように走り去る幕引き。ババアもよかったね。お疲れ様でした。




  • 電子版会員サービスが低価格へと一新。すいません、当方はネット環境的に…。



※余談


コミックビーム100担当編集者の本気鈴氏ですが、ビーム関連の過去仕事では『利平さんとこのおばあちゃん』単行本を出しています。いい作品だぞ、読もうビームコミックス!
利平さんとこのおばあちゃん 上 (ビームコミックス)