ハクメイとミコチ 3巻 (ビームコミックス) 樫木 祐人 KADOKAWA/エンターブレイン 2015-01-15 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
以下、雑誌掲載時の感想。
- 第15話
- (一)
コンジュの町は石造り。スラムっぽい雰囲気の中いがみ合い、と人間トラブルは珍しいか。悪役トカゲさんカッコいい。/巻末紹介見たら、毎号連載になってるな。
- (二)
けずりナッツ。観察するミコチ、疾走するハクメイとハードボイルドだぜ、やや。酒で仲直りといえば、『秋津』のあれはひどかったな…(ほめてる)。いや、新たな酒作りだから『へうげもの』のあれか(それはそれで)。
- (三)
扉絵、この世界は漢字使ってるんだな。住み分けが一番だと思うけどねぇ。コンジュは無事で何より。
- (四)
あの娘飛んだわ!というわけでアクション回。この後おいしくいただくものと思われる。
- (五)
うまいメシ見せびらかし作戦、これは強い、作品的に。思い出の、始まりの味はまずい、というのが物語としての滋味にして人間味。満月と飛行機ロープによる脱出に囚人リクだぶらせちまったい。
- 第16話
一軒家でなくアパートだったか。虫とも会話可能と。絶景の場に酒置いておくってのは粋だぁね。
- 第17話
同僚との休日&おしゃれ。字を読む虫、サングラスかけたアナグマ(?)のモヒカンたてがみ。生業の仲間という距離感は、同士として酒を酌み交わせる間柄。この風車はイワシ初登場回で修理してたものか。
- 第18話
虫も喋るか。お菓子作りを動物から教わる、てのはこれまでの飲み食いからもまた微妙に異相だな。机上に座するもテーブルマナー。調理中の切れ端は作り手の特権、うむ。
- 第19話
天気予報の載る新聞のある世界。「釣りみたい」か、まずヒットマンみたい、と思ってしまった。本作の魅力たるメシの写真が撮れなかった、てのは記録でなく主観の領域になっちゃうってことかね。自らの介在という思い出。
また、この期間の未収録作品としては「ハルタ」volume 19に掲載された、読者企画「モーゲンハルタ」のイラストがある。作家が読者のリクエストに応えた内容を描く、というこのコーナーで、樫木祐人はハクメイとミコチのコスプレ姿を大量執筆、かわいかったよ!
しかしあらためて見ると、俺、雑誌感想では全然絵のクオリティほめてないのな。うっかり慣れっこになっちゃってるけど、この作品は画力が見どころなのですよ!小人のメルヘン世界を、生活描写を、「日常」を成り立たせるこの描写力を、自然と人工物を見てくだされ。そこで展開されるこのノリを、おいしそうなメシを人とのふれあいを味わってくだされ。おもしろいです。
単行本書き下ろし、幕間・設定集・コラムとしてのショートストーリーも良し。今刊のあとがきマンガには古くからのコミックビーム読者にはなつかしい、森岡氏の姿も。