ハルタ 2014-NOVEMBER volume 19



大武政夫『カバー・ストーリー』/表紙絵からの続き。皿ではなく禿げ頭の河童。まあ野生動物だし。
●菊池まりこ『カプチーノ』/夜空の星の下の二人、うむ。心の中の天使も悪魔も善人てのは斬新な性格描写である。やっぱりなあ、かわいいんだよなあ、恋する顔が男女とも。お母さんは撮影する余裕があるなら大丈夫、たぶん。
●浜田咲良『転職坊主』/新連載。ポーカーフェイスとハッタリで勝つ営業、いわばリーマンギャンブラー?要素としては怖い顔ギャグも入るか。
九井諒子ダンジョン飯』/そりゃ無人販売はコケるだろうよ。食料運びの苦労、ダンジョン内店舗といえばやはり不思議のダンジョンが浮かぶ。モンスターにアイテム盗ませて、あとで倒して入手するテクニックとか展開にかぶるよ。パン生地は力こめてこねるのが大事。
森薫乙嫁語り』/見開き扉絵の描き込みが流石だ。なるほど、一夫多妻展開か。
佐野菜見坂本ですが?』/宿敵あらわる。かつて戦った不良たちとの友情は、おかしいんだけど熱いよ、馬鹿だからこそ。
なかま亜咲健全ロボ ダイミダラーOGS』/扉絵でペンギン帝国図解。アニメ版が一部キャラ入れ替え&大団円だったんで、いろいろ忘れてる。エロ男子が殴り飛ばされる光景は気持ちよい。殺人ペンギン対策は、ペンギン殺戮でしょうか。
中村哲也『坂がちガールズ』/読み切り。女の子二人がロードバイクとマウンテンバイクで勝負、いわば弱虫ペダルVSエアマスター!(違う。)ツンデレ百合もとい仲間意識かつ競争意識を据えて、友達の輪やご近所なじみでなごやか空間かもし出し、レース描写は駆け引きのディティールや画面構成で引き込ませ、解放友情トホホオチ。楽しさてんこ盛りだあ(にこにこ)。
近藤聡乃『A子さんの恋人』/今回はコマの枠線の使い分けがおもしろい、時間分節の妙。あとカケアミが印象的だな、と感じて巻末コメントに納得。内面と表情アップの見せ方が“大人”の世界ですな。
丸山薫『事件記者トトコ!』/いわゆるアニメ絵、かわいい系の絵柄と目されるかもしらんが、それがちゃんとアクション演じてポージング決められる画力と構成の世界なのよね。上手いよ。話の内容は拍子抜け展開&やはりお前か、だけどそこがいい。新キャラ登場に際しこれまでの面々もお目見え、て回でもある。トトコの沈黙を表す黒背景にへにゃっとした白線、がなんか好き。
樫木祐人ハクメイとミコチ』/虫も喋るか。お菓子作りを動物から教わる、てのはこれまでの飲み食いからもまた微妙に異相だな。机上に座するもテーブルマナー。調理中の切れ端は作り手の特権、うむ。
入江亜季乱と灰色の世界』/冒頭の編み目の描き込みが流石だ。別れを告げてからの1日。宿命おって能力がゆえに旅立つ乱は、日比の能力を、それが生きる日常を、それをもって人生に抱く夢を見たいんだ、知りたいんだ。カッコいいんだよ、その光景は、その中の人は。
●染谷みのる『瞳の中のアイ』/読み切り。瞳に映る少女。広い意味では押しかけヒロインものか。
●緒方波子『梅小路さん七転八倒』/読み切り。なにこのまんが極道、と思ったが学園マンガではある。過去作品と共通の世界なのね。
●梶谷志乃『想幻の都』/潜入捜査編。連れ添うのはその二人か。ビオロイドでなければデータ改ざんは不可能、て設定を、異なる面から記憶に関する話として二人の過去エピソードで描いてきたわけよね。バトル展開はさてどうなるか。
●和田隆志『心中無理』/読み切り。無理心中なんて言葉は、殺人と自殺、としか訳しようがないそうで。今回もブラックな作風だが、ユーモア入るようになったのは強い。いい異色さ。
●空木哲生『鴨の水かき』/そうだよな、ゆるキャラも機能性とデザインと何より目的なんだよな。人々に囲まれ喜ばれる、いい成功の光景だ。その描写だ。ひらがなオノマトペが好きだ。社長の「居座れる場所」という言葉はたくましいね。
●大窪晶与『かささぎ卿と骨』/シリーズ連載。意外や主人公の友情譚。やっぱり本棚でも並べたいものは私的な思い入れあるやつですよ、うん。
室井大資『秋津』/シリーズ連載。帰郷。二組の親子、ではあるのだが。一応、いつもよりはちゃんと苦悩している秋津。不可避の関係性だからこそってのもあるが、いらか君の勇姿ふくめ。
●高田築『補助隊モズクス』/最終回。嗚呼。物語に殉じてみせたか。戦いは続く、あらがいという希望と共に生きて行く。おもしろかった、いい作品だった。お疲れさまでした。


  • 読者ページが普通(?)の編集者コメントに。情報量多くてよい。
  • 次号、福島聡新連載!!!

※読者ページの編集者コメントに、単行本化について本当に判断材料になるのでぜひ意見要望を送ってほしい、みたいな事書かれていて、うん、それは嘘ではないんだろうけれど、単行本や増刊の突然の発売中止について何一つ読者に告知も謝罪も行わなかった身が口にすることかよ、みたいに俺は今後もねちねち言い続けます、絶対に。