月刊コミックビーム2014年12月号

月刊コミックビーム 2014年12月号

  • 表紙がカッコいい!以下、アオリの引用。「WE ARE ALL PROBLEMS」「遂に創刊十九周年。これまでも、これからも、ずっと漫画界の“問題児”。」「善悪彼岸執筆陣」
  • 付録はデスコクリアファイル。カラー印刷の『SOIL』『BAMBi』絵を切り取って挟める、というギミックつき。



山川直人『小さな喫茶店』/新連載。すれ違う気持ちに巻き込まれ、動かされての縁。それに不満覚えるのは贅沢かもしれないが、気持ちの苦味はなぁ。ラストに以前の連載タイトル出てくるのは嬉しい。/既刊広告いいね。
須藤真澄『庭先塩梅』/まだこんな状態なのかよ。室内浮遊、空中飛行と構図の見せ方がよい、新刊広告も。
カネコアツシ『デスコ』/意外や先代だったとは。ビジネスライク。
三宅乱丈イムリ』/無効化できるかは術によって異なるか。一枚岩だったはずが軋轢生じていく、というのはカーマ側も同じなのだけれど。
志村貴子『わがままちえちゃん』/あー、この扉絵の二人はくっつきそう。結局何が本当かわからないって話なんだよな、しかし。
鈴木みそ『ナナのリテラシー』/少女マンガ市場も興味ない人にはさっぱりだよなあ、一部書店での扱いも昔は本当に雑だったし。読者層の人口から部数計算てのは、そこ以外に届いてこそ大ヒット、てのも含めリアル。新章は作風異なるマンガ家二人の電子書籍への挑戦と。
唐沢なをき『まんが家総進撃』/このタイミングで同人イベント中止ネタとは…。作中のなんつーか、クラスタ豆知識的昔語りをありがたがる、て描写にピンとこない私はオタクではないんだろう。
新井英樹『SCATTER -あなたがここにいてほしい-』/活写される“現代”の悪役、これはヤバい。感情妄執ドロドロ描いてこその人間味、な作品世界において、それ欠落してるが故の明晰弁舌狂信暴力。
イシデ電『逆流主婦ワイフ』/以前ブラックなオチ迎えた主人公が無事でいて、今回はトホホなオチ迎えるのは救いなのだろうか。あえてコミカルにしてる感あるしな。
山田参助あれよ星屑』/戦災孤児たち。前回の夫婦もだが、したたかでなければ生きていけない。優しい筆致だ。
松田洋子『私を連れて逃げて、お願い。』/主人公二人がピュア過ぎる分、人生煮しめたようなババアが映えまくり。ちびくろサンボ中のホットケーキとは、インドのぺらぺらに薄い小麦粉焼き、て説もあるらしいね。
河井克夫やまじえびねサンクチュアリ』/シリーズ読み切り。神様の話というのは前号にも近いか。やまじ作品にはレズビアンが題材のものもあるそうで、そこでこの展開、しかしラストの呼称は「姫」なんだよな。平和の形とは。
●市川ラク『白い街の夜たち』/で、↑に続けて宗教と救いの話なんだが、こちらはリアルに命の話で。生活と地続きの物語だしな。
●横山旬『変身!』/中学生編開始。話数カウントはそうなるのね。青い性欲で世界を変える!て情動が、こういう形で折られたのはよかったのかどうか。
羽生生純『ジュウマン』/あー、中身が同じだからリンクして膨らむって原理か。つまり怪物化しての同族殺しだと。その衝撃設定からこの下世話オチ。アッパーとボディブローでくるね。
朝倉世界一『春山町サーバンツ』/外国人寿司屋、その過去。なんじゃこりゃ、という寓話的シリアス。
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/回転寿司屋、その発祥。ただしホラ話。たしかによく考えついたよな、こんなシステム。
赤川次郎鈴木マサカズ『鼠、』/アヌビス神!この飄々とした主人公がどう立ち向かうのか。女怪盗の方が強そう。
古泉智浩『悪魔を憐れむ歌』/漫才ネタは別作家に依頼してる点が、ちゃんとリアリティに寄与してますね。
竹本泉『シンリャクモノデ』/第一話設定にかえって最終回。動物編というかラブコメというかそれでもいつも通り。理不尽には何も通用しない、てのは作者の自己言及ぽくもある。お疲れ様でした。