『絢爛たるグランドセーヌ』2、『ポリーナ』

絢爛たるグランドセーヌ 2 (チャンピオンREDコミックス)

絢爛たるグランドセーヌ 2 (チャンピオンREDコミックス)

Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』2巻。チャンピオンRED連載の本格バレエ漫画、である。

2巻では、主人公の少女・奏が踊る楽しさ、観客の前で舞台に立つ喜びを知り、さらにライバルとなる天才少女と出会い、というワクワク感はひとまず傑作たる定型の醍醐味として。おっさん読者からするとそこから続く、主人公がプロという将来を夢見るようになる、周囲の人間からそれへの道筋を支えられる、そしてそんな中で練習できることの幸福を喜ぶ、という成長描写に、一際グッとくるわけであります。


少女がまっすぐに頑張る、それゆえに燃えるし、愛おしい。熱く可憐な、夢の物語である。いよいよ決戦!という所で次巻に続くのが、いやさものぐるしい。
ポリーナ (ShoPro Books)

ポリーナ (ShoPro Books)

というわけで、でもないけど一度触れておきたかった作品をここで。バスティアン・ヴィヴェス『ポリーナ』。バレエダンサーの半生を描くバンドデシネ作品である。


主人公は少女から大人にまで成長し、寄宿学校から大舞台へという定まった人生に俊巡し、厳しい歩みの中に出会いと別れと絆があり、というビルドゥングス・ロマン。肉体を芸術として見せる、そこにどういう思いがまつわるか、という形での人生描写であり、バレエ漫画です。非常におもしろかった。

余談に近いけど、こういう画面構成(※右ページ)の表現見ると、海外市場狙って日本マンガも左綴じ右開きに!なんて気楽には言えんよなあ、と。