「鶴瓶のスジナシ」岩井秀人回

  • CBC 1月22日0時28分より。

●設定は「倒産した会社」。
●前々から思ってるんだけど、中井美穂はカメラ引き始めたら、しかも上からのアングルに移行し始めたんだったら、素直にそこでストップかけてほしい。未だに私は中井の判断より、終われるタイミングの演出に入るスタッフの勘の方を信用しております。
●とはいえ今回は明らかに、中井がストップをかけなかったことで作品のスジはさらなる異常化を果たしたので難しいとこではある。うーん。まあ演者のギリギリテンパり感楽しむバラエティなら中井の判断で正解だけれど、即興演劇としてはスタッフのタイミングで止めておくべきだった。で、その点はどっちのおもしろさもアリな番組だからなあ。うーむ。
●今回はゲストの岩井の立ち振舞いが、番組的には新鮮でした。キョドるわ噛みつくわ無愛想になるわ気弱になるわ暴走するわ、シリアス?狂気?ネタ?鷹揚にも見える落ち着きは三谷幸喜にも似た印象受けましたけど、内心見せない演技派という点ではこちらが図抜けてますからね。よくこんだけコロコロ変えられるよなあと感心。
●おもしろい、というよりは連続ラッシュ、かな。なんつうか衝撃だった。いや、もちろん笑いながら見てたんだけれど。
●プレビュートークで、岩井は即興劇における「Yes and」という考え方(相手の出方を肯定して受ける)が出たと話し、真面目さだ、と評されてましたがそれもよくわかる。職人として真面目なんだよな。
●あらためて見たら、私が上で難詰した“止め”のポイントも、岩井側がセリフついでるのよね。とにかく展開させようとし続けた結果、苦しまぎれ気味に謎のSFギャグ領域いっちゃって、本人いわく「レフェリーストップ」かかったわけでして。それでも、序盤のおふざけめいたやりとりを伏線にしてみせ、鶴瓶本人モデルの斜め上設定出てくるその発想は腕だわ、技術だわ。すごいよ。
●終盤、岩井の怒涛の押しは同時にかなりぐだぐだなんですが、場面としては窓からの逆光が画面に異様なカッコよさもたらしちゃっててますますおかしみが増すという。やっぱりこの辺は、スタッフとの共同作業な番組ですね。よかったよ。