週刊少年チャンピオン2013年38号

  • 出版社周りはごたついてますけど、この場の私はチャンピオン読者というリアルを邁進するのみです。

車田正美聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』/連載再開。表紙の人はフライング、てのもすでにパターンのような。
浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/オカルトなんて、信じない!一家団らん、平和な光景である(パワフルさによる)。
渡辺航弱虫ペダル』/実際、チーム内で限られた椅子の取り合いってのも過酷な話だよなあと。キャラは増えるのに。/ところでアニメのキャラソンCD第二弾が寒咲さん&アヤちゃんってどうなの。『みつどもえ』のチクビ(※ハムスター)のキャラソン買った私が言えた義理じゃないけど。
増田英二『実は私は』/ラブ的には一山こえてキャラ集合回、てなんじゃこりゃ。さすが浦安載ってるチャンピオンの連載作品と言うべきか。フクちゃんは本当に役立たずなんだね…。
●瀬口忍『囚人リク』/慰問公演といえば、私は劇団ひとりのネタが大好きでして。それはともかく、これは予想外過ぎるおはなしという名の豪腕。これがきっちり決め玉になってるってのがすごいよ。
●重本ハジメ『雨天決行』/センターカラー。ヒーローとしての自覚。お約束ですが、いいねいいねー。
佐藤タカヒロ『バチバチBURST』/常松の叫びが熱い、が、こういう形での決着か。両者ともすべてを出しきった果て、の光景なのだろうけれども。
丸山哲弘『3LDKの花子さん』/ダメ男萌えな机におっぱいが乗るヒロイン、けしからん(本来の意味で)。
安部真弘侵略!イカ娘』/巻き尺遊びとはまたなつかしい。そっか、実家にあったのが鉄製だったのは日曜大工に多用してた、というかそもそもウチが田舎の山中だったからなのか。
木々津克久名探偵マーニー』/これはまた重い話。パトレイバー言うところの警察は常に後手、でもありますが。
●角光『パンダのこ』/「竹藪…!?」というのがなんかツボだった。実家の裏にもありましてねえ、竹やぶ。
●服部治朗『ラブゲーム』/新人読み切り。絵づらやテンションに『ねじまきカギュー』に近いノリも見えますが、おはなしの軸としてはちゃんと少年マンガしてていいんじゃないでしょうか。弱くて生真面目な少年、バカで強い少女、共にずれてて共にやさしい二人がファンタジーバトルコンビネーションラブアタック!おもしろかった。
佐渡川準あまねあたためる』/オチそこかよ。優しさって時として残酷だよね…。


  • 次号より、村岡ユウの柔道マンガが新連載。これはチャンピオンとの化学反応を期待。



佐渡川準氏の訃報が掲載。
 私が佐渡川氏の死を知ったのは、報道ツイートをリツイートで、でした。唖然とした。意味がわからなかった。読んでる人ですよ、毎週俺が買ってる週刊少年チャンピオンで連載してる、直前にその人柄をイベントレポート漫画で描かれ、ツイッター上で自らも同じイベントをマンガにして発表してみせて、読者の私をほのぼの笑わせて。その人がもうこの世にいない、とか。はあ?
 わけがわからないまま気の抜けたままの状態で、私は佐渡川氏に言及した瀬口忍氏のツイートとブログ、森田将文氏のツイートを読みました。お二人ともなぜだ、と嘆き、佐渡川氏から受けた言葉のことを、その内容は明言せずに、それに勇気づけられ励まされた旨をつづられていました。
 こう言うのは不謹慎かもしれないけれど、私はそれを見て少し心が救われました。いち読者の私より、はるかに佐渡川氏に近い作家仲間の両氏が、佐渡川氏に確かな感謝の事実を述べると同時に、だからこそ、彼の死を悲しみ理解できないでいる。
 悲しい・理解できない、という点では私も同様ですが、でも瀬口氏と森田氏には直接佐渡川氏から受け取ったものがある。そのやりとりの事実が、今回の現実に対する感情として出る、個人的リアルたる“おはなし”としてある。私が熱を受け取った作品の語り手二人が、そう言っている。だから私も佐渡川氏の作品を、描かれたおはなしを込められた熱を思い出す。
 別冊チャンピオンに掲載された『ワイルドモモ』が好きだったなあ、と思い出す。サイレント漫画で野生児の女の子が暴れまくる。かわいくて健康的お色気で元気で、彼女に情が芽生えて悲しみもあり、でも最後は笑顔でまぶしくて。
ハンザスカイ』の野田に涙ぐまされたことを思い出す。全力でひたすらにあがいてあがいて頑張ってもぎとった無様だからこそめちゃくちゃカッコいい勝ち星。俺は本当にあいつのことが好きで。
 忘れていた作品のことを思い出してじんわり心に熱をともす、読んだ時の高揚を体感として思い出す、とわざわざやるのはファンとは呼べないかもしらんが、でも読者だ。俺は佐渡川準先生の作品の読者で、心を動かしてもらいました。その瞬間が間違いなくあったことを思い出して、やっぱりそれが揺るぎない形で俺の中に残っていることを確認して、そのかけがえなさを再確認しました。
 今頭から感情が吹き出したので今言います。ありがとうございました。お疲れさまでした。
 佐渡川氏の葬儀が終わってからの、安部真弘氏のブログ、瀬口忍氏のブログ、中村ゆきひろ氏のツイート、沼田純氏のツイートも読みました。みんな佐渡川先生の人柄を愛していて、だからこそ悲しんでいました。佐渡川作品を愛せた私も悲しかったです。残念です。けれども、やはり「ありがとうございました」の一言をこそ、申し上げたいです。