『モンスター娘のいる日常』3、『ロボット花子』、『百人物語』上・下

モンスター娘のいる日常 3 (リュウコミックス)
オカヤドモンスター娘のいる日常』3巻

  • 人魚設定、モンスター娘部隊登場、病気トラブル、悪役登場、と最新巻でも楽しいギミックてんこ盛り。
  • しかし、あのスライム娘をこうも可愛く見せてくるとは。不意討ちはダメージが大きいのだよ、萌えの。母なる海という言葉もあるように、包み込みうるおす液状という名の母性。意味不明か。なら朴訥萌えってことで。
  • あと、裏表紙の説明文に「DTとは思えないモテモテハーレム状態」ってあるんですけど、そこはそっとしといてやれよ、つうか基盤は色恋より優しさだと思うんですけどね、この作品。陳腐でも言うよ。キャラ愛のディティールとしての現れ方見てると、楽しんでいる読者としてはそう思う。



ロボット小雪 (竹書房文庫 GY 9) 百人物語 上 (竹書房文庫) 百人物語 下 (竹書房文庫)
業田良家『ロボット花子』、同『百人物語』上・下巻

  • いずれも文庫版。作者の手塚治虫文化賞受賞を機に、復刊が進んでいる様子。
  • 『ロボット花子』は初読時に受けた“絶望”の印象が、3.11後の今あらためて読むと、ビビッドに社会的政治的内容と読めて焦燥感をかき立てる。それは作者が描くものを模索した際に掘り当てた物語としての強度の形であって、当時、そして今、どう受け止めるかは読者側の問題であるのだけれど。作者の来歴を知っていればこそ、血の通ったおはなし、「新・自虐の詩」(旧版の副題)として読みたいわけである。
  • 『百人物語』は初読。連作ショートで描かれるコメディ要素強めの叙事詩。『ロボット花子』に登場する「私は見た」と言う男(ガンさん)は、この作品で登場してたんですね。それもあってか、作中ではガンさんがメインの二編「私は見た!」「私は見た!2」が特に印象深かった。後藤友香『正義隊』解説にて古川日出男が放った「あなたは見よ。」も良かったが、「私は見た!」も、うん、強いね。
  • で、『百人物語』は最終的に中学生男子の思春期もんもん編で終わり、というよくわかんない結末なんですけど、こりゃ文庫版『世直し源さん』解説と帯文で大月隆寛夏目房之介がそれぞれ触れていた九州男子的セクシャリティというリアルかもしれん、違うかもしれん。