コミックビーム2012年10月号

  • 今月号から紙質変更による軽量化。約3分の2の厚さに。(ページは増量!)

おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/新連載。タイトル通り、と言ってよいのか。そもそも手料理で黄身を半熟にできるだけすごいじゃないですかー、というレベルの読者目線で見守らせていただきたい。
ヤマザキマリテルマエ・ロマエ』/「チャリオットを操ったり」て、その回想はおかしい。温泉で心がつながっている、というテーマの再確認でもあり。
三宅乱丈イムリ』/この符号には興奮。道具は16個でしたっけ。これ作ったピアジェイムリ部族は、滅ぼされてしまったんだよなあ。/半獣化もまた、重く絡んできそう。
志村貴子放浪息子』/そりゃまあ、知った顔なら女には見えないでしょう。それにしても、ここまでカミングアウトしてもセクシャリティの話にならない、というのは独特だよなぁ。『青い花』と区別してるのかね。
三家本礼『血まみれスケバン・チェーンソー』/あれ、ガーディアンズは生身の人間だと思って読んでたんだが、改造されてたのか。じゃあ安心だ。(えー)/最後のこの登場場面は、いうなれば鬼百合!というか、1話目からこのギー子の見開き目はすごみあるんだよ。『座敷女』の「何言ってんの?」みたく。
須藤真澄『庭先塩梅』/シリーズ10作目、そんなになるか。精神と能力の成長。
松田洋子『ママゴト』/みんなキメる時は優しくてカッコいい、いい大人だ。
新井英樹『SCATTER-あなたがここにいてほしい-』/身体感覚に連なる性衝動のパワー、みたいな感じでしょうか。でも「ぶっかけ」だしな。攻撃性?顕示欲?もろもろ込みでか。
●新田章『パラダイス』/短期集中新連載。空き地と居候、って『ドラえもん』のそれとはだいぶ異なるけれども。『ホムンクルス』冒頭の“異人”に近い感覚か。おもしろい導入。
●山本健太郎『ウィンド・ハート・ブレーカー』/この人の作品ならではの寂しさ、喪失感。と同時に、メガネさんの存在がハッキリ希望として見えている、というのがまたおもしろいんだよな。
安永知澄『赤パン先生!』/きゅうりがでかい、ババアがうるさい、これがリアルだよ!/といった要素もかすむほどに、これもきっちり喪失描かれてますね。ここまでの物語を背景に、山場は状況描写で。うまい見せ方。
唐沢なをき『まんが極道』/こういうシステム自体は、ビームでもチャンピオンでも普通に見かけますけれども。こういう形で描かれると確かにこわい・・・あ!ビームやチャンピオンはヒット作輩出誌じゃないから大丈夫なんだ!!(えー)
●おくやまゆか『三年目』/読み切り。絵柄を変えて落語を原作に、ユーモラスかつ巧い絵物語。おもしろい。
しりあがり寿『遠征』/なんか本当に、『方舟』ばりの絶望の地平ひた走ってますな。物語という希望、すら味あわせない徹底的な。
竹本泉『あかねこの悪魔』/え、修羅場?というか、ようやく?
タイム涼介『I.C.U.』/年の差BL・・・いやいや。
三好銀『砂糖楓の丘』/読み切り。奇妙な空間の味は変わらず。怖くて惹かれる。
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/まさかの巻末コーナーパロディ。ほとんどライター芸で、ネタ元いちいちオマージュしつつおもしろい。すげえ。