週刊少年チャンピオン2018年26号

●中村勇志『六道の悪女たち』/「悪女ラブパニック巨編!!」というアオリはよくわからん。このヤバいおばさんも能力で落として解決になるのかな、それもちょっとなあ。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/逆回し。なんじゃこりゃ(笑)。ギャグを描く側のディティールの想像力が映像(≠カット集)としてもあってこそのネタ。前回の大福星子ネタでもふれた、カンフー映画な世界法則とも言えよう。オチは男女で服交換して腹突いてるから高木さん適当。

渡辺航弱虫ペダル』/おお、あっさり抜き去った。ハエ呼ばわりされたお返しでもないだろうが、御堂筋を昆虫にたとえる坂道もどうなの。先週のBEASTARSの昆虫さんとずれたのは幸い。

夢枕獏(原案・板垣恵介、挿絵・藤田勇利亜)『ゆうえんち』/主人公は少年か、と思ったがこれ少年誌だもんな。

板垣巴留BEASTARS』/オッサン読者から見ると、無理するな若者よって感じだけどねえ。まあそれで振り切ってしまうとリズになってしまうわけだが。

桜井のりお『ロロッロ!』/もう、この漫画における脱衣はエロとかより浦安の花丸木脈絡だろ…。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/何かが起こりそう!!(山田)

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/ポケモン青ってまた微妙なところ突いてくるな。

車田正美聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』/いやもうライオンハートって言いたいだけだろ。

佐藤健太郎魔法少女サイト』/あっさり全滅。何がなんだか。

西修『魔入りました!入間くん』/内装が驚くほど豪華、てアシスタントに任せるにせよ、もうちょっとこう、なんとかならなかったんだろうか。椅子とか。もとよりディティールの作れない作家の逃げとしての、ファンタジー“風”設定でしかない世界観とはいえ。まあ主人公の人格ですらここまで雑な扱いならどうでもいいのか。

増田英二『週刊少年ハチ』/内輪でつるむのと外部に伝えるのは違うからなあ。まず送り手の意識において、そこで扱うのがデータベースなのか、個人のリアルなのかという点で。あと、マグロ漁船に乗り込むアイドルゲームだってあったんだからたぶん大丈夫。
 

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/意識のずれを利用してるのかなあ。ツマヌダ格闘街体重移動法みたいな。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/有力者に取り入っての潜入展開。姫様もいいキャラしてるだけに、いずれ裏切りどうこうみたいな展開が来ないか不安だが。こっちの見開き風景はちゃんとイマジネーションだと思うのよ。

木々津克久『開田さんの怪談』/この手のキツい性格をドライに見せてくるのは流石というか。どういう嫉妬なんだこれ。実話を元ネタにすると意味ずれるのでは、という点は昔話にすることでカバーするも、次回最終回。そう何回も続けられるフォーマットではなかったか。

●タカヲヨシノブ『異常』/読み切り。こっちはこっちでかつて殺られてた、という考えオチか。平穏な関係の継続に見えるからこそ異常と。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/フーー、スッとしたぜ(スッキリ)。リスの方はうん、まあ。

石黒正数木曜日のフルット』/やはりAI様は人間ごときより格上でなんぼよ。

週刊少年チャンピオン2018年25号

板垣巴留BEASTARS』/黒ベタ1ページにのたくる白線、と食感の表現がおもしろい。虫の擬人化(世界観的には擬“獣”化?)とその述懐は、メタ的には人間と動物のことだけど。ラストの果てた表情見て思ったが、これ「強くなりたくば喰らえ!」論法なのか?前回も童貞どうこう言ってたし。

桜井のりお『ロロッロ!』/男女平等に脱ぐならいいか。よくはないか。報いとはいえ…。

夢枕獏(原案・板垣恵介、挿絵・藤田勇利亜)『ゆうえんち-バキ外伝-』/小説新連載。夢枕だなあ、というバトルジャンキーノリ。夢枕作品オリジナルキャラの名前も同一の世界観として出すのは思い切ったなあ、板垣版『餓狼伝』への久我登場や刃牙シリーズでの虎王使用という先例もあるとはいえ。あと挿絵の藤田勇利亜は元連載作家だし、予告で告知してよかったんじゃないの。あってるし、俺は好きだし。

●中村勇志『六道の悪女たち』/歯には歯を。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/以前、大福星子が登場した回でのコンビニの描き込みが印象的で、今回もまた背景の公園の描き込みがすごいんだけども。そのディティールあっての勝負ネタ&構図芸とは、それこそキャラの元ネタのジャッキー・チェンに象徴される、往年のカンフー映画での体張ったギミックに通ずる内圧の形ではないか、と思ってみたり。ブランコをこぐ=位置移動しながらの会話コマが好き。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/審判最強。

車田正美聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』/作者ノリノリで遊んでるな、と思ってたら、そんな…デストールさんが…。復活を期待。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/考えたらマリオカートも初代しかやってないな。世代越えて通じるネタなんだから、人気シリーズはすごい。

増田英二『週刊少年ハチ』/作者にも読者を選ぶ権利はある、と極言するとなんだが、伝える相手を意識するのは大事よ。俺だってさあ、“みんな”に読んで欲しいなんて思ってたら、わざわざこんなブログの書き方するわけねえじゃん(笑)。で、私はこの作家好きなんで言っておくと、生徒の「武器」として描写されるのは各々の“リアル”であり、淵間はネットへのアップを「投げかける」と表現している。まだ見ぬ読者に向き合う自分、という構造で、なおそれが夢として開くには、己を護った上であってこそ。

西修『魔入りました!入間くん』/主人公ふくめ、あらゆる人物に道具としての存在意義しか感じられない世界なんだが、もう。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/もはや気の勝負だな。

●水森崇史『マウンドの太陽』/なんか全体的に吹き出し小さいが、決めポーズ以外の要素も見映えさせ読ませてこそのマンガなのでね。

荒達哉『ハリガネサービス』/今、バレー漫画で目つぶって飛んだら絶対言われるだろうってのはあるけど。それはともかく、部長レベルのコピー能力開花ってことだろうか。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/設定解説。舌を抜かれるってまた妙なギミックを。ヒロイン登場、になるのか。

木々津克久『開田さんの怪談』/日本にも太鼓腹が美徳とされた時代がございましてな。ちょっとフランケン・ふらん入ってるような。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/女子会回(虫ふくむ)だと…。強いツッコミ役が映える。戦国の女性云々なモチーフも、こうして寓話の地平で持ち出される分にはいい利き。/余談だが、今回のBEASTARSの方の虫をこの作者が(本気で)描いたらすごそう。複眼とか。

●八音橋ナオキ『鬼々走々!』/読み切り。カラッとさわやかなラブコメ、と思ったら出血・根性ありなのがチャンピオンらしさ、かなあ。

石黒正数木曜日のフルット』/ヒゲの武器化に街灯割りと、アニメ放送前にバキオマージュかな。


ドカベンツイート覚書

今朝がたTLに流れてきた話題の覚え書きとして。







銭牝 (徳間文庫)





読み切り版『野球狂の詩』のチャンピオン掲載時、学生時代の水原が男子と対決する内容にこんな感想書いてた身としてはしっくりくる文脈だのう、と。

水島新司野球狂の詩』/読み切り。センターカラー扉で水原のブレザー姿は、サービスなの?設定としての後付け前日譚はさらっと流す、正しい。この学ラン応援団長的イコンの残り香が岩鬼なんだよね。女を前に「友達」と口にするこの“男子”ぶり、嗚呼……(その意味じゃじつわたは一周まわってるんだが)。

http://genbara-k.hatenablog.jp/entry/20151022/1445517381





あと、以前回ってきたこのツイート。


この画像から受ける印象をどう表現するべきか。牧歌的あるいは馬鹿男子の空間、または当ブログでもドカベンへの感想としてしばしば用いるおはなし・民話の地平。それらの比喩ではどうもしっくりこないなしかし、という違和感が上掲ツイート見てぱっと思い出されて自覚され、答えが浮かんだ。この場面は「乙女チック」の導入なのではないか。その文法でありフォーマットでありによる表現効果だ、と私は思いました。数多ある少女マンガから少年マンガへの影響の、これもまたその一つなのではないか、と。以上。

ハルタ 2018-APRIL volume 53

  • 帯裏連載・丸山薫『図書室のキハラさん』は新キャラ登場。がたいのいい文学青年といえば、高校時代の椎名誠、という図が浮かんだり。

大武政夫ヒナまつり』/アニメ脚本チェックしてて、一応設定ぽいことも語っておくか、と後付けで出してきた内容、みたいな。しかしこれだけ続いても技術面ではほぼ上達見られないあたり、野中英次に近いものがある。

九井諒子ダンジョン飯』/扉はリアル調ネコ娘、イヅツミの顔。この絵が作品の基盤にはあるわけだ。
/今回読んでいてやたらコマ数多い気がしたのだが、実際数えてみると25ページで200コマちょい、ページ平均8コマ。加えて、情報量としての絵のディティールと、コマの枠線を傾けることによる緊迫感の演出によって、感じさせる内容の密度はいや増す。新キャラであるイヅツミの見せ場にするべく、巨大で素早いモンスターに小回りで立ち向かうバトルシーンと、その前後の仲間内でのいがみ合いが見どころ。
/本編の展開は、前冒険時の全滅地点でもある、1話冒頭の場所へと到着。つまり登場人物にとっては、ここから先が未知の世界。同時に過去の所持品の再入手が果たされ、その結果バトルにおいてはチルチャックの武器という形で“レベルアップ”的な要素がもたらされる。アイテム入手や知識習得はあっても修行展開は描きにくい本作において、キャラの能力の真価が発揮される、という成長展開が今後現れてくるかも。
/モンスターの発見までとその由来については、上階で登場していたガジェットが伏線となる(おいセンシ)。つまり今回のストーリー構造は、作中(1話からこれまで)に登場した=作中人物も読者も見てきた伏線を元に・作中人物も未見らしい新たなガジェットが登場し・それに新要素(作中人物には旧知、読者には未見のアイテム&新キャラ)で立ち向かう、というものになる。もとより本作にはゲーム的要素が物語設定に昇華して取り入れられているが、この現状は“リプレイ”の物語化としておもしろい。不思議のダンジョンシリーズの救援システムなども体感としては近いものあるのかな、と。
/今回のモンスター・アイスゴーレムは大型ながら、話の尺もあってか、ドラゴンやキメラ描いた時ほど大ゴマを用いる描写はされない。ドラゴンやキメラは四足歩行だったが今回は二足歩行なので、実際占める空間が狭いということもあるかもしれない。ではどのような戦闘描写がなされるかというと、体の一部のみコマに入る、あるいはコマに納めるべくロングショット、という表現が多用される。そしてその描写により映える戦闘スタイルとなると、新メンバー・イヅツミの付かず離れず素早く攻撃&回避、が適任なわけである。
/構図により縮尺が可変する、アイスゴーレムの部分を避け部分を狙う。本作のカットバックによる見せ方の巧さは言うまでもないが、今回は幅の限られたコマ内で大型モンスターの動きを効果的に見せるべく、ロングショットでは斜めの動き(振り幅)、部位拡大時は直線の動き(迫力)が、動線と共に描かれる。イヅツミが退く際にバック転しながらページ左方向に移動するのも、それだけでは馬鹿正直な上手と下手の演出なんちゃらな能書きに過ぎんのだが、それを納めるコマの上下の枠線を傾かせる=左にいくほどコマの高さが狭まることで、奥行きのある動きとして表現できるわけだ。オノマトペもいちいち見ごたえあるし、先に述べた密度を感じさせる構成も、技巧あってこそなのである。

/戦闘後。ネコ娘イヅツミは体も毛で覆われていた、つまり服脱いだこの状態はセミヌード?対するライオスのあくまで研究者(?)目線な点が業深い、だめ押しで後にマルシルとセンシ誤認させる人間への興味のなさがひどい。液状のウンディーネを熱してドリンクにしたの思えば、氷は熱して気化させることで役立てるのは道理か。サウナ内で茶碗蒸しってちょっと想像つかんが。ページ左端に位置するコマにて三段階に、わくわく→そわそわ→イライラと変化していくイヅツミはいかにも猫だが、性格にも影響出てる設定なのだろうか。食卓を共にすることで絆を深めるのはやはり王道。

佐野菜見『ミギとダリ』/幼児性の世界ではあるのか。ギャグマンガという意味でも。

森薫乙嫁語り』/この内面描写をするにあたって、因習に流されず恋に生きた≒“目覚めた”女性、というステレオタイプとして読ませることは、注意深く避けている印象。

●荒木美咲『わかばのこと』/読み切り。青年と姪によるホームドラマテイスト。地に足の着いた話運びに読者の視線移動を意識した画面構成と、実直な作りが魅力的。好みである。

●高橋那津子『昴とスーさん』/↑に続けて読まされると、時間分節も構成も粗が目につく。これに限らず、誌面の大方の作品に共通した問題だけどね。子供時代の記憶が一部無い設定らしいが、時間軸のずれとかそういうオチになるんだろうか。

●櫻井良太『帰らぬ人』/読み切り。描きたい絵面がある、というのはまあわかるが。

樫木祐人ハクメイとミコチ』/この図書館シリーズも、世界観の文化レベルつかめないまま続くとつらいものがある。お勧めでは先を越されても今この場を保ってみせた、という点で今回は引き分けかな。シナトはアニメ出なかったよな、残念ながら。

●設楽清人『忍ぶな!チヨちゃん』/ナースコスプレ。確かにくノ一としては仕事に適してるのかもしれんが。

福島聡『バララッシュ』/深夜に友人と待ち合わせて封切りの映画を見に行く、となんだか原風景をくすぐる描写である。そんな経験ないけど。オネアミスの翼のポスターの隣がエル・トポというのも濃さではある。どちらも名前しか知らないけど。
/本作は、いわゆる“オタク”を描いた作品にしては、内語として“そういう内容”が出てこない。そもそも内面のセリフとしての吹き出しが全然出て来ない。登場人物が口にした言葉のみ見せる、という点で、以前も触れたように映像として読ませることを心がけてるようにも思える。
/そこで交わされる言葉と行動の魅力という話。やや自分に酔ったように大仰に、アニメファンらしい振る舞いを自己解説しながら行う山口。対して、雑談の中さらっと将来に向けての行動を口にする宇部、虚を突かれる山口、各々の「夢と現実」。間をおいて山口も、仰々しく夢を、自分達二人共通のものとして宣言。それにあっさり感化される宇部、そんな宇部に自分で驚く山口。夢のやりとり。手を叩く(パンパン)要素は『ローカルワンダーランド』とパラレルながら重なってるのね。
/そして場に介在してくる面々。カロリーメイトの目新しさや女性のファッションの示す80年代後半ぶり。宇部の天然な行動に山口が同調することで、他者との距離を自覚したり同類とつるめたり。さりげなくコマの隅でヘッドホン外してるの見せる構図がよい。

入江亜季『北北西に曇と往け』/TVCMが探偵設定メインの代物で、これ見て買った人困惑しないか、と思ってたが、本編も「久しぶりのまともな仕事だ」。これも絵押しの作風ながら、対面シーンとアクションでの構成の切り替え等、その使い方において巧いからな。
 

●嵐田佐和子『青武高校あおぞら弓道部』/変装学生生活なあ。なんか絵の尺で押しすぎてシリアスかコメディか判然としない感が。

●サワミソノ『丁寧に恋して』/ぶっちゃけ単行本奥付けでこの作品の担当編集が大場氏だと知ってから、クッソどうでもいいエピソード延々続けられるターンにいつか入っちまうのでは、と戦々恐々としてるんだよねこちとら。頼むから“物語”を描かせてくれよ、それが描ける作家を絵柄ばかりが売りの連中と一緒にしないでくれよ、と。背景描写細かいって理由で新井英樹よつばと!路線描かせたりしねえだろ、というね。/そんなわけで、このギャグ調顔も今後使う機会あるのかしらね。

●高江洲弥『ひつじがいっぴき』/水もしたたるいい男ってか。タイトルの由来と思われるガジェットも今回登場したし、夢の中の存在である、という点が話の主題になるのかな。

●山本和音『星明かりグラフィクス』/まあプレゼンテーションなんて心にもないこと言ってなんぼだし(おい)。で、その“虚業”に対する自分探し、みたいな展開になっていくわけですかね。

近藤聡乃『U子さんの恋人』/番外編後編。扉のなまはげ扮装=わらを表現するペンタッチがおもしろい。
/親族8人同席のコマがいちいちよくてなあ。この混み合いぶりと吹き出し数で、しかしそれらを読者に読ませる順序はぶれさせない構成力よ。右上から中央上・中央下を経由して左下、という視線誘導が多いが、特に場面転換前の7ページ目上段、右上→中央上→左上→中央→下という吹き出しのかけ合いから、左下であ然とするゆうこ、というコマはギャグ調ながらつくづく読ませ方が巧くて。で、この和気あいあいからページ下段に目をやると、縦長コマで黒ベタの下にけいこ、左に目をやると手前の表情消えたゆうこの背後で一同変わらずわっはっはっは(オノマトペ)というテンポね。

/話の内容の方は、ゆうこの双子の妹登場から、あらためてゆうこの背景が語られるわけだけども。なんつうかこの、東京の美大行ったけど卒業してもそっち系の就職するでもなく都心に居座り、たまたま地元近くで働く人と結婚することになったので結果帰郷してくる地方出身者の女性、というモデルがリアルな重みでねえ。またそれが田舎にいたお母ちゃんから方言丸出しで語られるわけですよ、自分には最後の結婚ターン以外意味不明だって。ハルタの読者層はこの筆致に耐えられるのか(意味不明)。お父ちゃんが『丁寧に恋して』同様、激しい怒りの表情を浮かべるシンクロニシティ(ただしブラフ)。
/そんなわいわいパートを一旦終えて、右ページ1コマ目右上の「故郷」から入る見開きに、個人的にはしびれた。

どかっと開けた“田舎”たる風景から、それが見える寒い縁側。そしてこまごまとした小物のある台所、卓上に準備された大家族用の御飯とかぶせられたハエ避け。きりたんぽという土着食。リアリティである。生活のある場所、フォークロアの地平である。この作品には東京の実在のお店とかばんばん出てくるわけだけれども、それらも“聖地”主義として、ディティールとしてのみ存在するわけではないのだ。こういう、物語としての田舎の光景も描ける作家性が出してきてこその、東京でありニューヨークなのだ。
/きりたんぽをガスコンロであぶりながらのしんみりした会話、そこでこそのぞけた内面を告げる彼氏、そして双子の妹てのがよい光景ですわ、また。最後は家族一同に祝福されて、そう、これが“ハッピーエンド”なのよな。

●緒方波子『ラブ考』/応援したくなるカップルではある。不憫さからとはいえ。

●百名哲『有明の月』/なんかCLANNADの芳野さんを彷彿とさせないでもない。


  • 巻末コメント、九井諒子のゲームちゃんとやってる感がなんかうれしい。

週刊少年チャンピオン2018年24号

  • 付録は聖衣分解図ポスター。いやはや。
  • アニメ版バキの死刑囚キャストが豪華だな。そっちメインになるんだろうか。本部は?



車田正美聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』/連載再開。デストールさん降臨!

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/最近デレデレしてて面白くない、はギャグ作家としてのセルフツッコミ感ある。LINE使うんだお前ら、そうか。(なんかさびしい。)

板垣恵介山内雪奈生『バキ外伝 疵面』/最終回。あのさあ…。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/猛虎の方が現状、泡影に近い戦闘スタイルではあるのか。しかしここで来場所とかモノローグ浮かべるのは敗北フラグだろう。鮫島の方は、感情捨てないと先に行けないという自覚あるのかね。

板垣巴留BEASTARS』/8巻で130万部かー。/相棒感出てきた、右京さんと亀山くんぽい。冒頭の和解のウェットさに対してダークな面がのぞき、しかしヒキは主人公の脳筋ぶりという。きっちりエンタメとして見せてくる作品なんだよな。

荒達哉『ハリガネサービス』/例の超設定上、声かけも無理ってことか。ようやく1セットとったものの、この作風だとリタイアも一人じゃ済まない予感。

佐藤健太郎魔法少女サイト』/結局現状は、デスゲーム参加者が協力して運営をやっつけるみたいな展開なの?

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/ほのぼのゴアネタ。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/センターカラー。チーム名はシケモクでメンバーの愛称はタバコの銘柄か。こういう遊び好き。つまりセッタを追うのは、セブンスター=七つの星を追うってわけだ。仲間との共鳴はやはりいい光景。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/里中ズズウン。

平川哲弘『ヒマワリ』/動機のアナクロぶりにたじろいだが、即泣きというギャグフォロー入ってくれてよかった。

●中村勇志『六道の悪女たち』/メインヒロインひでえ、とあらためて。

増田英二『週刊少年ハチ』/彼女もまた勇者なり、と。他人への興味が無ければ話が出てこない、というのはこの作者の物語の作り方についてはうなずける点である。先生が編集者意識なのは、それもどうなんだろう。現実に虚構は勝てないのか?

桜井のりお『ロロッロ!』/いい話っぽい友情オチつけてるけど十分ひどいから!そもそも煽ったのお前だから!

木々津克久『開田さんの怪談』/人間の闇の方が怖いオチは、理に落ちてるってことでもあるんだよなあ。そのフォーマットのずれを意識して、二段目オチはラブコメにしてるんだろうか。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/ガンマン能力はともかく山高帽は武将じゃないだろ。運も実力の内というやつか。

石黒正数木曜日のフルット』/保険の説得はな…。喧嘩稼業、どっちが勝つのかなあ。


  • もりしげ、またメイドもの連載するんだ。
  • 裏表紙の刃牙道コラボ広告、独歩には見せ場なかったのでは…。