週刊少年チャンピオン2016年49号

●中村勇志『六道の悪女たち』/2号連続巻頭カラー第1弾。普通にラブコメノリの進行見せてるのが、そもそも特異なんだけれど。幼田さんはすっかりおいしい役回り、というかまだ番長なんだっけ。
渡辺航弱虫ペダル』/このかませとしか思えない感。
浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/なぜこの内容でサブタイトルが「秋田書店」なのか。離れられない関係、現代社会におけるタバコの地位など考えながら読み進めていたが、オチ見て思ったのは、古い作品が多く現役流通商品だからか、と。会話ネタ日常ネタ枠にあってもこの構成力の強さよ。
板垣恵介刃牙道』/〜〜ッッ、決着!いや、これやりおおせる作家性はすごいよ、やっぱり。修羅道からバトル(少年)マンガの地平に引きずり下ろした、という事でもある。
●瀬口忍『囚人リク』/取り扱い注意。敵味方区別するだけマシ…と思ってしまうのは色々毒され過ぎか。
山本崇一朗『怪獣のトカゲ』/読み切り。モンスター娘かわいい、を読ませる為のネタと構成、テンポがしっかり作られている、それが技術なのだ。造形も妙に存在感あっていい。再登場を期待。
荒達哉『ハリガネサービス』/この双子が次のカウンセリング枠か。(やめれ)
増田英二『実は私は』/前回ラスト、あれで白雪校長も引かせた(ダブルミーニング)のか。白神さんの叫ぶ1ページゴマは、もちろん1話の光景から立場を逆にしたアレンジなのだけれども。最初から彼女にあった、主人公に苦労させたくない、という気持ちから、互い以外の者も守るため共に苦労しよう、という脈絡になっているのが成長ですな。これ、綺麗“風”におさめたいなら、ヒロインにばらすのは普通悪役側なんだろう。でもこの物語では、ヒロインが聞きたがって身内が応えてばらしてヒロインが昂って、その展開的には不恰好な方を描く作者だからこそ、私としては信じられるのよ。獅狼も体を張る(笑いに)。
佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/間が、いちいち怖い…。
●掛丸翔『少年ラケット』/この作品にも過去エピソード出てくるが、(現在やっている作品主題の)実践理念という形の姿勢に、物語として着地させてくるのがおもしろい所。
板垣巴留BEASTARS』/感情表現としてのスクリーントーン効果を色々見せた後に、「ふくらはぎに風を感じる」という実態としての動物ディティール出してくる説得力。色を知る時か。生態時間を抜け出して、というのは本能と相反するって事かな。
福地カミオ『猫神じゃらし!』/冬毛、というより(生態としての)変態だな、ネタのおもしろさとしても。しっぽに沿った柄になるわけか、なるほど。コマからはみ出すキャラ描写などは、やはり浦安の巧さ吸収してると思われるわけですが。
小沢としお『Gメン』/これは日常マンガというくくりになってきてるのだろうか…。
●山田胡瓜『AIの遺電子』/冒頭の悪夢の中での彼は人間の瞳であり、恋人と目して扱えば、それに類する“悲劇”に帰結する。そこへ向かうことのない「役割」である事は果たして救いか、と。でもこれ、この前の抱き枕ロボを恋人に捨てられてぶちギレる話とは、逆の結論だからね?
木佐貫卓『マル勇 九ノ島さん』/最初からこのシーンを描きたかったんだな、というのはまあ伝わるが。
藤田勇利亜『ミドリノユーグレ』/ついに1話冒頭の姿へ、なのだがラストバトル感漂ってるなぁ。「地獄へぶち落としてやるからな!」は主人公らしからぬいいタンカ。
石黒正数木曜日のフルット』/江戸っ子口調で地口ネタ、とちょっと落語っぽい。浅草にもウィンズあるのか、むしろ地方競馬場で見たいキャラだが。