ハルタ 2013-MAY volume 4

九井諒子『カバー・ストーリー』/初の表紙絵&「カバー・ストーリー」が同作者。話の中身も地続き。神事ネタ(ギミックというよりはユーモア)と思いきやまさかの地口オチ、楽しい。自分が御神木という言葉を知ったのは『あしたぶたの日ぶた時間』だったような。
宮田紘次ヨメがコレなもんで。』/シリーズ読み切り。日常編。
森薫乙嫁語り』/馬の放牧。『みどりのマキバオー』モンゴル編とはだいぶ様相が異なる、そらそうだ。この自然の中では狩猟や乗馬の描写だって「動物マンガ」なんだよなあ。
●設楽清人『杏とロイド』/読み切り。逆転構成にはなるほど。いいコンビだ。
丸山薫『事件記者トトコ!』/新宿御苑ェ・・・。この手の謎生物ギミックは堂に入ってる感ありますな、おもしろい。
長崎ライチふうらい姉妹』/日常会話、変人に続き、ファンタジー要素全面展開かと思いきや、それはうつし世の夢として(この世界の)日常へと消える。その回帰と、さりげに考えオチ(12)とか混ぜてくるのが強いのよ。私も実家いた頃は、アク抜きのため裏のかまどでタケノコ5時間ゆでたりしたもんです。
福島聡星屑ニーナ』/傍観者は語る。世界は一変したけれどもそれでも消えない絆、という、ベタですがやはりグッとくるよこれは。女への惚れ方も不変だ!星屑の抱える時間軸はさらに複雑化していくのか。
●高田築『補助隊モズクス』/観察者同様、生存本能以外の目的があるのか否か。しかし光線かよ。蒲生がんばれ!
●紗久楽さわ『かぶき伊左』/時代は流れ、と完全に“世界”を描く作品となりましたな。よきかな。
●高江洲弥『しせん』/読み切り。サイコホラーっていうかサイコ。
入江亜季乱と灰色の世界』/まさかの最強一家全滅展開。しかしこのヒキは、彼に託すのは、もちろん作品的な王道ではあるがしかし。(といいつつ期待も。)
●長蔵ヒロコ『ルドルフ・ターキー』/女泣かせといいますか。て、強いのかよ!
室井大資『秋津』/シリーズ読み切り。『ぼくんち』や『寄生獣』の田村玲子と、作中に登場するのは「家族」の物語なんですよね、一応。(ちょうど『エバタのロック』も親子の話を展開中ですが。)秋津の担当編集者さんはいい人ですよ、うん…。
高橋拡那『恋は鼓膜から』/読み切り。恋愛モノと思いきや、自らの向上で結ぶか。昔、特典のミュージックフェローズで佐々木一浩が描いてた短編思い出したり。
樫木祐人ハクメイとミコチ』/研究所にこもる「服とかどーでもいい」な女博士キャラにおしゃれをさせるぜ!の巻。この辺のディテールは本当、児童書的ファンタジーでよいなあ。ほろ酔いで誇る美、それは友情の証。
中村哲也『魔街の坂』/男女で大空飛ぶとか完全にラブラブファンタジーじゃないですかやだー。家族の光景ですな。
●空木哲生『鴨の水かき』/居酒屋でのくだ巻きといいタクシー車中でのふれあいといい、シリアスとユーモアが絶妙な案配で、地に足着いたディテールがそれ自体しっかりエンタメとして読ませてきまして、ああもうおもしれえなあ。
●安住だいち『最愛の隣の悪夢』/最終回。建築者と使用者の目線で気づけた、というクライマックス。汚部屋はそのままなんだね…。
●緒方波子『梅小路さん喜怒哀楽』/シリーズ読み切り。「少女コミック」って誌名はいかがなものか、受け取られ方かんがみるに。私はアックス作品では『正義隊』がイチオシですね!
正義隊