見かけたマンガ評

●チェックしてるマンガ系ブログ2ヵ所で、共通の作品が語られていて、おもしろかったのでリンク貼らせていただきました。(←ブログ初心者)
題材は、鈴木みそ限界集落温泉』1巻。ありーがとうありーがとう。(←ビーム読者)
「漫画脳」さん
「漫棚通信」さん2010年3月4日記事
私の性分としては、「漫画脳」さんの“おはなし”ぶり讃える佇まいにいいね!となるのですが、「漫棚通信」さんの“時代性”の指摘にもうなずかされます。(違う内容が話されてるのではなく、同じ魅力が多面的に語られているわけです。)
テーマとしては同作者の前作『銭』でも、「人々のネットワーク云々」という台詞が出てきてたわけですが、それが実際に物語として走り出してみせた時、ここまで魅せてくれるとは。読もうコミックビーム
オタク大活躍の話なんだからさ、アキバblogで話題にしてる店なんかがプッシュしてもいいと思うんだよねー。しかもテーマは、いわば地方再生ですよ。テレビ受けだってしそうじゃない。帯文がホリエモンなのがネックだったりする?まさかね。



高橋のぼる『土竜の唄』最新21巻の帯文は、なんと河合克敏腐女子の人とかユッキーナとか、高橋留美子「昔から注目してきた」とか呉智英「笑っちゃう程濃い・男の世界」とか、スゴいような滅茶苦茶なような帯文の人選続いてますが(いいぞもっとやれ)、河合克敏かー。「兄貴と呼ばせてほしい(同い年だけど)」て一文に、なんだか作風に通じるテイスト感じられるね。
さらに河合氏の帯文によると、高橋氏は先に描きたいエピソードがあり、それに合わせてマンガを描いているそうです。そしてそして、どうしても描きたかった一つ目の話が、9巻収録「えらい人達」だと!(感涙)
アレ最高。マジで最高。当時のヤンサンに載ったのが信じられんぐらいの、泥臭いぶし銀ド浪花節。つかね、それ見せるのヤクザなんですけど、そいつさっきまで、相手の口に電動ドリルぶち込んだり、自家用飛行機乗っていかにも享楽的なネーム吹いたりしてて、それはそれでおもしろいし魅力的なんですよ、ちゃんと。それがコレ!俺はあの三発見て、すげーなこの男(作者の高橋のぼる)、と心底思いました。
ともかく読者の俺が好きな話が、作者が描きたかった話だという、この喜び、シンクロ率?伝わって伝わってるよ!俺!ありがとう、のぼる兄貴!という嬉しさですよ。ありがとう教えてくれて、克敏兄貴!



●パロディとパクリの違いは批評性の有無だ、というのを何時か何処かで聞いたような気がしないでもない僕。BSマンガ夜話魁!!クロマティ高校』回でいしかわじゅんが語ったことですが、野中英次は、池上遼一の絵がすごく上手いのに構成が下手な点に、ギャグを見てるわけです。しっかり。
で、その意味において篠房六郎『新装版 家政婦が黙殺新装版 家政婦が黙殺 篠房六郎短編集 (KCデラックス)収録の描き下ろし『FUCKMAN』は、愉快な下ネタもいいんだけれどもさ。ちゃんと「『バクマン。』のつまらなさ」の分析(篠房氏なりの表明)になってる、と思うわけですよ。読んで正直、「なるほど」と思ったし(笑)。
え?俺?うーん、最初は素直に面白かった。あと、ジャンプ内情の覗き見的興味で持続。病気以降は、いかがなもんでしょうかね。ビーム先月号掲載『まんが極道』の、真面目にギャグ→手抜きでシリアス、じゃないけどさ。
ま、『FUCKMAN』作品解説の「パロった俺は俺なりに、ブッ殺される覚悟はもう完了しましたが、アレを褒めた人は褒めたなりに、ちゃんと責任とってくださいましね」という仁義だか愛だか業だかは、作家としてそれ果たして篠房氏と異なり、相手方には守っちゃもらえないでしょうな多分。悪いのは作者、て被害者ヅラするに決まってるじゃん皆さん多分。実際私も、ネット上の某所で「『バクマン。』がベスト10入りしてない→『このマンガを読め!THE BEST MANGA 2010──このマンガを読め!はクソ」とおっしゃっている○ョージン見かけましたけど、そいつに限りゃまず間違いなく無理だね絶対。
でも実際『バクマン。』って、話どうやってたたむんでしょうね。『編集王』化?マンガ夜話 (Vol.10) (キネ旬ムック)(アフィリエイトは間違ってない。)



●私、「BE・LOVE」誌はマンガ喫茶でチェックしております。うぉお、やっぱおもしれえよー『ちはやふる』。『だいすき!!』もこっそり読みます。前号までは、逢坂みえこも短期連載しておりました。(文庫でいいから、『火消し屋小町』全話収録版出ねーかなぁ。)そんな中、私が単行本買う連載は入江喜和『おかめ日和』おかめ日和 (KCデラックス BE LOVE)。ちなみに、明日は谷川史子の新刊買う予定ですが、九州男がそんなだとバイアスかけて見られたりするかしら、知るか。
で、入江氏がはてなダイアリーでブログやってると「BE・LOVE」誌面にて知った私は、早速見てみました。まあ、おいしそうなご飯がいっぱいだー♪と、のんきに眺めてもいられません。旦那・新井英樹のアシスタントの飯も込みだそうですから。大変そう。でも、うまそう。
あと、おもしろかった&読者の俺うれしい、な話。
・『のんちゃんのり弁』上映会で初サイン会。
・現在連載が衝撃の展開迎えてる『おかめ日和』は、作者念願の大河モノ少女マンガ(になってた)。「おばちゃんのワシがおばちゃん達に向けて描いちょる少女漫画なんじゃい!」気合い入ってる。
・『おかめ』のカレーネタ、実話かよ!(鍋とかも)
新井英樹が正月に録画した番組は、東京MXテレビ「おママ対抗歌合戦」。(※検索したら元旦の0:00〜2:00放送。)スナックのママさん達の半生語り&歌自慢で、コメントはマツコ・デラックス。「人生なんでもアリ」。
あ、タイトルの「マンガ評」についてはこちらの記事→id:kiwa_irie:20100227。新井英樹最新単行本『SCATTER』。「説明が難しい」というか、単行本であらためて読んだ俺ですが、いまだ何が起きてるのかわかんないです。何か起きてるのは間違いなく、それが気になるので、私ゃついてくけど。
しかし本当、これだけの背景描いてるアシスタントの給料(メシ代もね)、ビームの原稿料&ビームコミックスの売り上げで賄えるのかしらと。*110年ほど前には「ダンナの口座がヒトケタ、私もギリギリフタケタ!?」だったこともあるそうですが、やっぱり大変だあマンガ家も。アフィリエイト貼ってもいいと思うんだ、入江喜和

*1:「コミック・ファン」誌(雑草社)のインタビューで新井英樹は、『ザ・ワールド・イズ・マイン』について「あれ以上続けたら、アシスタント代が払えなかった」と語ったことがあります。