月刊コミックビーム2014年3月号

丸尾末広トミノの地獄』/新連載。タイトル「地獄」に偽りなし。この手の土着・因習めいたグロ描ける才能も絶滅危惧種になるのかねぇ。
おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/スパゲッティ。これ、気づくまでは地味に苦労しましたよ。作中作の漫才に笑った。
カネコアツシ『デスコ』/ショー仕立ての殺戮集団。タイトルはディスコの意みたいだが人名にもかかってる?
赤川次郎鈴木マサカズ『鼠、』/凄みも洒落っ気もよい感じ。時代劇だのう。
須藤真澄『庭先塩梅』/九州男児だったのか…人の子の親ですなあ。リピートネタ見てると、作者の絵に対する意識は浜岡賢次に近いのかな、とも。
鈴木みそ『ナナのリテラシー』/壁を超える快感、それを設定するバランス感覚、というのは伝えにくい技術ではあろう。体験飛ばしたドラッグ的快楽という意味では、ある種ネット情報なんかも、ねえ。
唐沢なをき『まんが家総進撃』/サブタイトルずるいよ。10年前には上野顕太郎もネタにしてたか。(ダ・ヴィンチ誌連載、呉智英のマンガ批評はだいぶ前に終了してます、と一応。)ブランドとしての依存はダメでしょうけど、反響ないのもつらいだろうしなあ。山口貴由いしかわじゅんの批評(けして絶賛一辺倒ではない)がうれしかった、と書いてましたっけ。
土屋ガロン・和泉晴紀ワルキューレ』/新連載。富の力による現実のロマン化、みたいな話でしょうか。
三宅乱丈イムリ』/もう一つの信頼。この局面を迎えるのがガラナダの役割か。最終ページの表情の対比がすごい。ラルドも動くのかね。
●市川ラク『白い街の夜たち』/女の顔と感情表現の強さに比べて、男がちょろいのは仕方ない。
●うすね正俊『砂ぼうず』/決戦の舞台はととのった、か。御守りの描写がよいな。
三好銀『不幸と自由研究が苦手』/後編。除霊方法の描写で連想したのは不安の種だったりする。人間より洗濯バサミがかわいいってどういうことだよ。
安永知澄『赤パン先生!』/ここまで積み上げてきた結果としての場面描写、二つ。次回最終回。
●山下ユタカ『ラチェット・シティ』/最終回。最後まで野蛮に青く駆け抜けた。お疲れさまでした。
津原泰水近藤ようこ『五色の舟』/最終回。ハッピーエンドという幻影と、幻想のような幸福の刻と。お疲れさまでした。/しかし巻頭と巻末で内容の落差すごい号だな。