私的「fellows!」期待株

やっと出た〜。

野ばら 1巻 (ビームコミックス)

野ばら 1巻 (ビームコミックス)

新鋭・高田築の初単行本『野ばら』発売。“物語”に出会うワクワクを思い出させてくれる一冊です。楽しいぞー。
(個人的には、『野ばら』連載前の読切『バックパック・ラン』が収録されてたら言うことなかったんだがなぁ…しかし「くるくるとGPS」外しちゃうのも…む〜。)



『野ばら』掲載誌は隔月誌「fellows!」。看板作品は森薫乙嫁語り』ですか。(ランク王国にも出てたし。)新人作家の多い誌面です。
“おはなし好き”の身としての「fellows!」期待株は、福島聡の始めたファンタジー漫画は鉄板として、新人作家では高田築と長野香子。長野氏の単行本ノラ猫の恋 1巻 (BEAM COMIX)は、俺が引っ越し前に利用していた本屋では「浅野いにお的才能!」なんてポップもつけられてました。私的に異論はあるが、才能感じる点では同意。



フェローズはとてもいい所だ。佐々木(一浩)、早く戻ってこーい。(∀ガンダム風に)

フェローズ感想

fellows! volume 12

  • ビームと連日発売で、こちらが先売り。
  • 梶谷志乃『カバー・ストーリー』/この表紙絵をネタに話描かせるのに、この人選て時点で勝負は決まってたな!あと褌フェチといえば『湯けむりスナイパー』。
  • 吉元ますめ『イモムシのおよめさん』/不倫劇ぶり描写の悪ノリ感が、とても楽しい。
  • 薮内貴広『In Wonderland』/タラノメは次に来る人のために一つ、来年のために一つ、残しておくものですよ、て桑田判事家栽の人 (1) (ビッグコミックス)も言ってた。/そしてバーバラさんに人間味が。気づいたら絵柄も微妙に変化してるような。
  • 高橋那津子『白獅子の子供たち』/模擬刀、ってこれ材質はなんだ。防具も着けずに練習、なのに石壁叩きまくりって。/今にして思えば、越智善彦版『マリーとエリーのアトリエマリーとエリーのアトリエザールブルグの錬金術士 (3) (ブロスコミックス)作中での「竹刀」の登場と普及は、ファンタジー漫画として画期的だったかもしれん。
  • 長崎ライチふうらい姉妹』/人間巻きつったら、伊藤潤二『うずまき』うずまき~呪いシミュレーション~ WS 【ワンダースワン】だろがよ!*1/心の中に生きてるつったら、業田良家『男の操』男の操 (上) (BIG COMICS SPECIAL)だろがよ!*2
  • 福島聡星屑ニーナ』/冒頭のニーナの服は、なかなか可愛いと思うのよ。それにしても細かい演出が、本当にいちいち楽しいな。他方、猿人形シンクロの場面ではゾクリときたし。いやー、覚えててよかった。/で、読後あらためて扉絵を見ると、また実にいいんだよ。にんまり。
  • 笠井スイジゼル・アラン』/床下と天井裏は子供のロマン!僕は田舎育ちなもんで、その辺は謳歌したよ。なんなら押し入れでも。
  • しおやてるこ『たまりば』/まあ小杉も“悪人”ってわけじゃないんだしなぁ。だからハルオもこういう“説教”をするわけで。ハナから一歩引いてる身としても。/で、さて、ここで続くか。
  • 長澤真『瑪瑙之竜』/なるほど、そういう使い方もアリか。エニグマですねわかります、てそういえば、中身の出し方についてはまだ描かれてないんだっけ。
  • 入江亜季乱と灰色の世界』/日比ぃ〜(泣)。よかったよーよかったよー。おーたろーに負けんな!
  • まさひこ『南雲水域地区』/読切。水惑星!(違う)“青臭さ”の描き方・置き所が、物語としてかなりよい感じ。好みです。/余談ですが私も中学生の時、全校に配布されるプリントに載せられる作文の一段落目で、「馬鹿」という単語を6回くらい使ったら、書き直しさせられました。ウケると思ったんだけどなー。若かった。
  • 近藤聡乃『うさぎのヨシオ』/そういえば、Amazonの倉庫も並びはメチャクチャだそうですね。以前、ぷっすまでその様子が放送された時には、国文学の本の隣が『エリートヤンキー三郎』でした(劇団ひとりが発見)。
  • 八十八良『ウワガキ』/あー、そっちの分身もアリか。ごちゃつきそうだなあ。
  • 明仁『玲瓏館健在なりや』/私的には今回の内容、『乙嫁語り』の面白さと近い印象受けるんですけどね。絵で楽しませる人だよなぁ、としみじみ。/(綾乃と美琴の修羅場を期待してたなんて…言えない…)
  • 澤江啓太『夜明けの未来ちゃん』/読切。いい後味だ。しかしこのキャラの馬鹿ノリは、フェローズに合わせてあるのかしら。
  • 百名哲『演劇部5分前』/うーん、その折れる場面は見たかった気もする。あえて外してくるのが、芸風ではあるのだが。
  • 睦月のぞみ『兎の角』/その肩書きで募集するということは、反応が薄いのがお好みなのだろうか。考えては負けだろうか。
  • 戒島実里『ゴーレム』/読切。このほのぼの具合いは悪くない。でもゴーレムが鼻ちょうちんって…。
  • 長崎ライチふうらい姉妹』/ショートストーリー版。なんか1ページ目からして変だよいろいろ(褒め言葉)。お隣が磯貝さんCLANNAD 2 (通常版) [DVD]、とか思い出したごめん。常時レオタード着用、にちょっとドキッとしたほんとごめんなさい。
  • 室井大資『ブラステッド』/見開き絵の迫力。そこまでのタメがいい。
  • 鈴木健也『蝋燭姫』/冒頭で、またえらいもん描いたなー、と思ってたら、ラストが。次元の違う衝撃が。ここに向かってたのかよ、すげぇ。/このセリフ、この表情。ビーム編集長・奥村氏評したところの「強い絵」ですな。
  • 緒方波子『漫画家・金田印子と暗殺者の夜』/シリーズ読切。ベタと異物の混じり具合いがよい感じ。前回より、ちゃんと楽しく読めました。
  • まさひこ『グルタ島日記 電光オルゴール創作人フゥ』/なんかおまけコラムがすごくよい感じなんですけど。設定萌え?
  • 長野香子『ノラ猫の恋』/ここまで引っ張っておいてこの小物っぷりは、逆にすげぇわ親父。裸キックはいいシーンだ。
  • 新井美智代『グッドアフタヌーン・ティータイム』/変態だよなぁ、飲んでるこの絵、と今さらながら。/添い寝なぁ。次回最終回てことは南…げふんげふん。レシカちゃんも出してあげてね。
  • 福島久美子『水晶石の森』/なにこの爆発&駄洒落オチ。ある意味すげえ。
  • 高田築『野ばら』/一つ一つの構成要素はベタなのかもしれんが、味付けの妙味がたまらんのだよな。今回も楽しい。最後踊ってんの誰だよー(えへらえへら)。
  • 久慈光久狼の口』/まさか、ここで最強カードが切られてしまうとは。そして、また一人怨念を抱える者が。受け継がれる意志、ですか。
  • 次号最終回や終わり近そうなのがいろいろと。さみしくなるねぇ。
  • 次号予告、「福島聡『少年少女』→入江亜季群青学舎』→高田築『野ばら』そして…」て、誰に向けたフレーズだよ。想定してる反応者は、俺か俺なのか。

*1:あえてこちらを貼ってみた。

*2:作品解説は文庫版『ゴーダ哲学堂ゴーダ哲学堂 (竹書房文庫 GY 8)あとがきで。

ビーム感想

コミックビーム 2010年9月号

  • アニメ情報公開延期で、連続表紙・巻頭カラーですか…いやはや。
  • 三宅乱丈イムリ』/ミムリのおかれた状況が、否が応にもデュルクの母の悲劇を想起させる。しかもミューバがなあ…。
  • 上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/劇画風実写マンガ。かつて“劇画”という言葉のはらんでいた内実に思いを馳せつつ、実写要素とこの設定とオチの絵を味わうのが正しいかもしれん。違うかもしれん。/演者は本職?クレジットの「撮影・切り貼り」てのがよいな。そうか、『編集王』のアレは編犬だったか!(違う)
  • 鈴木みそ限界集落温泉』/絵にかいたようなピンチ・デッドラインですが。こっから盛り上げるのは楽しいだろうなあ、描き手。
  • 三家本礼『血まみれスケバン・チェーンソー』/何このバトル漫画的な熱い展開。嫌いじゃなくてよ。
  • 三好銀『あるアーティストの帰郷』/読切前編。この作風で、続く=終わらない結末見せられると、それだけである種の恐ろしさが。
  • しりあがり寿『』/壁に浮かぶ文字といえば、私的には『MOTHER2MOTHER2 ギーグの逆襲ですが。ギャグとシリアス、両方描いてくんですかねぇ。
  • 深谷陽『彼女はブンカのむこう』/シリーズ読切、久々の登場。いやー、読めて嬉しい本当に。相変わらず頬を弛ませてくれます。また来てください!
  • 朝倉世界一デボネア・ドライブ』/寂しくもあるが、さっぱりした、いい別れだ。エチゼン君は海中へ、て途中から読んだ人勘違いしねえかコレ。次号最終回。
  • 市橋俊介『敗北DNA』/ストリートビューに…それはすごいな。これまでに人物像読んできてるだけに、余計に。
  • 宮沢ロケット『ROUTE.エフ』/読切。一発ネタではあるが、カッコいいジジイは正義。そしてカッコよく描けるのは才能。
  • 川井俊太郎『千里眼のサミュエル』/読切。一瞬混乱したが、そういう構成か。変形夢オチ、と言えなくもないが、なかなか凝った作風。