【11月16日木曜まで】KADOKAWA作品99円セール対象品見ながらつらつらと

先日の記事。





BOOK☆WALKERのコイン半額還元キャンペーンは終了したもののKADOKAWA作品99円セールはまだ続く(あと1日半)、というわけでBOOK☆WALKERアフィリエイトまだ貼る本記事。読もうビームコミックス!(そっち?)






1.コミックビーム作品(ふた昔前)



(以下しばらく前記事と同内容)
今回のKADOKAWA作品99円セール、コイン還元50%キャンペーンの始まった金曜未明にスクショした人気上位作品がこちら。

いばらの王』強し!コミックビーム連載なのに!映画ひどかったのに!王道のアクションファンタジー漫画『いばらの王』掲載は当時のコミックビーム読者的にも新鮮でした。





竹本泉も強し。コミックビームからは短編連載以外にも、初期作品の新装版が出てたりする。





フラッパー作品の方だと試し読みから色気や百合臭も感じるね。







しかしまあやはり。往年のコミックビーム読者としてはタイム涼介の連載中に化けた作品『あしたの弱音』と続く傑作『アベックパンチ』を推さねばと。学生なのにアウトロー、その痛みと青春。


(『アベックパンチ完全版』中巻より)





上野顕太郎コミックビームでの短編ギャグ連載「夜は千の眼を持つ」の中では『ギャグにもほどがある』のみ対象品。◯休シリーズの定番ぶりもさながら、個人的には全ページ同じ6コマの組み替えで描かれるミステリー劇「6コマ殺人事件」をぜひ御一読ねがいたい。




(以上、前記事と同内容)
往年のモーニングコミックスも短編集2冊に新装。


他の収録作品は沈痛だったり重かったりする安永知澄の短編集にも、一作だけうえけん原作のギャグ短編『ちぬちぬとふる』がまぎれこんでいる。(もう一方のうえけん原作作品はシリアス。)





須藤真澄作品も大量にセール中。猫とファンタジーで著名な須藤真澄であるが、後年になるほど、作風としてのほのぼのかわいいテイストは変わらずに技巧派としての作家性は研ぎ澄まされていく。その筆致が生きてるからエッセイ漫画描いても上手い。今のところ短編ファンタジー連載としては最も新しい「庭先塩梅」、マジでおすすめ。





カネコアツシ作品は、ビジュアルイメージの奔流としてたまらん!というのはあるけど、“おはなし”としては畳み方の部分で個人的にあわなかったりも。推すなら最後までバイオレンスアクションとして走りきった『デスコ』。

あと『BAMBi』の旧版と新版がどちらも今回のセール対象品なのはどうなんだ。





みんなが『エマ』を読むためにコミックビーム購読を始める中(※想像)、私は羽生生純『青 オールー』を読むためビームを買い始めたのだった。作者のアナログ作画連載としてはおそらく最後の作品にあたるが、コマ割りと構図配置による速度ふくめた視線誘導がキレッキレのノワールアクション。“物語”の荒涼たる果てふくめて、個人的には作者の最高傑作。でも大勢に勧めるのなら、口当たりよい&途中で化けるカタルシスを味わえる『恋の門』推しちゃう部分はある。正直!


で。羽生生作品の面白いのは、これだけ体重乗せて構成技巧ふるってたアナログ作画とそこで語られる物語が、デジタル作画という表現媒体の変更により物語の地平にも影響出てきた点なのである。上手く表現できないんだけども、ビームで追ってた人は『青 オールー』以前と『アワヤケ』以降で作風変わった、といえば伝わるんじゃないかな~。スマートからエグみへ、というと聞こえ悪いが、デジタルならではの修正重ね作画、その姿勢が物語としての多層化・ある意味での人間臭さ生臭さにもリンクする、という感じ。この作品群の中では、こってり野暮ったいカオスホームドラマ『アワヤケ』もいいが、“ヒーローもの”が大気圏外から自爆テロかましてきたような『ジュウマン』がすごく好き。すごく推しにくいけど。


『アワヤケ』3巻表紙、今見てもすげえな…。





唐沢なをき作品も大量セール中だが、そりゃもう恨みつらみのマンガ業界譚『まんが極道』が大人気。わかるけど、個人的にはその原型でよりパロディ色の強い『漫画家超残酷物語』が評価されてほしい所。昔々『漫画家残酷物語』という作品がありまして。





桜玉吉は『ゲイツちゃん』シリーズが対象品だが、シリーズ名が「桜玉吉絶叫四コマ作品集」なのは笑っちゃったよ。





山川直人三好銀。一読してその無二の“世界”にふれてほしい、一部の人は確実にやられるだろう作家性の短編集も一気にセール中。本音を言えば私、ビームで初めて読んだ時は山川直人の良さがさっぱりわからず、アンケートハガキで「つまらなかった作品」に入れた記憶すらあるんだよね。それが誌面で継続的に読まされる内にすっかり気に入って。無二の作風ということはこれまでの読書体験からすれば異物ということでもあり、なればこそじっくり向き合ってほしい作家性でもあるのだ。だからとりあえず99円の内に買えと。(言い方!)







朝倉世界一もなんというか、驚きの作品群だったんだよなあ。ラフなタッチに見えてしっかり絵が上手い。紡がれる物語もコミカルありペーソスありカタルシスあり。心根をくすぐられます。





狩撫麻礼原作の作品は田辺剛作画の『サウダージ』(カリブsong)がセール中。ある日、いずこかでの幻想譚群。先日、旧Twitter上にて「狩撫麻礼が亡くなってからコミックビームは変わった」という発言を見かけて、時系列的にはちょっとズレるが精神面としては確かにそういう所あるかも、と思った。先代の編集長&副編集長は狩撫信徒でしたし。





その流れで言うと奥村勝彦前編集総長の担当してた山本健太郎の作品は、本当まっすぐに“若さ”をぶつけられる内容だったんですよね。ピュアとは異なるんだよなあ、生真面目なからっかぜ風というか、ポエミーにほめちゃいそうになるんだけどもしなやかさが息づいてるというか。





おおひなたごうコミックビーム連載作品はセール対象外だが、コミックビーム編集部の出した他社連載作品単行本はセール中。週刊少年チャンピオン読者に月刊プリンセス読者よ、これが完全版だ!






コミックビーム作品(ひと昔前)



いましろたかしは反原発の作品描いたせいでやいのやいの言われましたけども、いち読者としては面白い箇所もつまらない箇所もあった、あと単行本の装丁はよかった、というまあ普通な感想。で、それらをシニカルに昇華しつつ従来のテイストも入った『永遠のケツ』が実に曲者というか、やりやがったなあ、と思えた。さらにストーリー路線に回帰した『未来人サイジョー』も、忘れられたマンガ史に片足つっこんでて楽しかった。盛り上がらず終わった、という否定的感想も見たけど、いやそれがいましろ節じゃんとなった。贔屓目といえばそう!





新井英樹作品を読み続けてきた私としても『KISS 狂人、空を飛ぶ』は地獄オブ地獄という印象の過酷な内容だったのですが、作者いわく銀河鉄道の夜のつもりで描いた、絵を描く楽しさを再確認した、と楽しい思い出の作品らしく。いやまあ“メルヘン”ではある、か。





conix『青高チア部はかわいくない!』、すごい好きだったんだよなー。この可愛い絵柄でだらけギャル生態もチア部あるあるも描きつつの、熱血青春イズムもちゃんとあり。かつて、田中誠『実録!関東昭和軍』に近い!とツイートしてたのはいたって本気よ俺。コミックビームの新風だ!と思ったもんです。





『変身!』が少し話題になってた横山旬。絵のメリハリの気持ちよさとなかなか面倒くさい自意識の懊悩、あすなひろしに通ずる…とまで言うと暴論ながら、あすな作品の少年マンガ的なさわやかさは漂ってるんだよね。





その独創的すぎる作風から海外にもコアなファンのいるゲームクリエイター須田剛一。氏が原作担当の『暗闇ダンス』はやっぱり独創的すぎる、夢のような悪夢のようなロードムービー・コミック。ザ・須田作品ですわ。





ドロドログチャグチャな直球B級ホラー、ハセガワM作品もセール対象。同じ作者の鮪オーケストラ名義による濃すぎるギャグ作品もセール対象。肉体をいじくり回すって芸風による絵の凄み。





私より熱心に語っていただけるファンがいくらでもいそうなイシデ電。通り一遍な言葉ながら、短編の名手です。





丸尾末広も一作のみ対象。1000円超えの単行本がこの値段はお得!





私にとってはこの辺がビームの新風だったんだよなー、というマンガ家たち。
あれよ星屑』の山田参助の短編集。
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『銃座のウルナ』の伊図透の新装版作品。
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『繭、纏う』の原百合子の短編集。
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『ものするひと』のオカヤイヅミのフルカラーWEB連載(というかモーニング公式サイトが初出)の単行本化。
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短編作家としてはこの辺。みんな絵が強く、それとリンクしたおはなしの乗り方。
森泉岳士。
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おくやまゆか。
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植田りょうたろう。
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ビームじゃなかったりセールじゃなかったり

99円ではないが、1冊100ページ100円の電子書籍限定コミックビーム増刊「コミックビーム100」はまだ全18号買えます!おすすめは藤咲ユウ『ちんちんケモケモ』です!
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あと元・コミックビーム編集総長の奥村氏が以前インタビューで語っていたマレーシアのコミックスもセール対象品である。あらすじの紹介文が奥村節そのもの!
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