ハルタ 2014-DECEMBER volume 20

  • 1年で10号発刊なので2年で20号。わかりやすい。
  • 表紙絵は新装版の出る長蔵ヒロコの旧作、背表紙はひさびさ掲載の『ふうらい姉妹』、帯前面は福島聡森薫。帯裏『巨大少女名鑑』は季節合わせで今回ので五十人だ!

福島聡『ローカルワンダーランド』/新連載。短編連作。公式ツイッターによると、話ごとに担当編集者を変える全6話の実験作とのこと。*1/少年にとっての特別な少女と、その20年後。『鵺の砦』ラストのドライブとは異なり、舞台から降りるしかなかった、降りるという特別な瞬間のため歩んでいた話なのよな、「フワフワした気分」「特別な存在でなくなった」場面こそは1コマで。やはり読みごたえ読みがいのある絵面構成であります。
九井諒子ダンジョン飯』/冒頭の他パーティーの食卓&食料持ち込み描写は、サバイバル食生活続ける主人公達との強さの対比、かなあ。獣人もいるのね。ミミックもといおどるほうせきに挑む、生きた鎧からパクった剣!アイテム系はハチとかイナゴあたりの虫食扱いか。
森薫乙嫁語り』/何より扶養システムなんだよね、一夫多妻制も。アニスはそのタイミングで感情を自覚するんだなあ。マンガ夜話弓月光回における、背景に散らす花の絵が具体的、という話を思い出すなど。
樫木祐人ハクメイとミコチ』/天気予報の載る新聞のある世界。「釣りみたい」か、まずヒットマンみたい、と思ってしまった。本作の魅力たるメシの写真が撮れなかった、てのは記録でなく主観の領域になっちゃうってことかね。自らの介在という思い出。
佐野菜見坂本ですが?』/各人、出会いの回想。でもこれ、まだ坂本というキャラクターを知らない時点で、て話なんだよな。そりゃファンタジーだわ。
長崎ライチふうらい姉妹』/ひさびさの登場でいつも通り。鳳さんは割とつき合いがいい。今後もしばらく不定期掲載とのこと。
大武政夫ヒナまつり』/アンズにはハナから学校は必要なかった、よかった。(よくはない。)
●加藤清志『THE TOWN』/新連載。人体細切れビジュアルイメージ。
●犬童千絵『碧いホルスの瞳』/新連載。歴史もの。
入江亜季乱と灰色の世界』/旅立ちの前に、あらあら。鳳太郎にとって日比は最期に感情ぶつけられる、並んだ相手だったのだけれども、日比も行為として追いついたと。で、こちらの別れは意志のもとのそれで、未来もあるんだよな。
●高江洲弥『首花は咲きゆく』/そういえば断面図どうなってるんだこれ、わざと見せないんではあろうけど。エロスであってエロではない。女の髪より息子の病状が重要です。
●菊池まりこ『カプチーノ』/親父さん登場。顔は母似、性格は父似ね、なるほど。脳内妄想の結婚押し母さん絶妙な怖さっす。
佐々大河『ふしぎの国のバード』/実際に原案となる手記には不平たらたらな箇所もあるそうなんで、こういうトラブル描写はうれしい。
●窪中彩乃『華麗なる虚偽』/新連載。運命の二人と闇。設定でサクラ大戦3を連想。
●浜田咲良『転職坊主』/人助け回。
近藤聡乃『A子さんの恋人』/男女、女女の腐れ縁。キメ顔はさんでいじり一方通行の男女(×2)と、和気あいあいもめ合い女女。最後のページとラストのコマで、いきなり叙情にもってくのが豪腕すなあ。488ページ3コマ目と福島聡の14ページ5コマ目で、絵的にかぶってるのがちょっとおもしろい(あくまで絵面のみ)。
宮田紘次『犬神姫にくちづけ』、嵐田佐和子『鋼鉄騎士シュヴァリオン』/前回終了したモズクスに続き、これらも最終決戦へ。
●冨明仁『ストラヴァガンツァ〜異彩の姫〜』/え、何、魔王?
●大槻一翔『噂話』/読み切り。噂話に執着する少年。言葉というより情報、状況の指事見てるって話だよなあ、普遍性見てるわけだし。
白浜鴎『エニデヴィ』/え、何、ラブコメ
丸山薫『事件記者トトコ!』/この歯医者、前作と同じ目をしている…あ、看板。歯抜けヒロインてのもすげえな、アホの子ならではか。
●原鮎美『でこぼこガーリッシュ』/見開き一枚絵は初だっけ。ページ構成はストーリーマンガだけれど、キャラ造形は四コマ時代に戻すことで恋愛劇描けてる感。
●空木哲生『鴨の水かき』/モリゾーオカザえもんも当初子供たち怖がらせまくってたし、ノリだよ勢いだよ。現実生活における“戦い”なんて、カッコいいわけでもカタルシスあるわけでもないのよね。それとはまた別に、捨ててはいけない情もあるのだ。
なかま亜咲健全ロボ ダイミダラーOGS』/ああ、さすがに性欲の対象は人間なんだ。でもシリアスで押し切ります。そして協力関係を結びます、早えよ。
●梶谷志乃『想幻の都』/あっさりとまあ。しかしこれでジルの内面描写とかやられたら、かなり怖そうである。
●高橋那津子『紅い実はじけた』/最終回。恋愛要素多めの連載で、ラストはこうはじけるのね。
●長蔵ヒロコ『闇とひつじと約束と』/単行本新装版発売にあわせ、新作読み切り。少女と怪物。メルヘンですな。


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