越智善彦『ドロイどん』3話


続続素人が目視で写したコマ割り



●はい、3回目です。えー正直今回は一読して、言うことないかな、と思っちゃったけどやりますね。はい。
●まずタイトル絵。いつものふたり、一人と一体の顔です。今回はこれが、若干回転させてありますね。やや横顔になってる、今までの正面から。で、女の子。今回白目になってます。わあっ、と口を開けている。他方ロボは元から白目ですけど、この目がですね、やや大きくなってるんですロボなのに。若干見開いているんです。まあ目が大きくなっている、と。で、これがふたつ並べてあると読者は、似てるな、と思うわけ。似たもの同士のふたりなんです。まあデフォルメ絵だからね。そうやって似せることで、並べて同じ方を向かせることでですね、このふたりにつながりというか絆感じさせるという、そういう効果ですね。はい。
●さて本編の一コマ目。時計が鳴ってます。鳴っているというか、音符の絵です。ここで鳥瞰といいますか、やや高い位置からの俯瞰で女の子とロボが描かれます。これ僕、おもしろいと思うのは女の子の顔がこっち向いてる、というのがわかる所ですね。首をあげて時計の方を見ている絵です。そんなの当たり前だろ、て話ですけど考えたらこれ、顔に描いてあるの目だけですからね。それがなんでわかるか、というと体の向きとずらしてあるからです、顔が。本当に簡略化された絵なんですけど、体はね、鳥瞰なんですよちゃんと、こう足元かこむように影ができてて。で顔はのっぺりしてて目だけなんだけど、あごのラインが体の正面と逆側に傾いている。この服の腰のくびれのラインだな。だから微妙に、一部かくれてる体の部分が左の耳と右の手になります。右耳、左腕は見えてて、つまり体のラインがひねれてる。で、のっぺりしたこの顔は同時に正面からの図の意味ですから、つまりこちら側を見てるわけです。一コマ目右上に描かれた時計、我々の眼に最初に入ってくるこれを、同じく女の子も見てるわけ。
●一方のロボ。これは2話の4コマ目と同じですね、女の子を見てるんです、時計気にせずに。というか多分まあ、上向けないんだな。ただこれ・・・ちょっと断言できない面はあるんです。つまりこれ、女の子とまったく向きが、体の向きと顔における目の位置が同じなのね。これがどういう効果なのか・・・つまり女の子と一緒に時計見てるよ、というのが自然なわけ。この簡略化された線で。でもここからの展開見てると、いや、同じ絵で実は女の子見てた、目の位置は同じでも視線の方向が違うんだ、という解釈もできるんですね。そこは僕、ちょっとこの人の作品好きだからひいき目に見ちゃう面はどうしてもあるので・・・そういう見方もできるよね、という言い方にとどめておきます。
●でまあ最初、語ることないんじゃ・・・と思っちゃったのはこの後の展開ね。まあかわいくて好きなんだけどさ、でも話としちゃ、ついてきちゃったよ、まてまて、て繰り返す、それだけだからね。ただ、えーと、この2、4、6コマ目。これ多分、女の子とロボの距離っていうのはそう違わないと思うんですよ。女の子の反応もだんだん変わってくるんだけど、まあこれも位相というか、描写としての差はそうない。それよりロボットです。これね、2コマ目は後ろ姿です。後頭部と肩?の部分が描かれてて、ほとんどコマ外にはみ出している。で、描線も太いんですね。スクリーントーンもはみ出させて貼ってある。つまり手前、というより我々読者の目それ自体に近いんですよ位置が。外側です。逆にこの女の子は、我々がロボの背中ごしに見ているこれは、そのままロボの視線の見ている光景でもあるんですよね。自然に立っていて。
●で3コマ目、ロボがついてきての4コマ目です。ここでロボはまだ後ろ姿なんですが、腰までコマに入ってます。で、やや俯瞰です。いまだ我々はロボの背中を見てますが、女の子もやや俯瞰で、ちょっと同じ空間に入ってきてるんですね。
●5コマ目でまたロボットはついてきて、これが2コマ目とまったく同じ構図なんだけど、ちょっとアップになるんですね。で6コマ目。ここで完全にロボの体がコマの中に入って、で、アングルも横からになりますね。これはもう完全に同じ空間で横に並んで、つまり対等なんです。我々の目にロボの半身が映ります。ああ、まだ傾いて背中ですけどね、ロボの目の位置的には。
●そして最後に、あ、この背景に貼ってあるスクリーントーン、アミトーンですっけ?この一部がポコッと四角く抜け落ちる、というずっこけ表現をこの人たまにやるんですけど、他にそういう人いるのかね。まあいいや。で、最後。これロボ、ついに正面から全身描かれるんです、この回の中では初めて。1コマ目は小さいし、何より女の子の顔かぶっちゃってますから。後は背中と横。で、全身映ったロボがなにやらポーズ、というか仕草だねこれは。それ見せておしまい、というわけです。
●さてこれ、位置関係見るとですね。2、4、6コマ目は女の子が右です。女の子がまてまて、という動作のコマ、ふたりが停止しているコマですね。で、3、5コマ目はロボが右。つまりロボがついてくるコマですね。それが横から描かれるコマ。つまり女の子が止まってまて、というコマでは我々読者の視界にます女の子が入り、ロボが女の子について動いていくコマではまず視界にロボが入る。女の子からロボ、ロボから女の子、という動作する側される側の関係性が、ちゃんと視界に順番として入ってくるようできてるんです。オチのコマはもちろん右側にロボットですね、はい。
●というわけで以上です。やれる内はやりますよー。もうちょっと早くあげたいけど。