週刊少年チャンピオン2018年49号

●いづみかつき『鬼のようなラブコメ』/巻頭カラーか。コマ構成にセンス見られる点はまあ好きですね。

→この見開きも、バン・バン・バンと三連続で場面を見せてくるわけだが。右ページにて上コマから下コマへ、でワンアクションとその結果。ノドまたいで、左ページ右上の一コマ目にてワンアクション、コマ枠線またぐ所で同じ瞬間の別部位。左ページの二~三コマ目にて上から下へ、でワンアクションとそこからの連続動作。
/行動とその結果(すべて球技だ)を、分節として読ませる構成の一貫性。また、それらを視線の流れの中で無理なく読ませる位置取り、構図、コマ割り、集中線による効果。くわえて、それらのアクションと結果の描写が、構図の回転、瞬間のスクロール、アップからロングのショットへ、とそれぞれ異なる見映えであること。これをこなせるのは、やっぱり構成力あるからなんだよなあ。

→で、それをめくるとこのページである。異なる三つのコマであり構図を、特大オノマトペ「キャ~~♥」で接続。瞬間の連続で擬音しかなかった(無声の)カッコいい体の見開きからの、肉声・絶叫。この落差も巧い。
/でも私は本編の展開自体にはそこまで関心ないので、いい読者ではないよ。(正直)

板垣恵介『バキ道』/その溜め台詞でギャグかよ。オリバの廻し姿は、バキのアニメ化で柔道着姿見返してやりたくなったとかでは。

夢枕獏(原案:板垣恵介、挿絵:藤田勇利亜)『ゆうえんち-バキ外伝-』/空道、弟子(?)も使えるんかい。柳の株さらに下げてないか。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/浦安世界にも事故現場をスマホで撮影するようなモブがいるのか…大人視点のネタだからか?あー、タバコ値上げなあ。なんか大鉄もダウナーなノリの回だが、作者の気分的にもいよいよキツいのかな。オチのしょうもなさが流石。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/強者ペダル。

板垣巴留BEASTARS』/バイト生活編開始。こちらの職場も濃い面子のドラマになりそう。食肉を勘づかれるのは、より“現実的”な社会ということではあるのかな。異種族婚については戸籍を気にしなければ、か。そこまで生態として影響出るんならなあ。じいちゃんの毒分けは『囚人リク』の血の盃感ある。

佐藤健太郎魔法少女サイト』/オゲブリオゲブリ(地獄甲子園)。

●中村勇志『六道の悪女たち』/この展開のための前フリか!正直、ここしばらく迷走してんなあ、と思ってた。そして作者コメント、乱奈は遭難中なのね…。

●瀬口忍『ボスレノマ~「囚人リク」外伝~』/商売に寄付に若い代行のダブルドラゴンクロス。この緊迫感は絵と字の密度あってこそ。

●村岡ユウ『もういっぽん!』/戦闘服が気合いを注入する。こちらも主人公と共有したい、という動機か。サブタイトルにあるよう「女神」なわけよな。
/コマ内での細かい遊びが楽しいが、これも構成力あってこそ。こちらは長いスパンとカメラワーク芸(=構図・視線誘導)で進行していく状況描写の面白さ。

(画像引用元:https://twitter.com/Weekly_Champion/status/1057591814369275904)
→冒頭のこのコマ構成も、視界内での映像としての流れと漫画としての分節、両方の読ませ方が入っている描き手だからこそできるわけで。話の本筋を読ませつつ、余技も見せていく技巧。

平川哲弘『ヒマワリ』/結局どいつもアイドル目指す動機フワッとしてるなあ、とは思ってたし書いてきたので、自覚した昔からの夢という顕現と、ここで対峙させるのは正しいと思えるが。

●灰谷音屋『ジュニオール』/勝負にエゴは大事。見せ場はきっちりカッコよく描いてきたな。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/レイニーデイ・ドリームアウェイ(感覚を定着させる能力)。あれ、やってることが普通の吸血鬼、イコール作中最強の敵なのでは。『ヴァンピール』という、血を吸う為に町の住人の生活スケジュール把握して好感度上げていく激ムズゲームもありましたが。

桜井のりお『ロロッロ!』/どこでフラグ立ってるんだよ。親以外に恥じらい覚えるということは、このロボットには家族の概念がある(のかも)。

増田英二『週刊少年ハチ』/あ、これは終わりそうだな、『さくらDISCORD』メソッドに入ってる。アリス先輩のハグは、あれも恋愛感情じゃないから、という念押しなんだろうか。ハチが“弱者”として同志からの言葉かけられてますが、まあ私も不器用な作家が才能芽吹かせるのは嫌いじゃないですよ?同人時代のお友達ってだけで質も問わずに作家の肩持ってみせるのとかはけったくそ悪いけど。

木々津克久『開田さんの怪談』/シリーズ連載最終回。ハロウィンネタ。普通に不思議体験オチなのだが、それはライバルの怪談(体験談)によるもので、開田さんの話は人間の悪意にまつわる(そして言霊的に危機を招く)というのがミソかなあ。前回のオチと連続感あるのはわざとなんだろうか。


  • レジェンド作品は『ふたりと5人』『実は私は』。
  • 次号より『ハリガネサービス』再開。で、新刊表紙絵はそのちょろい敵プッシュでいいのか。結局、主人公チーム側が監督から言われてた改心させて的なお願いは棚上げに終わったんだよな…。