コミックビーム2015年7月号

  • 表紙・付録クリアファイルは庭先塩梅。表紙絵の子供達かわいい、三姉妹の少年時代だ(?)。ファイル絵柄はあの話からの水イメージ、涼しげ。(意味違わないか。)

●横山旬『変身!』/巻頭カラー。最初の同類がこれってのは意外。毎度シリアスな流れからオチつけるの上手いし、そこでドラマ性否定されるどころかむしろ豊かになるんだよな。チヅちゃんかわいい。
須藤真澄『庭先塩梅』/物にまつわる思い出もまた絆。オチは衝撃だが。
●H.P.ラヴクラフト・田辺剛『異世界の色彩』/集中新連載。この世ならざるもの。絵力による説得力。
イシデ電『逆流主婦ワイフ』/家庭料理で手間よりカロリー目安というのも、それはそれで歪んでるような。いや、今時分は主流か?主婦は出さずに主婦への向き合い方語り。
山田参助あれよ星屑』/家と家族から離れていたからこその立ち振る舞いでもあったわけで。しかし重い。
おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/カップ麺。劇中劇で本人主演の再現というのもメタ展開かね。
三宅乱丈イムリ』/コメディ的なテンポも見せつつ、しかしまたも暗雲が。ロボにパワードスーツか。食欲は道具作りによる消費由来かな。
唐沢なをき『まんが家総進撃』/こいつも初登場時に末期まで予言されてはいるんだよな…。
松田洋子『私を連れて逃げて、お願い。』/女の戦い、になるのであろうか。そういう場面では、この母も娘も顔つき変えるのがまた。
●うすね正俊『砂ぼうず』/SFですね。直接対決も見えてきた?
折口信夫近藤ようこ死者の書』/鳥の鳴き声から、それを語る人語を思い出し、思考を得る、と美しい描写。対する遮断も、この絵柄にして強いんだよな。
●高木ちえこ『とりあえず、畑で暮らしてみる。』/味ならタマネギ、食い出ならジャガイモ。
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/あったあった、複数作家によるこの手の推理クイズ本。構成もまんまこういう説明調なのよね。さすがにキャラと世界観は変えてたけどさ。
●サキ・二宮亜子『クローヴィスのクロニクル』/ドラマツルギー自体は古典的少女マンガにも近いのよね。演出は別物だが。
●横濱聡子・河井克夫『片岡一郎の一日』/読み切り。映画監督原作。リアリスティック、かな。
羽生生純『ジュウマン』/濡れ場の次は、と。この未知は、怖いし扇情的。
山川直人『小さな喫茶店』/長い長い物語、を別に歩んできた人、人々。描き込みに結実する、いいラストのコマだ。
●左藤真通『儒林外奇譚』/読み切り後編。幻想譚か。描き込みの一方、構図自体は落ち着いてるのがいい雰囲気。


  • 姫乃たま氏によるビーム関係者取材連載開始。奥村編集総長、秋田書店への入社エピソードからしてすげえ。あとたまに勘違いされてますけど、奥村氏はグランドチャンピオン誌で編集長やってたわけじゃない、のよね?
  • 唐沢よしこコラムの美術出版社との未払いトラブル、大変だったんすね…。
  • 次号、桜玉吉の読み切り掲載。付録はアーケードゲーム戦国大戦」対応、桜玉吉画の奥村編集総長カード、てなんじゃそりゃ。編集者のそういうグッズって相当珍しいんでは。赤塚不二夫とかであるかな。
  • 表3は角コミフェア広告。そうか、もう各社クレジットは入らないんだな。ハルタ勢からは『ダンジョン飯』『不死の猟犬』が。広告メインはってる『くまみこ』の吉元ますめも、連載デビューはFellows!でだったのよね…。