コミックビーム2015年1月号

折口信夫近藤ようこ死者の書』/新連載。冒頭の夜からどんどん歩き続ける描写が、白&黒&トーンの映えがよい。設定説明ではあるんだけれども、話として流れるように読ませるのが構成の上手さ。
カネコアツシ『デスコ』/いかにもなアメリカンドラマ臭。そばかすメガネさんはSOILからカメオ出演ですかね。
山川直人『小さな喫茶店』/作品を発表する身としては、心境としてありえる物語かもなあと。同時に個人的なやりとりでもあるんだよね。
三宅乱丈イムリ』/第100話。ミューバにとっても絶望の道行きなのよな。ガラナダ、ドネークの方が冷徹な役割か。
羽生生純『ジュウマン』/こういう泣き顔を描ける、こう見せてくるってのがもうねぇ、しかも続けてこれだよ。転がされっぱなしだよ、読者として。感情の動きと巨大化がリンクするなら、マンジュウ側にも目的あるってことかね。
三家本礼『血まみれスケバン・チェーンソー』/もう男塾ばりの不死身っぷりだな、爆谷。えーと、このキャラは生き残ってたんだっけ。
鈴木みそ『ナナのリテラシー』/作家自体をブランド化、て話はわかる。今は雑誌にもそういうノリ志向してるっぽいのあるし。エロ話はやっぱりおもしろい。嫌悪感分析からの、それを表に出さないのが大事、てのは至言。私も気をつけます、はい。
唐沢なをき『まんが家総進撃』/持ち込み編。苦労が忍ばれる…。
須藤真澄『庭先塩梅』/グッデイシリーズに続いて(対して?)死のビジュアルイメージですが、こちらはむしろ人生という物語のそれ。年齢による像の転換はもとより、賽の川原の石で三途の川水切りして寿命計測ってすごい発想だと思うんだが。記憶というか時の共有を託すわけですね。
松田洋子『私を連れて逃げて、お願い。』/名前をつけてやる。いやまあ、意外な展開でしたわ。背負うものに見合ったというべきか、優しい(?)人に出会えてるのは幸運ですが、さて今後は。
●うすね正俊『砂ぼうず』/意外にもドラマチックな回。人生や能力に関わらず戦時下では等しく弱者なのよなあ。
イシデ電『逆流主婦ワイフ』/秘すれば花、という話でもないが。このユーモラス&共感からの逆転は重いわ。
●横山旬『変身!』/えー…。まあ学習によるエロスてのはSF的要素でもあるのだが。この男女の距離感はいいね。
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/井上陽水アワー64曲アンコール3曲、語弊あり。ちゃんと物語仕立てになってるのが流石だ。昔のゲームサントラの曲名も結構頭おかしかったりするよな。*1
河井克夫・二宮亜子『5人いた』/シリーズ読み切り。バカミス。余韻が卑怯だわ。
●カリブsong・田辺剛『ビヨンド・ランド』/シリーズ読み切り。桃源郷を経て。人生の違いなのよな。
●市川ラク『白い街の夜たち』/名古屋のナナちゃん、ですよね。先達であり決意を聞く側の、1ページ大の顔の“反応”がいい。
朝倉世界一『春山町サーバンツ』/シビア〜。この顔と群で反される、というのがキツい世界観。店長からの試練はおもしろすぎだろ、往年のジャッキー・チェンノリつうか。
赤川次郎鈴木マサカズ『鼠、』/この決着はいいおはなしぶり。残り二回。


  • 市橋俊介のコラムがなんというか、うん、困ったものだ。
  • 表4にコミックウォーカー広告掲載、その中に『おしえて!ギャル子ちゃん』の書影も、て作者名表記ねーじゃん。昔ビームでも読み切り発表していた鈴木健也の本ですよ。

おしえて!  ギャル子ちゃん 1 (MFコミックス) 寒くなると肩を寄せて (ビームコミックス)

*1:イチオシはこれかな。「シルエットミラージュ サウンドトラック」プレミアリバイバル シリーズ