週刊少年チャンピオン2017年46号

渡辺航弱虫ペダル』/OB陣の発言はほめてるのかどうか。箱学勢の中で真波が唯一手嶋に無反応なのは、思うところありそうだけれども。

桜井のりお『ロロッロ!』/人間の嗜好にあわせたロボットと自我を持つロボットの差異とかなんとかそういう。

板垣恵介刃牙道』/刃牙にとっての夜叉猿再訪問みたいなものか。

平川哲弘『ヒマワリ』/アイドルとは何か。アニメ版では、アイマスはコンテンツを前提としてのキャラクターの原点という“再話”、デレマスは元が設定付加継続中のソシャゲなだけに“原点がない”こと自体の物語化、という構成だったが、ではキャラ設定に各々“前日譚”が存在するSideMはどう語られるのか、はたして土屋理敬脚本の再々登板はあるのか、気になるところですね閑話休題。前作の不良マンガ的な話法と、相性としてうまく転がるや否や。

●水森崇史『東京野球女子百景』/2号連続読み切り。何がおもしろいんだかよくわからん画像バズってると思ったらどこぞで連載化、というのもすっかりあるあるだな。

板垣巴留BEASTARS』/逸脱へといざなう蛇、か。ここに来てのその形状はインパクトある。鳥類の方に手が残ってるのは始祖鳥由来になるのかな、恐竜いたわけだし。

●中村勇志『六道の悪女たち』/妄想にふける腐女子の心象表現みたいな見開き。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/フォーマット的には『シャカリキ!』の系譜としてのバチバチ!であったと。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/間違いをするのはしかたなくても、嘘をつくのはダメなのです。

●吉野宗助『MASTER&D』/女体化展開、をさせた側のこれはいい(情けない)自爆。こういう中性的なキャラをちゃんと描ける画力あったら、遺電子ももうちょっと芸風の幅あったろう。

西修『魔入りました!入間くん』/見開きが何をしている絵なのか、どういう行動単位を、経過時間のどこを分節として描写したコマなのか、理解できないのだが。どうせテンプレ展開しかないんだから、なんとなくで察しろってことかいな。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/公募吸血鬼登場(集合)回。つまんなくても読者のせいにできるし、採用者は内輪で盛り上がれさえすればいいし、ウィンウィンというやつですね、はい。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/友情を結び領土を広げていく。不良マンガメソッドに近いかもしれん、違うかもしれん。




  • インタビューはタイムマシーン3号。少年時代の思い出として語ってる「50巻まである単行本を一気に大人買いしたり」というのは『本気!』のことだろうか、たぶん違う。



※余談
本号と同日発売のコミックビームにて上野顕太郎が、かつてチャンピオンに『現代怪奇絵巻』を描いていた根本尚のパロディを描いているぞ。読もうコミックビーム

月刊コミックビーム2017年10月号

※明日には最新号発売。




  • 表紙は青高チア部。ここ数ヵ月のビーム表紙はヒロイン押しだな、いやーあざとい(棒)。





●オカヤイヅミ『ものするひと』/新連載。作家の日々。絵柄の静物としての画面の浸食が独特で、その中である言葉。最後のネタには帽子男がダブったが。

●伊図透『銃座のウルナ』/最後の一人としての情念ではあろうが、それすらも最初から“殺されて”いた、と。

●conix『青高チア部はかわいくない!』/修業パート。「かわいくない」は、そういうことなんだよな。

三宅乱丈イムリ』/動かない顔の見せ方と、それとの対比がもう。そしてまた、裏切りと相対する展開になるわけか。兵器による襲撃もだが、苛烈さを一貫して冷徹に描写する筆力よ。

山田参助あれよ星屑』/死。最後のコマ、この処刑描いたのはすごいけれど単行本化時に消し入るかも。(前例『パノラマ島綺譚』)

ジュール・ヴェルヌ、倉薗紀彦『地底旅行』/閉鎖空間からの行き先は。次回最終回。

小林多喜二唐沢なをき『僕らの蟹工船』/アレンジつうかなんつうかもう、軽いなおい。やっぱ猫耳少年かよ。

田中貢太郎近藤ようこ『蟇の血』/着物姿で泣き伏す女性をこのアングルから、という絵もなかなか見れないか。

おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/箸。教育という要素入るとな。図示がちょっと前の刃牙と印象ダブった。

●谷口菜津子『彼女は宇宙一』/読み切り。前回掲載作品に続き、異物と女性マンガ要素の組み合わせがおもしろい。『ヨメがコレなもんで。』の宮田絋次思い出すなど。

●H.P.ラヴクラフト、田辺剛『狂気の山脈にて』/ショゴスあらわる。息を飲む絵力。

いましろたかし『新釣れんボーイ』/過去作品映画化、とまた混沌たる要素が。新機軸ではある。

山川直人『小さな喫茶店』/『団地ともお』の樫野さん思わせる導入ながら、展開はまあ別物。そこにいる人々。

上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/怪奇マンガパロディ、とオチが予想外だよ。

須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』/「どこか」が「あそこ」へと変わる。目的地がある、行ける場所である、ということがこの旅の終わりになるのか。

●市川ラク『わたし今、トルコです。』/前連載が日本のトルコ料理店で今回はトルコの食生活、そのリアルの違い。


松田洋子『大人スキップ』/くろけー…。われ鍋にとじ蓋、と言うにもあんまりな重さだが。

●おくやまゆか『むかしこっぷり』/生と死と、と思わせておいてこのオチ。いや、死には変わりないんだけど。こういうノリで話すおばさんいるよね。

●横山旬『あらいぐマンといっしょ』/最終回。最後まで嵐のように走り去る幕引き。ババアもよかったね。お疲れ様でした。




  • 電子版会員サービスが低価格へと一新。すいません、当方はネット環境的に…。



※余談


コミックビーム100担当編集者の本気鈴氏ですが、ビーム関連の過去仕事では『利平さんとこのおばあちゃん』単行本を出しています。いい作品だぞ、読もうビームコミックス!
利平さんとこのおばあちゃん 上 (ビームコミックス)

週刊少年チャンピオン2017年45号

石黒正数木曜日のフルット』/連載500回カラー。別冊チャンピオン掲載分も入れての数字かな。打ち上げ花火、横シューか縦シューか。

桜井のりお『ロロッロ!』/本格連載化。1話目から全裸という覚悟のススメばりの衝撃(破夢子)、とまで書いて、なんで菊之助の方連想しなかったんでしょうねっていう。エロというより変態っぽいんだよな。みつどもえの方は連載進むにつれ世界広がっていった感あるが、こちらははたして。ママはいるのか。

渡辺航弱虫ペダル』/強キャラしかフォーカスできない作風は自陣でも変わらず、と言ってしまってはなんだが。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/この作品でオーバーオールといったら、ウンコでなくゲロのトレードマークでは?(不二家ペロ)

板垣恵介刃牙道』/しばしば目にする“刃牙の食事シーンは美味そう”といった発言に個人的にはまったく共感できないのであるが、たとえば今回の蛇を食うシーンが“(作品に)あってる”とはすごく思える。食事というディテールじゃないんだよな、あくまでキャラ表現で。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/ヘルシングさん再び。登場回のオチでどうすんのこれ、と思ってたら普通に強キャラに収まるのか。心強い味方、かなぁ。

●中村勇志『六道の悪女たち』/4カ月前に見た椰子谷さん。

→その際書いた感想というか願望というか。

→そして今回。

→叶っとるがな!いやまあ偶然だろうけどなんかすいません、とか思ってたらいざ脱いだら形状的には、もういいですか。/とまれ、Sヒロインの描写としてはまあこんなもんか、少年マンガのケンカだし。この“萌え”状態をどう解除に持っていくのか、「性癖」に悪の烙印押すのもなあ。

板垣巴留BEASTARS』/青年・壮年という意味での造語かな>青獣・壮獣。校長の左目の傷は一体(ワンピースのシャンクス風に)。連載冒頭の事件にかえる展開、と犯人は既に作中に登場している?

●吉野宗助『MASTER&D』/出オチに終わらせない掘り下げ。前回ゲストも来るのね。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/捨て身の先。終焉が見えている物語だからなあ。

荒達哉『ハリガネサービス』/例の過去話見てると、この天然ぶりもちょっとな。某大食い番組出演者も、交通事故後に大食いに目覚めたそうだが。(みなまで言うな。)

小沢としお『Gメン』/そういえば共学だった。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/やりたい路線は見えてきたが、このページ数で画力による演出は生かしにくいのが悩ましい。





※余談


チャンピオン連載『悪徒-ACT-』、別冊チャンピオン連載『ガンロック』担当編集者による電子雑誌が創刊されたぞ、読もうコミックビーム100!(リンク先の記事にはチャンピオン前編集長氏からのエールもあるぞ!)

週刊少年チャンピオン2017年44号

  • 刃牙ソシャゲ、清澄の追加わりと早いな。
  • 新人賞のテーマ一覧は効果あるんだろうか。「アイドル・音楽」が一番先ね、まあ。



板垣恵介刃牙道』/勇次郎に勝った、というのも実力より“おはなし”の領域のことではあるんだが。一応、武蔵も本部、花山については認めてるわけだしな。

平川哲弘『ヒマワリ』/親の因縁、合宿所展開とあまちゃんメソッド臭がだね。

●伊科田海『GREAT OLD』/部位収集展開かな。主人公にも能力あるとして、補食だとかぶりそうな。

●吉野宗助『MASTER&D』/集中新連載。ネタに強さのあるギャグでよい。

板垣巴留BEASTARS』/悩みつつも二人そろって尻尾振り、はいいコマ。世界会議開催か。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/いい所見せたと思ったらさらっとひっくり返される、このバランス感覚(?)。対する相手の描写でもあるんだよな。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/心臓の描写がもうね。瞬間ごとのせめぎ合い。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/愛情マウンティング的な何か。麻雀回も今回のデュエルもフォーマットの知識はいらないんだが、今回はキャラのボケ属性で押したか。

●瀬口忍『囚人リク』/カップルで挑発してるようなもんだよね、これ。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/そうだね、ドタバタコメディもできる平和が一番だね、ていい雰囲気だけど『まんが極道』っぽい。いずれ認め合い展開もくるんだろうか。




ハルタ 2017-AUGUST volume 47

  • 裏表紙『ハルタカルタ』は「なつざしきとかれいはえんがわがいい」。屋根瓦をカレイ風に、かつ庭には珊瑚と海藻。



樫木祐人ハクメイとミコチ』/自宅リフォーム回。常在戦場、プロフェッショナルというやつだ。身長差あるキャラを同じコマに納める描写も、工夫されているな。/付録絵本も大変よい味わい深さでした。

佐野菜見『ミギとダリ』/空中対面の絵力よ。

九井諒子ダンジョン飯』/大破壊、と同時に、ダークファンタジーたる戦慄の見開きに特大フォントでボケをかます破壊力。ただこれ真面目に考えると、シュローとカブルーの言う主人公の(無自覚な)内面のずれという脈絡であるし、続く悲劇展開ではそれを逆方向から問われることとなる。読者にとっては、世界観前提のメタネタから物語への転換という形に重ねて読めるわけで。人型モンスターの不気味さ、殺戮劇の恐怖と緊迫を活写しつつ、随所にまんが的抜けがある、この巧さ。

●緒方波子『ラブ考』/新連載。彼氏できた前作からの続編。本当、飾らない人柄だな…(好意的表現)。

●得津宏太『そこのけ☆超特急』/読み切り。曖昧なタイトルにコマ単位でしか見映えしない絵柄と設定、全体的な構成としては微妙、という新人らしさだが。まあ最近のクソこじんまりとした異日常(とでもいうのか)ふんいき読み切り群よりは、派手エンタメ見せようとする分だけマシかなと。

●設楽清人『忍ぶな!チヨちゃん』/見開きご対面から想いの告白、いいシーンじゃないか…と思わせてやっぱりおとすか。まあシリアスも描く力量あることが示されてよかった。

森薫乙嫁語り』/白い馬群に一匹黒い雄馬、という絵面でやっぱりマキバオーモンゴル編が連想されてだな。去勢はされてるんだろうか。あらためて、万感の抱擁。

●サワミソノ『丁寧に恋して』/うわー、ここでひっくり返してくるか!/家族との休日という学園マンガ文法でない、生活感の中でこそ浮かび上がる困窮、金の重さを、少年と少女の日常描写の間で、それぞれ前回までの(読者が見てきた)立ち位置とまでも対比させて見せてくる。上手い。共通モチーフとしての、洗濯や下着というディティールの効きも抜群。双方の料理描写が間違いなく愛の形で、異なる形の切なさとして共に立ちのぼる、いいですよ。積み重ねで局面よ、物語の。

大武政夫ヒナまつり』、山本和音『星明かりグラフィクス』/依存ネタ作品が並んで掲載されてると、相乗効果で笑えてくる。

なかま亜咲『カニメガ大接戦』/最終回。我々は、このペンギンを知っている!

近藤聡乃『A子さんの恋人』/A君の(家での)逡巡が大部分の今回。以前、A子とA太郎が(仕事で)一夜を共にする回の感想書いた際、私はカケアミと黒ベタの表象にこだわっていたが、絵的にはそれと対になる側面もありつつ、しかしA君の場合は前面化まではいかないと。/画風相まっていかにも平面的な、机の前に座るA君の後ろ姿からの導入。そこから、角度をつけ寄りアングル回転し引き回想に入り同じ構図くり返し移動を分節し横長コマに同一人物複数配置し、とA君が移動し思考する様を見映えさせつつ読ませていく。そこで描かれるのは彼の、A子との過去にも縁のある選択を前にしての逡巡であるが、挟まれる回想においてまず恋人状態を提示し(セックスジョーク)、続いて当初の険しい態度、やや軟化、という順でコマを見せてくるのが面白く、“縁もまた強調されることとなる。/続くA君の回想。ここで彼は、A子の寝ている(意識のない)部屋を離れ、彼女が見せなかったデビュー作(それはA子とA太郎の縁の形でもある)を読む。A君にとってはそれは、しかし“完成”と映っていたのだな。“続き”は、それを求めるA子の姿勢として見たがっていた、とこれは巧い逆転である。この場面で、夜の部屋の暗がりとして、ベタとカケアミが若干のぞく。/そして、思い出の品を見つけた、回想と現状がつながったA君はA子に電話。本作の電話シーンにはその表現力の際立つものがいくつもあるが、今回も、冒頭から家で悶々と悩んできた(内面描写されてきた)男の右ページ(最終コマ「トルルルル」)→左ページの東急ハンズ・女(1コマ目「リリリリリ」)という接続に、読んでいてグッときた。またこのハンズの構図が、エスカレーターの描写が上手いのだ。/共有する過去、ガジェットについて会話する現状カップルの二人。作品を共有するという関係であり、最後のプレゼントも含め“洒落た関係”だ。ラストのコマはしかし、冒頭のコマと同じ構図に影がさした、という絵でもある。A太郎も異なる形で、A子と“作品を共有”した関係ではあったのだよなだった。今も、か?

山本ルンルン『サーカスの娘オルガ』/これはまた何というか、愛ではあるのだが。バカになる、でも最高、か。左ページ右下コマのアングルや会話中の視線というやりとり等、読んでて気持ちいい画力、作家意識が詰まっている。

●高江洲弥『ひつじがいっぴき』/リョナまっしぐらという感じだが、なればこそ戦意の目覚めにも紙幅は割かれると。外部からの攻撃は防げても内面のそれは防げず、自己の一部を外部からの闖入者で倒す、というシステムは一貫してるのか。諸々未分化としての“少女の夢”というモチーフではあろうが。

●長蔵ヒロコ『ルドルフ・ターキー』/ヒロインのエロ同人みたいな格好に漂う、やっぱり女性描写にはそうこだわりないのかな感。

●浜田咲良『マシュマロメリケンサック』/最終回。もっと異常な作品(序盤でふれた柴田ヨクサル的ノリ等)になること期待してたんだが、この王道オチもそれはそれで。お疲れ様でした。

●進美知子『今日の柳子ちゃん』/最終回。不定期連載で8ページを全3回。長い尺描かせた方が映える、描き通す力量がある、現誌面の新人の中では珍しくそれだけの才能見せている作家なのに、短編がちょっと好評得たらホイホイ引き延ばしで連載化しようとする編集側の失策としか、私には思えん。/それはそれとして。このページ数の中でも、俯瞰から真横へのアングル切り換え、全体像・パーツ・大ゴマの一部といった注目箇所にあわせた画面構成、縦長コマを上から下に視線移動させることによるパン効果、といった技巧が発揮されているわけで、次回作にも期待したい作家性だ。お疲れ様でした。

●比嘉史果『真昼の百鬼夜行』/暗い幕切れであるが、この作品にしては珍しくすっきりした終わり方に思えるし、個人的に好み。因縁が完結見せているからかな。