フェローズ感想

Fellows! volume 18
※公式サイトにて、セリフの抜けが告知されています。→http://www.enterbrain.co.jp/fellows/news_05.html



●表紙が綺麗怖くていいのう。さらに帯文裏表紙側の、『秋津』プッシュがいいぞいいぞ!「真の野獣・室井大資が立ちはだかる」!
●今号は「カバー・ストーリー」ではなく、「カラー・スプレッド」という名の折り込みピンナップ。作者は宇島葉。一見して横尾忠則丸尾末広浮かんだ俺は古いですか、すいませんねぇ。


  • 宮田紘次『犬神姫にくちづけ』/新連載。キスで犬化、エロいですな。/新刊『うたたね姫』買いましたよー、収録作『ラストダンスは踊り場で』が好きでねぇ。前号のテキストフェローズで、私的少女マンガベスト2に「本当に好きで何回読み返したかわからない」という『ALEXANDRITE』を挙げた宮田紘次。その核のあり方に大納得、という短編。「Fellows!」1号掲載作品が、これだったんだよな。うたたね姫 (ビームコミックス)Alexandrite (1) (花とゆめCOMICS)
  • 森薫乙嫁語り』/海辺の村。まさかの双子ヒロイン登場。少女、だよねまだ。
  • 福島聡『蜂矢乙女の魔球』/ヴィーナスVS乙女。いまのあんたがいちばんみにくいぜ!/なんとまああからさまな百合、なのですがその上っ面の下ちゃんと血と肉仕込んでくるあたりが福島聡。にしても、いい外面だ。
  • 笠井スイジゼル・アラン』/子どもどうしは素直にかわいくてよいのう。そして悪役はこんな造形になるのね。
  • 二星天『歩くインク』/読み切り後編。そもそも「演じる」必然性はあったのかなー。メガネ黒髪おさげセーラー服妹はかわいい。
  • 室井大資『秋津』/シリーズ連載。前回のをあらためて読んだらドハマりしたので、キャッチコピーを考えた。「よつばと!にのれない人のためのよつばと!」逆効果か。(でも俺にとってはそうなのマジで。)もう一個考えた。「ふうらい姉妹担当編集者の手がける、もう一つの家族の物語。」もう何が何やらか。そもそも担当代わってたらどうしましょ。/お父さん苦悩、もとい逃避回。カレーといえば『ブラステッド』のあの場面はよかったですな、仕上げに胃腸薬。(ちゃんと材料リンクさせてくれてる!)/結果ネームが進んだのなら、いい編集者さんだよね・・・。ひどいオチだがこれも愛だ父性だ、おそらくきっと。
  • 長崎ライチふうらい姉妹』/今回はネタが投げっぱなしでなんだかさびしいな、と感じた私にとって、やはりこの作品におけるツッコミや共感や微笑は愛情表現でもあるのだ。なにか間違ってますか?
  • 白浜鴎『わたしのクロちゃん』/読み切り。きっちり丁寧な絵と構成。こういう人にしか見えない光景ってのがあるんだろうな。
  • 佐野菜見坂本ですが?』/読み切り。なんだこりゃ(笑)。カッコいい野中英次といいますか。おもしろかった。
  • 菊池るち『千鳥ちゃんのおじさん』/読み切り。イグアナ、もといワニと女学生つったら『花と太陽と雨と』ですね。*1チドリって、ワニに対してそういうことね。
  • 天乃タカ『ましまろ文學ガール』/自由とは・・・自分に由ることだっ・・・!
  • 睦月のぞみ『兎の角』/そういえば、本来こういう“敵”が出てくるバトルものだったわね、てクリーチャーじゃねえか今回!いいノリですなあ。
  • 福島聡星屑ニーナ』/色恋沙汰の多い誌面の中にあっても、やはり一つ群を抜いてます。けれども、そしてまた、なんだよな、このラスゴマ、見つめる星屑の意味するところは。
  • 入江亜季乱と灰色の世界』/前回のラストから、まさかのこれだけで一話。テキストフェローズにて福島聡の言った「狂気的」てのは正しい評価かもしれん。だからあの、日比の頭突きは『エアマスター』のマキユキ戦に類するものなんですよきっと!/ある種、乱の心を癒す役目は日比側にあると思うんだけどねえ・・・。おっと、柄にもない感想を。
  • 佐野絵里子『走る詩・江ノ電』/読み切り。タイトルどおり、つっちゃアレだが。いい風景・光景であります。
  • 九井諒子『竜の小塔』/読み切り。なんとも骨太気質なファンタジー。絵柄の端整さもあいまって、独特な魅力のある世界。うまい。
  • 安住だいち『最愛の隣の悪夢』/扉絵、力入れすぎじゃない?(どきどき。)なんかこの誌面でやられると、妙に生々しいな。
  • 紗久楽さわ『かぶき伊佐』/わお、バトル展開かよ『かぶく者』かよ!と思ったけど、もう一転がしありそうね。
  • 百名哲『演劇部5分前リターンズ』/これはねー、即興演劇番組スジナシ見てると「演劇人」と「芸能人」で、本当に歴然と差が出るんですよ。球受ける気あったらまだいいけど、女優Pとか本当ひどかったんだから。(あ、イニシャルトークの意味ねえな。)/こういう体で出すにせよ暴走ネタの走りっぷりは、やっぱこの人の才能ですな
  • なかま亜咲健全ロボ ダイミダラー』/平均13cmということから、そのエロゲー会社は名づけられたという。つうかヒロインの初露出これかよ!
  • しおやてるこ『たまりば』/ハルオ・・・。/巻末コメント、ちょっとステキよ。
  • 雨隠ギド『恋煩いフリークス』/最終回。これ結局寺本さんのせいなんじゃ・・・ですけど、ハッピーエンドだからいいんだよ!楽しませていただきました。
  • 天乃タカ『花と虫』/シリーズ読み切り。これは設定といいキャラ造形といい、よくマッチしてますな。ベタながらいい物語です。
  • 長崎ライチふうらい姉妹』/ロングバージョン。シリアスな表情するだけで笑えるって、お姉ちゃんずるい!もとい、構成うまい。/「遺した」でなく「残した」ってことは、死別ってわけではないのかしら。どうかしら。あとしおりの服のつぎあて、えりくびとそでの縫い後が気になります。おさがり?貧乏?
  • 高橋拡那『銀河六巡り』/最終回。よくも悪くも、毎回いかにもフェローズ作品、という感じだった。うーん。/実際、編集方針的にどうなんでしょうね。テイスト揃えたいのかどうか。個人的には締めて欲しいんですよー、鈴木健也がなー、佐々木一浩がなー。
  • 近藤聡乃『うさぎのヨシオ』/最終回。これはこれで楽しい作品でありました。さりげにウェイトレスさん結構不憫なんですけど、まあ湿っぽくならないのが人徳ですな。最後、つげサンドなのはさすがガロ系つーか。(いや、アックス系か。)
  • 明仁『玲瓏館健在なりや』/最終回。ああ、『エイリアン通り』のラストがダブる・・・て、考えたら結論真逆ですが、まあ“ホーム”の話ですからな。おばあちゃんはどうなったんだろうか。/設定的にいろいろもったいない、という印象はいなめませんが、絵力によるコメディとエロスは十分に満喫しましたよ、うん。

●次号より、冨明仁、嵐田佐和子、高田築新連載。

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