コミックビーム2011年2月号
●表紙はテルマエ大活躍だよなー。確かにデザイン的にもいいんだけど。
- 武内柚樹明・おおひなたごう『まほう小女トメ』/連載化。うん、まあ、ホラー、ですな。個人的にこの手のB級ホラーの魅力って、著者の天然ぶりもといホラー愛が故の暴走ぶり(伊藤潤二とかみどろさんとか)にあると思ってるので、微妙に乗れない部分はあるかな。それすらも排除した世界が描きたい(合間のギャグの反作用ぶり込みで)、てことではあるんでしょうけど。/あと、生き返らせる&会わせる、て願い二つになるんでは。違うのか。
- 志村貴子『放浪息子』/失礼ながら、珍しく画面構成の部分で感心した。BSマンガ夜話で夏目房之介が解説してたのって、この効果ね。こりゃ確かにこの人の特性だわ。/『ラヴ・バズ』復刊かー。しつこく言うが、マンガ夜話ではこちらの方踏まえてやるべきだったと思うのよ。乗れない、という脈絡で語るにせよ、その実感はこちらの方が“少年マンガとのズレ”という点から自己分析しやすい、オッサン達には、もち俺込みで。
- 新井英樹『SCATTER』/ほ〜ら、新井のおいちゃんが本気でこれもん描くとこんなことになるんだぞ〜。…いや、おもしろいとは思ってますよ、うん。この“ヤバいな〜”ぶりも込みで。/さて、都庁。新井氏の奥さんである入江喜和が、以前ブログでこんな日記を書いてました。都条例の件でちょっとしんみりしてた私は、これ読んで大笑い&元気と期待じみた希望ももらったんですが、これひょっとしたら、都の政治的陰謀とかそっちの方に話進んでく、てことなんでしょうかね。/で、俗人まる出しで聞きますが、前回の告白の結果はー!?ここで次号休載とか…。
- 須藤真澄『庭先塩梅』/かんの虫にはひや・き・よーがん!/町の影&ちゃぶ台に映る影がよいね。オチには、なるほど!(笑)
- ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』/美意識の衝突。『へうげもの』好きとしても燃えるぜ!/と書いてみて思ったけど、あ、マジで『へうげ』とダブらせることも可だよなコレ。歴史モノでもあるし。/しかしまあ、この成り上がりにそそがれる視線てのには、『キーチVS』最新巻の内容&巻末のホリエモン対談が微妙に重なりますな。
- 松田洋子『ママゴト』/悪意とか無邪気とか希望とか。いいねいいね。
- 三宅乱丈『イムリ』/荒川弘との対談の影響…てわけでもないんだろうが、チムリのマスコットキャラ化(かわいー!)*1とかラストの描き文字ネタ(これなけりゃ普通にシリアスだろ)とか、エンタメ作品としてのサービス精神が強く出てますな。対話場面も激熱だ。/ああ、ここでまたその言葉が。(傍点部ね)そして、あらためてデュルクの背負うものがなあ。本当、大河ファンタジーだわコレ。
- 唐沢なをき『まんが極道』/はっはっはっは、あいたたたたた。まあウソはいかんよね、ウソは。そもそも“ウソだと思われそうな内部情報”とかは、知ってる人もペラペラしゃべったりしないでしょ。(と思いたい)
- 三家本礼『血まみれスケバン・チェーンソー』/BGM「Still In The Dark」→わはは、ひどい展開。→ていうか、そもそもどんな原理なんだオイ。/とまあ、懐の深い作品ってわけです。(本気)
- 上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/えーと…いつ以来なんだこのネタ。落差が。/さーて、きたきたきた単行本!名言集に、単行本宣伝マンガに、RYTHM3に、追悼作品(『さよいわ』じゃないよ)に、夜千名画劇場にまた会える!ところで四六判ということですが、連載100回記念ネタはどうするの。あとヤマカワビームの柱とか。
- 鈴木みそ『限界集落温泉』/「同情かよ!」/あと、まんま写真載ってますが加工ミス?
- 新田章『ランタンパレード』/読切。この人の視点は揺るがないよなー。ビームにとっても、割と貴重な作風かもしれません。
- しりあがり寿『ノアの阿呆舟』/自作『方舟』のパロディ…というわけでもないんだろうけどな。
- 竹本泉『あかねこの悪魔』/以前見かけた枕草子パロディで、「夏はスク水」とか言ってたののオチが「冬はもこもこしてて、わろし」で、僕はそんなことはないよ!と思ったものでした。よって描くなら、男より少女のもこもこの全身像を!と私は言いたい。よし黙る。
- 市橋俊介『敗北DNA』/そのおばあさんは、昔育った家の縁側の記憶に、想いを馳せてるのだよ。たぶん。
- おくやまゆか『あなたへの遺言』/絵本みたいだな、と思ったら、作者、実際に昔絵本出されたことあるんですね。同時に、なんとも詩的な。
- 河井克夫・市川ラク『趣味の店ヨーロッパ』/この、意識のすれ違い、というテーマは、市川氏が読切で描いてきた内容でもあるわけですが。期待。
- 金平守人『がけっプチ漫金日記』/いやでも、とらのあなでも特典ついたそうだし。来年には票入ると思うんだけどなマジで。おもしろいよ、『エロ漫の星』。(本作は?)
●次号より、いましろたかし長編連載&鮪オーケストラ読切連載開始。先月号に負けず劣らず、すげー組み合わせ。