週刊少年チャンピオン47~49号

47号(※10月24日発売)

板垣巴留BEASTARS』/連載150回記念巻頭カラー&サブタイトル人気投票開催。個人的に好きなタイトルは103話。/この激突を描く為の前回ヒキでの登場か。気持ちいい迫力、ケレンである。さらに主人公の器を示す形のシメ。うっかり初期『土竜の唄』を連想したのもあながち間違いではなかろう(?)。


安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』/開始一コマ目からシャーペン左手持ちってのがまあこれのクオリティ。

高橋ヒロシ、鈴木リュータ『WORST外伝 グリコ』/何だこの和解…ポリコレ?

渡辺航弱虫ペダル』/この攻防描写は、自然の中に一応のコース取り、という形のMTBレースらしさではあろう。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/好きなシリーズだけども、大オチは変態方面かよ。フェチじゃなくて幼児性とはいえ。ページめくっての3コマ構成が好き。

石黒正数木曜日のフルット』/カラー2ページ。色ネタはいいなあ。

板垣恵介『バキ道』/回復力も力士の素質…か?

西修『魔入りました!入間くん』/温泉回だが、ここまで作者のやる気感じられないそれも珍しい。ここしばらく、チート展開でしかキャラ動かせない話運びと、ヒロイン無罪&存在が価値という属性付けあわさった結果としての、女性キャラ陣の独善ムーブがだいぶキツい。

●魚乃目三太『チャンピオンズ』/電車車両いっぱいのチャンピオン、確かにそれはすごいな。

細川雅巳『逃亡者エリオ』/宿敵役の王様までこんなに直情的だと、本当に単純な脳筋世界にならないか。あるいはそこ目指してるのか。

●灰刃ねむみ『足芸少女こむらさん』/狙いの相手を快楽で堕とす修行って、そんな“芸”だったのかよ。

●中村勇志『六道の悪女たち』/メインヒロインのおかげで主人公が変われた、というのはその通りだろうが、この作品設定の場合、原罪に対する贖罪やケジメって脈絡でもあるからな。

●実樹ぶきみ『SHY』/ヒーローの実在する世界でのヒーローものアニメってどういう需要になるんだ。好きイコール正義オチ通しちゃう二次創作出身作家、はい。

桜井のりお『ロロッロ!』/全裸のゾンビってあまり見ないよね、という話だろうか。

荒達哉『ハリガネサービスACE』/だいぶ遅れてきた感ある攻略法だな。

●村岡ユウ『もういっぽん!』/ 大舞台でこその出会いと成長。トランス状態での表情ね。ページめくっての“一瞬”の3コマ分節がよい。

●平沢バレンティーノ『だってファンシーカペツピィン』/出張読み切り。ギャグ。それこそ昔は『がきデカ』的な肉体性で通した下ネタジャンルであるが、この作家の場合は記号化・メタという現代の文法込みでそれに挑戦している…みたいな認識です、はい。/秋田書店で宇宙人で下ネタといえば、『プラトニックインベイド』続刊はなんとかならなかったんですかねSFエロコメ
プラトニック・インベイド~恋の侵略者 (チャンピオンREDコミックス)
●触媒ヒロオミ『どらコン!』/まあ相変わらずだが、入間くんの入浴シーンのやる気のなさに比べたら、真面目に一所懸命描いてるのはわかるんだよな…。

●灰谷音屋『Jinx』/集中新連載。格闘技、狂気に触れた過去。『ジュニオール』から学園もの・スポーツものという枠を外すと、この修羅の地平までいくわけよな。テーマとしてそれを描ける作家性。

●陸井栄史『盛本君は実験体』/読み切り。ギャグ。汚い上野さん、て元もだいぶ汚いか。皮をかぶるフェチズムってなんかであったなあ。





48号(※10月31日発売)

  • 対談読んでも新企画の主旨はよくわからんのだが、まあ内輪ウケ同士で相性いい、みたいな感じか。



安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』/猪が出た、こわい!横からの構図だと、女性の膝より体高低い!

●触媒ヒロオミ『どらコン!』/センターカラー扉絵のキャラは、本編では回想の1コマにしか出てこない。

渡辺航弱虫ペダル』/挑戦者としてこそ燃える、マキバオーですね。(そうか?)

●暦『娑婆王』/ムーラン…アジア系ファンタジーということでのネーミングなのだろうか。

板垣巴留BEASTARS』/ドタバタ追走劇やりつつ、そこに見切れる日常と通ずる社会背景のシビアさを描く、と。

夢枕獏(原案:板垣恵介、挿絵:藤田勇利亜)『ゆうえんち─バキ外伝─』/最後に現状を説明されるまで、以前の登場キャラだと全然気づかなかった。もう70回以上やってるのか。

桜井のりお『ロロッロ!』/先生いたのか。このオチは性格ひどいんじゃなくて、友達という概念に不慣れとかそういう…。

●魚乃目三太『チャンピオンズ』/阿久津邦彦編。これだけ無邪気に鴨川つばめ描けるというのは、やっぱり「取材」じゃなくて「聞き書き」なんだよな…。あと『青い空を、白い雲がかけてった』のタイトル間違えないでくださいよ、阿久津氏が他社から出た文庫版の解説まで書いた作品なのに。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/ハロウィン回。家つぶれニートチェーンソー(うまくない)。

●中村勇志『六道の悪女たち』/もうやめてあげて!それはそうと、前回のヒキから主人公のスピーチ自体はとばすのか。それはちょっとなあ。

●荒井俊太郎『イシュメリウム』/読み切り。異界、異物、衝動。感動に善悪はない、という言葉もあるが。

●宗我部としのり『ヤンキーJK クズハナちゃん』/読み切り。ツンデレギャル。パンツの価値が謀略と対局だな。

●村岡ユウ『もういっぽん!』/なんか盛り上げ方がこれで最後の試合になるんじゃないかと不安なのですが。

●灰谷音屋『Jinx』/鼓動音から内面のズレが明確化していく演出、いい。





49号(※11月7日発売)

  • はっきりとは覚えていないんだが、付録の僕ヤバポストカードの絵柄、連載予告カットのアレンジだったりする?



渡辺航弱虫ペダル』/二股主人公…(違う)。

桜井のりお『ロロッロ!』/僕ヤバ掲載の隣ページで、このオチの絵面はすごい(ひどい)。

桜井のりお『僕の心のヤバイやつ』/出張再掲載。紹介ページ、山田の方の感情も明記しちゃうのか。

安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』/右手どうなってるんですかこれ。

荒達哉『ハリガネサービスACE』/ラストのこのセリフは準備してたんだろうな、とは思うが、強化目的で演技やってた側が相手のブラフを同一視するのもなんか違わないか。

板垣恵介『バキ道』/ようやく本筋へ。いきなりトンデモ展開ではあるが。

板垣巴留BEASTARS』/学園マンガという聖域も変わってしまうものの。ピナとビル、それぞれとのやりとりは、ジャックとも異なる男同士の安堵感あるな。隠された歴史という展開に向かうか。

西修『魔入りました!入間くん』/能力により男を誘惑する女キャラがいて、誘惑された男達の側が「サイテー」「これだから男は」「不潔」とモブ女達に罵倒・侮蔑されて、誘惑した女側は一切責められない、そんな展開が女性作者の手によりギャグとして描かれる。これが話題のジェンダーに配慮した少年マンガというやつなのですか?

●村岡ユウ『もういっぽん!』/センターカラー。サブタイトル、最初商品名かと思った。身長差、かつ巧者同士の試合ということで、攻防の描写もこれまでとは一風変わっている。読ませ方の構成も新鮮で面白い。日常の話からキャラの深淵がのぞいてくる展開もまた良し。

●魚乃目三太『チャンピオンズ』/月刊プリンセスの話がメイン。創刊からしてムチャクチャだよな…。

●中村たつおき『かいじゅうたん、現る』/集中新連載。古い、というのがまず出てきた感想。

●灰刃ねむみ『足芸少女こむらさん』/誠意…?いずれ、修行展開は新キャラの顔見せのためだったか。

●吉谷幸平『異世界セールスマン世渡さん』/読み切り。こういうメソッドこそが、キャラ萌えで読む作品、なのではなかろうか。

●灰谷音屋『Jinx』/集中連載最終回。アウトローとしてしか生きられぬ者、それでも巡り会えた絆。全編に構成の上手さがあってこその迫力と哀切である。本作も面白かった。ここから続けるとなると、松本大洋の『ZERO』みたいな未来しか見えないのだけども。

石黒正数木曜日のフルット』/野生の勘だか予知能力だか。星新一的SFかもしれん、違うかもしれん。