コミックビーム2018年2月号

●市川ラク『わたし今、トルコです。』/単行本発売記念巻頭カラー、というかカラーで宣伝パート。丸尾末広の表紙絵めくったらこの絵柄という落差、よいな。

→動物パラダイス。体験エピソード重ねて、ラスト1ページにさらっと背景解説のさじ加減。

丸尾末広トミノの地獄』/連載再開、最終章とのこと。再会、嫌な予感しかしないよ。

いましろたかし『新釣れんボーイ』/引っ越し。こっちも伊豆なのか。

三宅乱丈イムリ』/うわ、読んでてまんまと引っかかった(嬉)。物語としてもいい利き。ガラナダの袖で隠す口元に浮かぶ笑みなんて、本当いいところ拾うよね、描いて見せてくれるよね。
/構成面で巧いと思ったのは、(誌面ノドのノンブルでの)12ページ3コマ目。場面としては、こちらに体の正面向けた五人の陣営と背中向けた一人の話し合いで、背中の人物が言葉発した直後。横長コマの右端にて、やや角度ついた正面顔と後頭部で向かい合う二人→その左に、後頭部の人物の方に視線向ける二人→さらにその左に、正面顔の人物の方に視線向ける二人、という図。これはつまり、読者の視界に絵が入るタイムラグと同期して、声をかけた側とかけられた側→声を発した相手側を見る(二人)→声かけられた自陣の側を見る(二人)、という状況が起きているわけだ。瞬間ではなくパンとしての読ませ方をする一コマ。

やまじえびね『みずうみ』(原作:テオドール・シュトルム)/集中新連載。いかにも恋愛古典文学という感触だが、前連載との落差考えるとなかなか。テーマとしては同質なのだろうが。

上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/絵力で笑わせる実直。「知覚の外」で妖怪モチーフなのだから、合ってはいる。

おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/これは自炊にとってはむしろマイナスかもしれんのだよなあ、わりと適当に米炊いてるもので。

●伊図透『銃座のウルナ』/結局逃れられない、という話になってしまうのか。ううむ。

三家本礼『アイアン・ゴーストの少女』/出オチブラフも、この作者ならではの真実味(?)である。

桜玉吉『2017年の暮れ』/読み切り。文春の連載、枠自体をコピーとってるのか。しかもコンビニで。機械オンチはねえ、俺もコンビニバイト時に同僚のおばあさん店員でコピー機も店舗端末も操作一切覚えず他人任せの人いたから、なんかもう頭が拒否してるんだと思うよ。あ、そうだ、ATMで前のババアが操作全然できなくて後ろの行列どんどん伸びてるのに、ふり返って「わからんから手伝ってほしいんやけど、アンタじゃなくて女の人がいい」て言ってきやがったことあったわ、あれよりこのおばあさんの方がずっと健全(?)。

加藤伸吉『永久律動』/読み切り。意外な作家の登場。下北沢を舞台に、相も変わらぬ画力と描写力。混沌を絵にすることで受容する、という表現だよな。

●conix『青高チア部はかわいくない!』/不意討ちのドカベン、は小ネタ。うむ、正直わからん、なのがメインのバストネタ。回をまたいだ&一話中ずっと作業&ディティール解説、で本当にしんどそうな折り鶴ネタ。

唐沢なをき『僕らの蟹工船』(小林多喜二蟹工船』より)/ひっでえなあ、もう(笑)。せんいんのみんなはかにになってしまうのでしょうか。次回最終回。

山川直人『小さな喫茶店』/けもフレネタではない、たぶん。その人が異人に見える、私もまた異人なり。人も替わり場所も変わる、その中でのめぐり会い。マンガ雑誌も似たようなものよ。

イシデ電『猫恋人』/いい話続くけど、前連載読んでるといつ闇が出てくるかという不安がなあ。猫いたら大丈夫かな。

近藤ようこ『蟇の血』(原作 田中貢太郎)/最終回。これぞ昔話的な不条理。おどろおどろしいのう。お疲れ様でした。

●仲能健児『ジムリ』/読み切り。便所と女、エロスとまがまがしさ。

山田参助あれよ星屑』/最終回。そうか、父と息子の人物像がそう並べられるのか。最後の酒はいいですね、男でタナトスでちょっぴりエロスで。いい作品でした。お疲れ様でした、ありがとうございました。

●おくやまゆか『むかしこっぷり』/これもまた「家族」なのだなあ。

カネコアツシ『デスコ』/最終回。その中で生きて死んだ、彼女の物語であったか。山本英夫が『殺し屋1』描く為の取材で会ったマゾヒストから、もっとも望まない瞬間に殺されたい、という話を聞いたそうだが、それに通ずる終わり方でもあるな。お疲れ様でした。




  • 公式ツイッターでも画像あげられてたけど、見開き単行本広告が濃い。

  • 最終回の巻末コメントなのにアシスタントの単行本宣伝に活用する山田参助
  • コマンタレビーマーはのぞき魔侍。(打ち首)
  • 唐沢よしこコラムは杉浦茂ゴジラを読む息子。