週刊少年チャンピオン2017年38号
※先々週号です。
- グラビアはドラマ版弱虫ペダル主演俳優。
●天山まや『おタエさんはきょうもたべたい』/新連載。なんかダークファンタジーっぽい設定。
●浜岡賢次『毎度!浦安鉄筋家族』/小学生による水着&サービス回、と言っていいものか。
●板垣恵介『刃牙道』/決着。人選時に言われてた刃物への耐性って、そういう絵面かよっていう。
●板垣巴留『BEASTARS』/胸元の開いたドレスに、体毛の色分布がこう映える。個人の感情という秘めたる内圧と重みを、システム・属性という形で公然と明かし無力化とはなかなかの策士。善意という“イデオロギー”の無力さ。これもまた、種族と個人という形の対比か。
●森田将文『出陣☆昆虫武将チョウソカベ!』/ここたまハウス…いやいや。犬は『王様日記』からのカメオ出演かね。
●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/いつもと変わらぬメタシュールネタながら、それがキャラに合焦するとなんかこうテックス・アヴェリー感。
●瀬口忍『囚人リク』/連続殴打見開き。いいシーンだけどひどい。
●佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/終わりが必ず来るからこそ、なんだよなあ。
●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/キャラ増えてエスカレートして大騒動、はおもしろいんだけども、こういうシチュエーションになるといよいよ画面構成力がネックになってくる感。
●水島新司『ドカベン ドリームトーナメント編』/「日本最速だあーー!!」と1ページ大ゴマの電光掲示板で次週にヒキ。つまり、作者的にはその“表示”の光景におはなし見れるってことなんだわな。単なる数字、データじゃなく。
●山田胡瓜『AIの遺電子』/ヒロインの涙、ね。この作品ではエピソードの内容により、“悲劇のヒロイン”、“馬鹿な男”といった性的役割(笑)の割り振りのアナクロぶりがかなり露骨である。尿意我慢できずに失禁するヒューマノイドなんて謎設定であっても、おもらしヒロイン萌え~!が第一義なわけでしょ、作者もファンも。で、そんな作者がこれからは「母」を中心に据えたエピソード描くとなると、いやはや。
●福地カミオ『猫神じゃらし!』/飛び道具的にいい話で、これも終わっちゃいそうな…。ひたすらなピュア空間でありながら、構成力による見せ方がやっぱり光る。↑と、涙ぐむ&泣き出すまでの間(ま)の描写読み比べてみてよ、試しにさ。俺はちゃんと集中連載時から、福地カミオについては技巧派作家として評価してるんで。
●掛丸翔『少年ラケット』/未知の強さに出会うのは成長できる喜び。この笑顔に1ページ大ゴマ使えるのが強い。
●石黒正数『木曜日のフルット』/カスタマイズキャラ供養ネタ。“設定”に命なんかねえだろ、と思ってしまう私は今や少数派かしらん。
週刊少年チャンピオン2017年39号
※先週号です。
●板垣巴留『BEASTARS』/ジュノも希望を語る存在ではあるわけで、その共有を目指すからこそ、この立ち位置とそこからの言葉をまとうことになる。一方で、主人公の個人的な、一人だけに向けた告白と決意。その二つは重なりつつも異なるものであり。
●板垣巴留『BEAST COMPLEX』/読み切り。倫理を前提とした上での欲求による研鑽…ポルノみたいなもんかしら、ある意味。
●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/100回記念センターカラー。キャラ大集合回ながらあんまり覚えてねえというか、区別が判然としないというか、まあごめん。希美か変な生き物ぐらいの初期インパクト=スラップスティックとしての疾走は持続しなかったな、と、見ていて個人的には残念さもあったりね。絵下手なのに温泉サービスシーンとか出されてもムカつくだけなんだよこちとら(素)。しかしこの平和オチは豪腕で好き。
●浜岡賢次『毎度!浦安鉄筋家族』/センターカラー扉で巨大ウンコ。
●佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/覚醒、なのか。なんか運命論みたいな展開になりそうだが。
●山田胡瓜『AIの遺電子』/最終回。ラスト4話のこの構成とオチで、今後の長編展開(?)へのシフトに期待できるかと言われてもなあ。アイディアストーリーとして佳品期があったことは認めるが、思索と設定の甘さ薄さ、それに伴い連載が進むにつれ粗が目立った点は否めず。/全話ふり返って矛盾点、もといダブスタ指摘しまくる記事とか書いたら、需要ありますかね?(笑)
●水島新司『ドカベン ドリームトーナメント編』/扉絵めくると主人公が見開きで空振り、いやまあ。過去エピソードというものの手触りはこうでないと、とハリガネあたりと比べて思うわけだが、自分のその感覚がどこに由来するかというと“キャラ”への視線になるんだよな。設定ではなく、フォークロアであれと。
●小沢としお『Gメン』/つらい…。
●森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/くり返しネタなのだけれども、ツッコミ役二人の描写を立ち位置と構図でいちいち見映え工夫する、こういう作家性に弱いわけですね、私は。ダンディ校長。
●福地カミオ『猫神じゃらし!』/2週続けていい話。しんみりからのボケオチには笑ったが。ページ毎のコマの数と大きさと配置で緩急をコントロールするという、これが連載続けてもできない作家はできないんだよ(誰だよ)。
●サイプレス上野・陸井栄史『サウエとラップ~自由形~』/エロスでぶん殴って怨霊バトル決着。お経もラップと似てると言えるかもしれん、違うかもしれん。
●掛丸翔『少年ラケット』/記憶も戻り伏線も回収、と駆け足感がおしいな、しかし。