「プリパラ」127話感想

●いい話だった!話の進行としてはまあ予定調和と言えるわけだが、主眼をそこに置くかと。うまいことやられた。
●脚本担当は中村能子。やはりわたし的にはこの人と土屋理敬がプリパラ脚本の双璧である。今回は顔芸も多めであった。
●序盤、ちりの二面性に対比される“悪役”としてのジャニスの言動。ちりの返答は、(このキャラクターでありながらも)チームの仲間として和解できている、という明言。カッコいい確立ぶり。
●また、ルールを正すことよりも、という物言いは、ガァルマゲドン優勝回と共通のタームでもある。シーズン2は悪役=ルールを変える者、というややもすると単純な構造に結果なってしまったので、この点はおはなしとしていい進歩だと思える。
●加えて、ジャニスの誘い文句を聞いてあきれ顔ののん、さっさと流すウサチャ、という反応がよくて。彼女達の夢の前には、もはやジャニスの企みなど埒外なのである。
●ポイットニー「サンキュー ジャパン!」(歓声)/うん、笑った。
●らぁらの姿が脳裏をよぎるのん、という図示は、つまり彼女の原点はシーズン1の頃から変わらず姉を越えることなのか。そして確かめ合う新しい仲間達。いざ。
●ななみ「きゅぴこ〜ん!」/キュピコン、宇宙へ。まさかの布石。
●縁起物メニュー。教育的だ。(そうか?)ゲップネタは、まあ。(赤ちゃんのゲップは大切、という前提は教育的、たぶん。)
●ジャニスサイド。ここで一度ちりを、ノンシュガーを見限る、というのがポイント。そして彷徨へ。各キャラ顔出しパートなわけだが、ちゃんと反応が(全員が一様に反対でも)描き分けされていて楽しい。ジャニスがひびきと会話した後でこぼす愚痴は、つまりひびきもすでに赦されている存在なんだよな、このプリパラの世界法則において。
●ああ、ちりもウサチャもおバカ世界の住人に…。(これがプリパラだ)
●なぜちゃん子一同はガールズバンド化しているのか。
●ハプニング・笑顔・仲良し。
●ライブへ向かう三人。ここでウサチャがかける、優勝より友情としての達成を目指せ、というのは定型の物言いではあるのだが。今回といいガァルマゲドンの件といい、それを描くにあたってもう一ひねりあるのが上手いんだよな。
●ジャニスの計略。
●ノンシュガーライブ。ここで三人がそれぞれに、今回の冒頭では“悪役”然としていたジャニスから、以前に受けたレッスンを思い出しそれを果たそうとする。その理は人格として認められているわけだ。そして直前の体験を元に、アドリブでメイキングドラマ。感嘆するウサチャ、驚くジャニス、とここは育て上げた二人にとってこその予想外。
●ライブ終了。称賛の光景、て真顔のライオンはずるいだろ。てかなんだよ、真顔のライオンって。
●「すべての力を出しきったウチャ!」と涙しながら拍手するウサチャ。「素晴らしい…」と呆然とした表情から、だんだん笑顔になり、次々称賛の言葉を口にし、全力で拍手するジャニス。涙を浮かべてやさしい笑顔、から自分の目的を思い出しハッとするジャニス。「それでは私は…あの子達の優勝式を邪魔しに?」
●優勝はノンシュガー。ためらい、とどまるジャニス。この辺りの描写とキャラ付けは完全に“母”としてのそれである。土屋脚本回・124話で“娘”(であると同時に女神)としてあったジュルルとは対照的でもある。
●グランプリ参加者一同が集まるステージだが、ライブ中に飛んでいったななみは戻ってきてない。なんつうギャグだ。「ウサチャのおかげだよ!」とお礼を言うノンシュガー三人。
●めが兄ぃアナウンス、ジュリィの声マネも。はいしゃ ふっかつせん(平仮名)。ここでまた姉への問いかけを口にするジャニス。表情は見せずにパクトの外見のみが映り、声色も以前のような批判ではなく困惑・疑問へと変わった印象。
●控え室にきたノンシュガー。祝福の言葉をかけるジャニス、笑顔で喜ぶ三人。“敵対”ではないのだ。タクトは奪えなかった、と固い表情で告げるジャニスに喜ぶちりだが、ジャニスは目的は変わらないと拒絶。別離へ。「みんなでチームですわ!」と叫ぶ、ちりの言葉はいつか届くのだろうか。
●引きは、えー、いるのかその話。(さすがプリパラだ)


来週火曜日朝5時30分からEテレで再放送される「団地ともお」は、「プリパラ」シリーズ構成・土屋理敬の脚本回です。
前半「父さんを召喚するんだともお」(ラスト数十秒はアニメオリジナル)には、土屋脚本における現実と“虚構”を扱う手腕がよくあらわれている、かもしれん。違うかもしれん。(後半「有楽町で会いましょうともお」も好きだ。)