ハルタ 2015-FEBRUARY volume 21

入江亜季乱と灰色の世界』/年越し、旅立ち。靴は置いてゆくのか、その変身が成立する世界と別れるわけか。
●冨明仁『ストラヴァガンツァ 〜異彩の姫〜』/これは人体より亜人種の方がよく効くってことですかね。
福島聡『ローカルワンダーランド』/延々カーチェイスを、車を描き人物を描き図示し。これを面白く読ませるのは構成の賜物。最後まで顔を見せずに墜落オチ、というのは『激突!』パロディですかね、やはり。
九井諒子ダンジョン飯』/幽霊は食えないだろ、と思ったら調理法かよ!供え物ではない、あくまで武器なのだ。短編でたまにあるこの手の落語的オチが好きです、はい。
●犬童千絵『碧いホルスの瞳』/実際に近親婚が前提の世界で、こういう兄妹の「ふれあい」はあったのかしらん。
森薫乙嫁語り』/森薫作品でおっぱいモミモミだと、ただし猫だ。ラストは前回の感想で書いた内容なわけだけど、あれで満足できるのは読者側の聡いわがままではあるのよな、確かに。次回よりパリヤ編……え!?
●木村みなみ『青葉に実る』/読み切り。見つめる、受け入れるのが出会うこと。それがあるぬくもり。淡々と静かさ見せる構成だからこそ、そこに人間味としての機微がのぞく。巧いなー、やっぱり。
●窪中彩乃『華麗なる虚偽』/なるほど、入れ替わりネタね。
八十八良『不死の猟犬』/ベクターと同種ではない、しかしベクターによる殺人は見逃す、て逃がし屋が一番タチ悪くないか。まあ理念としちゃ一貫しているが。
●長蔵ヒロコ『ルドルフ・ターキー』/崖で牛で男たちといえば蒼天航路、いやいや。
●菊池まりこ『カプチーノ』/ラブコメ作品でこの扉絵こんな会話とは、親子の図。みんなが主人公の気持ちを待てる優しい世界で、でもそれ創ったのは主人公自身の優しさでもあるのよな。
●高江洲弥『首花は咲きゆく』/唯一の外出は墓参り、か。アットホームな光景に見えてしまう墓場・光る蝶・歌う生首、てやっぱり変でおもしろい。
樫木祐人ハクメイとミコチ』/コーヒーもう一杯。三人だけに味あわせてきた、姿を見せた付喪神。未練は消えて、残るは自身の味。
近藤聡乃『A子さんの恋人』/前回の続きか。孤立時のA太郎は、なじみのない人前でのU子は、“普段”の曲者臭と異なりこのテンションという人間味。明朝体と白オノマトペが映える。あと一家そろった居間の空間描写のうまさよ。
なかま亜咲健全ロボ ダイミダラーOGS』/前半戦闘、後半ラブコメ。髪型のムチャさで笑わせるってもうベタ、でも好き。
●嵐田佐和子『鋼鉄騎士シュヴァリオン』/我が身を犠牲にし、悪を滅ぼし、さて何が待つ。変身解いたら命危ないんだよね?
宮田紘次『犬神姫にくちづけ』/お姫様が王子様のもとへとたどり着く、キスをして目覚める。
白浜鴎『エニデヴィ』/最終回。仲良くケンカしな、トラブルは続く。まとめてお仕置きは初ですな。お疲れさまでした。
室井大資『秋津』/山口さんおめでとう、というわけで(?)また今回は秋津のひどい名言目白押し。いらか君にも大人の色事はわからないんだよ(癒し)。