アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」5話(後半)

※続き



●346プロ、夜の玄関ホール。暗い。
●事務所、ちひろとプロデューサー。「順調ですか?」「はい。決め事は概ね。」「…あの子達は。」「え?はい」。訝しげな表情と声音がのぞくプロデューサーですが、「頑張ってます」と平板に。ほほ笑むちひろ。「プロデューサーさんにかかっていますからね」とさし出されるドリンク。この場面の最後は、プロデューサー側の反応がぼかし気味。
●時計4時前。
●机上のお菓子とペットボトル。ユニット名を話し合う卯月・凛・未央。飲み物は卯月がミルクティー、凛がコーヒー牛乳、未央がコーラ、たぶん。三人が騒いでるところへ入室してきての、プロデューサーの“きょとん”も珍しい顔である。
●夜。アイディアが出ずうなだれる三人。「よかったら、プロデューサーも考えてくれない?」「お願いします…。」首元をかいて「わかりました」とプロデューサー。
●日中。スタジオで着ぐるみと撮影中の美穂。またたくフラッシュ、笑顔。「メイクさん入りまーす」の声を背負って歩いていく着ぐるみの足元。セット内の椅子に座り、汗を拭き取られる美穂。薄暗い壁の前で、着ぐるみの頭部を外してへたりこむみく・みりあ・莉嘉。
●今日行われる美波達のレコーディングの話題。「プロデューサーに曲欲しいって言いに行くぞ!」と笑顔でガッツポーズの莉嘉、「おー!」と笑顔でこぶしをあげるみりあに、「言っても検討中って言われるのがオチニャ。」と横からみくの声、沈んだ顔。「じゃあどうするの!?」の声に、ハッとして「ふふーん」とニヤつくみく。
●壇上に婦警コスプレアイドル三名、ユッコ、最大巨乳、早苗さん。(※名前確認中。)もとい、裕子・雫・早苗出演の交通安全イベント。お色気ハプニング、そういうのもあるのか。同じく制服着用しつつも、周囲での広報紙配布が役割の李衣菜・智絵里・かな子・きらり・蘭子。
●ソファーで寝ている杏、場面は事務所へ。前の場面から、最後に映った3名のきらり・蘭子・杏が前半の騒動に加わっていない面々。
●話しながら戻って来る交通イベント組。着ぐるみ組3名が机でお絵描き中。CDデビューの希望の形を提示する作戦。
●みくのねこねこ妄想図。かな子、きらりは乗り気に。またお仕事抜け出してダメだぞ、と杏にからむきらり。「グリモワールの封印を解く時!」とカバンからなにやらノート取り出す蘭子が笑っている。みりあのお外の絵かわいい、からの莉嘉のゲリラライブ案。
●レコーディング組、美波が歌の収録中。美波とアナスタシアのユニット名は「ラブライカ」か…。アナスタシアと卯月と未央が談笑する一方で、凛はこぶし握って一心に美波を見つめている。3話のレッスンでの事といい、凛は歌の方で伸びていくんですかね。
●時計4時37分。ジャージ着用中のレコーディング組。ロッカー内からのアングルで、手前に美波、後方に卯月という珍しい構図。卯月の「ライブ、一緒にやるんですよね!」という言葉に、「うん。一緒でよかった。私達だけだったら…」とロッカーを閉める美波、画面は闇に。
●俯瞰、小さく見える各人の表情。「ねぇ?」とつぶやき、アナスタシアの方を向く美波。「うん…」と小さく返すアナスタシアの背中、フォロー入れる未央。オーバーな感情表現を見せない、ラブライカ組の不安がのぞく場面です。
●ここから、3話でライブ前の卯月達が追いつめられる描写に使われた曲の、別アレンジが流れ始める。3話で流れた鍵盤楽器のみの単調なミニマルに、管楽器の静かな旋律が加わり、かわいらしくも切ない。ADVゲームでは定番のこういう音楽演出、私は大好きです。
●事務所組。ロックな夢を語る李衣菜、みくと莉嘉のツッコミ。スケッチブックに描き込みする蘭子は、背後から「らーんちゃん!」ときらりに声をかけられ、あわてて赤面して絵を隠し小声で説明、そういうキャラか!
●で、きらりについては3話感想で、杏や李衣菜という孤立派にあえて声かけしてるんじゃないか、と書きましたが、蘭子にも来たわけですよ。3話で蘭子の高笑いを無言の笑顔で見つめながら「よーし!らんちゃんも一緒に、みんなでハピハピするにぃ!」とか決意してたとしたら、やだ、アニマス春香さん派としてはすっげぇ可愛い娘なんですけど、ねぇ!
●かな子の妄想するクッキー配り、智絵里のささやかで健気な願望。この言葉に重なる、窓際の花のない葉だけの鉢植え。これがサブタイトルの「wallflower」でしょうか。
●レコーディング組。美波に尋ねる凛。「何か、あるの?」「(首を振って)ううん、何も。何もないから、心配なのかな。」「それは、自信とかそういう…。」「うん。私達にはプロデューサーさんが用意してくれた、すてきな曲と衣装しかないでしょ?まだステージに立った事、一度もないし…。」
●歩み寄って、美波の両手を握るアナスタシア。「美波…。」手を握りかえし、笑顔を見せる美波。「しっかりしなきゃね。選ばれたんだから、頑張らなきゃ。」黙って二人を見つめる卯月・未央・凛。深い面持ちになる凛。
●このやりとりは、前半に出た凛のプロデューサーへの質問と同じ構造でもあるわけです。“選ばれた”という事実と、やるべき事、がまず目の前にある。ならば、どう振る舞うか。凛が理由を欲するのは、彼女にとってはアイドルであることが、同時に夢を探す道でもあるからです。1話でプロデューサーに誘われたように。それが他のアイドルと凛の違いです。
●事務所組の様子。寝ている杏を始めに、自由に夢を語り、妄想を膨らませる面々。この辺、デビュー組の“現実”描写との落差は重い。切ない音楽の引き立てる、子供らしい夢のはかなさがありありと。この場面のシメが、きらりと杏の「みんなでハピハピしたいにぃ!杏ちゃんは?」「寝たい」という会話なのも、精一杯現実的な夢と単なる夢、という対比と読めなくもない。
●入室してくるプロデューサー、あわてて背中にお菓子を隠すかな子、おい。「みく達の考えた渾身のデビュー案ニャ!参考にするといいニャ!」と両手で紙の束をさし出すみく、背後に並ぶ一同。「うっ…」と脂汗出して息を飲むプロデューサー。
●ざっと目を通すプロデューサー。「ありがとうございます。検討させていただきます。」の言葉に色めき立つ一同、かわいい。「が、通らないと思ってください。」の言葉にがっくりする一同、かわいい。ちゃんとコミカルな反応で一安心。
●がっかりして卓を囲む一同、きらりは腕置きに着座。「あの感じだと、しばらくデビューはなさそうだね」。ぼやく李衣菜に「えーっ」と叫ぶ莉嘉とみりあ。「レッスンして、お仕事ちゃんとやれば、いつかデビューできるよ。ね?」と話すかな子の手前で、沈痛な表情のみく、膝上で握られたこぶし。立ち上がり叫ぶみく。「みくはあきらめない。こうなったら、ストライキニャ!」なぜ。「おーーっ!?」と起き上がる杏、おい。
●自販機前のレコーディング組。「レッスンお互い頑張ろうね」と美波、「お〜!」と未央、「はい!頑張ります!」と卯月。そこへ、プロデューサーを探して走ってくるかな子。
●喫茶店。入り口に机でバリケード築き、メガホン持って立てこもり中の莉嘉・杏・みく。店の奥に見える菜々の姿、見守る群衆。
●「杏ちゃん!みくちゃん!莉嘉ちゃん!」と呼びかけるきらり。集まってくる面々、ちょっと遅れてかけて来るかな子。「またストライキか」という未央のセリフがわからないんですが、なにか別媒体でのネタあるのかな。亜季と楓の姿、オーダーは菜々に渡すみく。
●美嘉の話を持ち出され、顔引っ込める莉嘉。「みく達のデビューを約束して欲しいニャ!」という叫びに反応するシンデレラプロジェクトメンバー、顔引っ込める杏。息を切らせて走ってくるプロデューサー。
●「みくちゃん、もうやめよう。みんな困ってるよ。」と呼びかける役目はやはりきらり。「デビューの事、プロデューサーさんに相談してみよう?」と叫ぶかな子。よいツートップ。
●メガホンを下ろし、「…したニャ」と口を開くみく。「あっ!」と目を見開くプロデューサー。李衣菜がそれに反応してふり向く、それくらいの大きさの声。言葉を続けるみく。「何度も。でもダメだった。なんで?なんでダメなの?みく達も頑張ってるのになんで?」語尾もつくろえない述懐。
●「シンデレラプロジェクトのオーディション受かって、すごくうれしかった。レッスン頑張って、小さいお仕事も頑張ってやってたら、いつかデビューできるって信じてた。でも、どんどん置いてかれて、ほっとかれて…。何が違うの?もっと頑張ればいいの?もっとってどれくらい?みく、全然わかんない!このままは嫌。みくもアイドルになりたい!デビューしたい!」終盤は慟哭の長台詞に重ねて、メンバーたちの表情。待機組は共感に近い形で受け止め、デビュー組は悲しみの色が濃い模様。杏と莉嘉はややキョトン(映るのセリフ序盤だし)。
●顔を引きしめ、みくに歩み寄るプロデューサー。「すみません!前川さん!」あ、と悲しい顔を見せるも、すぐ涙目でにらみつけるみく。「前川さん。デビューについては、みなさん全員分、考えています!」虚を突かれた表情になる一同に重なる、プロデューサーの必死な説明。こういう声音も初めてですね。「まだ決定ではないので話せませんでしたが」というのもキャラクターではある。まず、嬉しそうな顔に変わるのは卯月。
●腰が抜けるみく。「プロ…デューサー…。なんだ…早く言ってニャ〜。」泣き笑い、語尾復活。安堵の息をつくプロデューサー、一同。
●「若いっていいですよね〜」としみじみする永遠の17歳安部菜々。テーブルでほほ笑む楓・亜季。今回はアニマスの美希回風味というか、プロデューサーふくめ“若さ”の出ている回。で、シンデレラガールズの場合は、周囲に、同僚に先達が、“大人”がいるのだ。
●止め絵で、カフェオーナーに頭を下げるプロデューサー・みく・莉嘉・杏(陰から見てるちひろ)。カフェ内を片づけるプロジェクトメンバー一同。またオーナー&菜々に頭を下げるみく・莉嘉・杏。プロデューサーに付き添われ、部長の前に立つみく・莉嘉・杏。ここの描写好き。
●杏のぞいて笑顔の待機組一同。共感を口にするかな子と李衣菜、謝るみく。そして同じく笑顔のデビュー組一同。「そこの5人!」とかけられる、みくの声。
●笑顔で居並ぶ9人(杏のぞく)。「みく達は、デビューの日まで頑張って力をつけるニャ!だから…ファイトニャ!」顔をほころばせる5人。喜び合うアナスタシアと美波、卯月と凜と未央。“選ばれた”事に、ここで意味が生まれたのだと思います。
●プリント横のPC画面の時刻表示が15:39から15:40に、気づかないわ、一度目の視聴じゃ。プロデューサーの付けた仮称「ニュージェネレーションズ」をユニット名に選ぶ卯月、凜、未央。三人の笑顔からエンディングへ。
●さて、アニマス6話好きな身としては次回に期待でありますが、展開としては今回でやったかもなぁ。