福島鉄平『アマリリス』

2年前に福島鉄平の読み切り『反省してカメダくん』を読んだ際の、私のツイートである。福島鉄平の語りの作法に、山松ゆうきちの「おはなし」の文脈を見たわけである。
で、福島の新刊『アマリリス』を読んだ。ますますもって物語の地平が“民話”である、すげえ。異人の世界と日々、これまでも、これからも在る場のワンショット。絵空事としての人の営みを、体温と内圧もって手渡す為の“お約束”、作法としてのモノ語り、である。通じてキメ絵のたたずまいには、小林まこと「劇画・長谷川伸シリーズ」的な美しさも見ましたな。
アマリリス (ヤングジャンプコミックス) 山松Very Best of Early Years 劇画・長谷川 伸シリーズ 瞼の母 (イブニングKC)
つまり山松の描いた73歳の娼婦の“今風”の翻案が福島の描いたショタ男娼だと。やたらちゅっちゅちゅっちゅしてる福島空間はエロとか甘々とかいうより山松が作中にまんこマーク描きまくるみてえなもんだと。それくらいまでマジで読んじまった私なんですけれども、『スイミング』のかわいい少年マンガぶりも大好きなんです、流れ的に台無しです。
スイミング (ヤングジャンプコミックス)