昨日読ンだ、ドラマの原作にもなっている漫画に出てくる主人公の女の子の顔の、99.9%にほおを赤らめていると思われる斜線が何の意味もなく描かれていて、凄く気になった。最近、この表現、凄く気になるンだよね。あまりにも安直な表情作りで。画力不足=頬の斜線の多用。(小池 一夫)
- 『ドロイどん』セブンネット通販特典ペーパーより。
右側のニッ!といった感の顔では規則的に縦線が並べて描かれる一方、左側のわーい!という感の顔ではギザギザ線まで入り交じって描かれ、破調しています。これは質感や色調の表現というよりは、キャラの感情にリンクした漫符に近い表現であろうと。
くわえて私が連想したのは、BSマンガ夜話『無用ノ介』回で夏目房之介が実演して描いた、それこそ小池一夫のストーリーテリングとリンクする形で“リアル”へと向かう以前の劇画に見られたという、ズボンをマジックでギザギザ線描いて塗りつぶす描法です。現実的ではない、しかし創作としての表現。
越智善彦の描く頬の斜線には入りと抜きがある、タッチが見られますもの、それは味ですよ。(※ファン補正)
漫棚通信氏もこれに言及するツイートをされてまして、「漫棚通信ブログ版」での9年半ほど前に言及された記事では、みなもと太郎氏が描き手側の視点からコメントを残されています。「擬似手描きふう」の効果、とひとことで言い表されたらひれ伏すしかありませんな、へへー。
まああれだ、顔の斜線ふくめ、越智善彦『ドロイどん』の手描きタッチをみんなで読み味わおう!(※ファン暴論)