越智善彦『ドロイどん』37〜40話

(※36話の切り抜きは見つからず。)



(『ドロイどん』37話より)
ひなたちゃんがドロイどんに、はずれた頭を装着させる様子描いた四コマ。
一コマ目、走るひなたの姿。白い背景で全体像を横から。この体勢もユーモラスなんだけど、下に棒のような影。
二コマ目、アングルが90度回転して振りかぶるひなたとドロイどんを正面から。両者ともコマの外まで体はみ出してます、アップです。背景のタテ線はひなたの動作の方向ですね、振り下ろす。
三コマ目、飛びついたひなたと飛びつかれたドロイどんを俯瞰から。これは瞬間をあらわした止め絵です。「がポッ」。影がカケアミで描かれてます、いいアングルです。
最後に頭を装着されたドロイどんをアップ。「ピ」というこの音が反応ですね、声で動作です。それが集中線で強調されてます。



(『ドロイどん』38話より)
暗い部屋に逆光でさすお嬢ちゃんの影、そこにはドロイド装飾品がいろいろ。
ベタやカケアミやトーンやディテール、というこの絵柄が好きです。で、構図も上手い。タテ長コマで俯瞰→枠線なしで真横から、ブツを手前に→コマ右端にいるキャラの視線上に、位置としては奥にあたるブツを俯瞰で。



(『ドロイどん』39話より)
39話一コマ目、タテ長コマをぶちぬきで描かれるのは、縁日の光景を鳥瞰で。鳥居、石畳、屋台、モブ。ちゃんと主人公達の姿もまぎれてます。



(『ドロイどん』40話より)
鉄砲的なものを撃ちだすドロイどんを物陰に連れ込むひなた。1ページ四段構成の最下段、左端から三コマ。
一コマ目は俯瞰で、右上から右下方向へ、読者の視線の流れに沿ってひなたがドロイどんを屋台裏へと押して行く。
二コマ目、「ポヒポヒポヒ」と回転銃乱射するドロイどんと、押すひなた、舞う玉を横から。撃つ方向、視線の先のコマ左側には草むら。
そして三コマ目、コマ上部を占めるオノマトペ「ポココンコンペコココココン」。草むらに漫符が舞う。これはなにかある!な絵。



絵も構成も魅力的。越智善彦『ドロイどん』、今月単行本発売!