「アイドルマスター」23話、他

●はい。重い回です。
●廊下はスキップ、出口では小走りと、楽しげに急いでいる春香。
●看板、ラジオ、雑誌表紙とグラビア、広告車、オーロラビジョン、店頭テレビ中のCM、と765プロの活躍ぶり。12人全員出てます。カップラーメンをフォークで食す貴音は、うん、ありだね。
●やよいは前屈かわいい。
●ライブ練習初日、そろわないメンバー。この時の春香は、がっかりしたのを表に出しています。音楽も明るげ。
●サブタイトル表記、予告では白以外に三色使われてましたが、ここでは黄色のみ。
●事務所にて、忙しそうに電話している小鳥さん。「ただいま〜」と入ってくる春香にも気づかないという、14話冒頭との対比ですね。
●社長の習字「繋」。と書いて気づいたが、24話には習字は出てこないのか。そもそも事務所が、ラストでのみ出てくるのか。
●春香の事務所への思い入れ。同時に、他のアイドルは来ていない、ということも知る。
●プロデューサー登場。このなにげないやりとりも結末知っていると、ぐうう。
●「今年最初のライブですから、絶対成功させないと」「大変だけど、全員で力を合わせればきっとすばらしいライブになるはずだ」と、プロデューサーも春香同様、ライブと団結への思い入れは強い。最終回での呼びかけにも象徴されてますが。
●ここ、どうなんだろうな。ここから次回以降、プロデューサーの想いを受け継いで、みたいな展開になったらダメなんだけれど(各自の想いが自発的に重なるのが重要なので)、春香が24話で暴走する前に思い出しているのはプロデューサーのことなんですよね。
●ここでも「みんなで成功させましょう、プロデューサーさん!」と立ち上がった春香は、プロデューサーの言葉をほぼくり返す形で、765プロメンバーをレッスンに誘っています。24話後半の展開を知っているとまだ気が急いている、自分の核を見出だせてない状況とも映るわけです。
●レッスンへの呼びかけ描写。対面→電話→メール一斉送信。
●スタッフの誘いを断り、駅の階段を一段飛ばしであがってレッスンへ急ぐ春香。
●レッスンに集まれないメンバーが半分以上。自分の頭を軽くこづいて、空気を明るくしようと発言する春香。変わる雰囲気。それでもしゃがんで寂しげな表情を浮かべる春香に、気づいた千早も悲しげな顔。
●春香と千早の会話。ここも22話と対になる形ですね。レッスンの時間を取るため無理をしている春香に、ため息をつく千早→明るく振る舞い続ける春香に、思案して決意の表情で、海外レコーディングの延期を言い出す千早→首を振り、驚いた顔の春香「ダメだよ千早ちゃん行かなきゃ」、同じく驚いた顔の千早「春香…」→春香の説得。22話同様、双方笑顔で会話は終わりますが、春香の言葉の端には残念な気持ちが、千早の声音にはつくろった感が残ります。
●歩き去った春香と千早から、画面がぼやけて切り替わるのは部屋の中の春香の背中。パソコンで5人でのレッスン映像を見ながら、あからさまに悲しげな表情を浮かべています。本心はこちらです。
●春香の送信するメールの文面のナレーション。これが先ほどの表情とはうって変わって明るい声、というのが切ない。
●同じ現場に参加するも、時間の都合で練習できないことを謝罪する仲間たち。真美かわいい。全体練習の中止を告げる律子の電話と重なる空のスタジオの絵も、春香の反応が一切描写されないのがなあ。
●事務所に戻ってくる春香。小鳥に声をかけられてからやっと挨拶します、無表情です。しかし、電話中のプロデューサーの「みんなで作る765プロのライブなんですよ」という声に、はっ、と息を飲みます。事務所を出て、頭をこづき、両腕をぐっと胸の前に構えて、ようやく浮かぶ笑顔。
●CM。この回に、劇場版のライブシーンのCMはさまれるのは、ねぇ。
●現場で春香に、レッスンの欠席を謝る真。この時点で春香は「大丈夫だってば。その話、昨日もずーっと電話で聞いたし」と発言していますが、24話になるとみんなの謝罪も対面や電話ではできず、メールになってしまうわけですね。
●雪歩と真をライブ練習に誘う春香ですが、真から「今日の生放送を重点的にやろうよ」「今のこの瞬間を頑張ろうよ」といさめられます。春香の無表情のアップ。撮影後、成果に大喜びの雪歩を受け止めつつも、こっそり不安げな表情を浮かべます。
●全員参加番組である「生っすか!サンデー」の終了。22話で春香の言っていた「最近は(みんなと)日曜日にしか顔をあわせない」、その時の終わり。仲間たちの、最後まで頑張ろう、という奮起ムードの中、律子の「最終回まで楽しく、おもしろく、ね?」という呼びかけに手を握りしめ、しぼり出すように一人遅れて「はい」と返事をする春香。表情は口元しか映らない。これはたとえば、14話での返事とは対極的です。
●化粧台に伏せ、落ち込む春香。律子に「大丈夫、春香?」と声をかけられ顔をあげますが、まだ寂しげです。その様子を見た律子は一瞬目を閉じ、明るく声を切り替えて、ミュージカルのスケジュールを渡します。ライブ練習と時間が重なることに困惑する春香を、「春香と美希にとってとても大切な経験になるわ。ライブとどっちが重要、とかじゃないのよ」と説得。前半で春香が千早にかけたのと同じ言葉です。春香はここではっきりつらそうな表情で律子を見上げ、ただ顔を伏せます。
●春香と美希、ミュージカルの練習風景。「一緒に頑張ろうね」と言う春香を「それは嫌なの」ときっぱり拒絶する美希。仲間内で競い合う関係なのです、すでに。悲しげに美希を見つめる春香。
●一人“とぼとぼと”歩く春香。この歩き方の描写がここまでとは歴然と違う。回想。立ちつくす。
●事務所のドアを開けても中には入らず、社長からプロデューサーが不在と聞くと、そのまま立ち去る春香。
●ミュージカル現場。不調な春香と光の中の美希。
●プロデューサー登場。春香を心配げに見つめて話を引き出します。社長、ちゃんと伝達してくれてたんですね。
●春香は「あの…私…」と話し出そうとしますが、美希が横入りしてプロデューサーになつき出します。お邪魔虫なの!というのはありますが、ただ美希はこうして無邪気に、アイドルとして邁進できる才能なんだよな、春香とは異なり。笑顔で「頑張ってるよ」と公言できる美希は“正しい”。だからこそ、24話で千早も「今なら間に合うかもしれない。でもそれが正しいことなのか」と悩むわけです。
●悲しげに目を閉じ、開く春香。「いえ、いいんです」と立ち上がり、頭をこづきます。これまでの二回のこづきはライブ練習に向けて、“みんなで頑張る”ための鼓舞でした。しかし今、その時と光景は失われています。「なんでもありません、いいんです」と言う春香のそれは、単なる虚勢です。明るさへ向かう鼓舞の印であったそれは、完全に反転してしまった。
●暗転。インストゥルメンタルED。
●ここで、ついに泣くんだよな。
●「第二十四話、夢。」



…というわけで全話中、最も重い回の感想なわけですが。ここから続く24話、25話、特別編については俺、1月に再放送された時に感想書いたし、あらためてここで書く必要もないかなーって。後味はよくないな、うん、どうしよう。また書くのか。いっそ今後は書いてない1〜4話、6話〜11話の感想書こうかしら。どうしよう。
さておき、NHK15日朝の『団地ともお』再放送は、アニマス7話やよい、9話亜美真美、18話律子、20話約束、24話夢の担当でもある土屋理敬の脚本回でした。4月からの新作放送に向け、最後の再放送で最も泣ける回として評判の「幼なじみは元気かいともお」出してきやがったぜこの野郎ぐすん。これ原作からのアレンジ込みで本当にすばらしいんで、やっぱり見事だなあ、土屋理敬。二年目でマイベスト「以下の質問に答えなよともお」も書いてほしいものです。