Fellows! volume 24

●若槻久美子『カバー・ストーリー』/水着と普段着のギャップ、なのだけれど、むしろ普段着の方がよくないか。この配達員さんとかエロスじゃないか。スカート下にジャージとか萌えないか。きりっ。
●夏本満『保健室の黒便り』/新連載。ファンタジー要素入りましたが、これまでの短編でも見せてきたふれあいの情景、人の優しさは健在ですな。好きな世界観。
中村哲也『魔街の坂』/三回連載の第一話。派手な魔法武器で怪物と戦う、というわけでライトなファンタジー要素強め。子供たちがかわいい。/柱に宣伝出てますが、『ドラゴンステーキ!』よかったですよ。コミカルでラブなファンタジーとして、楽しく読めました。しかしなぜ、ビームコミックスでなくテックジャイアンレーベルから出たのか…。*1
●冨明仁『ストラヴァガンツァ〜異彩の姫〜』/えー!?なんという前フリ…いや、読み切りが前フリになるのか?びっくりした。これ併存させていけたら、すごいよ。
●原鮎美『石精綺麗譚』/新連載。ファンタジー。生物を石にする怪物が、また生活必需品の原料でもある世界。
●佐野菜美『坂本ですが?』/そういえば主人公は、読み切り当初から人助けの人なのだった。ちょっと見誤っていた。
●渡邉紗代『野の鍵』/読み切り。メルヘン設定に対するノリツッコミとでもいいましょうか。最後は現実的…もとい夢楽しんだリア充勝利やね、うん。
入江亜季乱と灰色の世界』/緊迫展開ですが、やはり見るべきは日比だろう、ここは。動物衆ってのもまたえらいビジュアルになりそう。
笠井スイジゼル・アラン』/サーカスの異人、ですか。ここでは流れ者という脈絡ですが、鈴木健也にも『ジゼルとエステル』という短編ありましたな。頑張る子供というと、この作品ではジゼルの苦い体験が重なるわけですが、さて。
樫木祐人『こびと日和』/なんというおっさんホイホイ。え、だってさあ、食い物の絵にこんだけ画力注ぎ込んでさ、酒杯傾けてさ、出てくる食いもんの名がゴマ味噌だ酢ダコだ押し寿司だ、粕汁だあなめろうだあ酒蒸しだあ、舟歌唄ってほら貝吹いて港の遠景エンヤートット!だめだたまらんつばがでる(※実話)。なんだこの夢の国。/しかもこれら要素を、「市場に買い物に来て、なくした財布探し回る」エピソード全体に、うまーくまんべんなく散らして見せてくれるわけですね。ミチコの反物への思い入れとか光で切り取られた木の話だって好きなのよ、いいのよ。いやもう今回はデレるしかない。大好きだわ。
長崎ライチふうらい姉妹』/扉絵で思ったが、考えたらヨーヨーとゴム付き水風船て別物だよな。お客さんに品物すすめる話がほほえましい、姉なりの愛情を引き出す点目。
●空木哲生『鴨の水かき』/新連載。雑誌デザイン事務所が舞台の職業モノ、なのですが、絵柄や描写の愛らしさが物語に日常味と生活臭与えている。くすっと笑えるやりとりがうまいよ。冒頭回としてのキャラクターの見せ方も、そのあたりで成功。/正直予告見た時は「職業モノ?」と不安を感じましたが、失礼、杞憂でした。呼吸と体温が見えるドラマ。
森薫乙嫁語り』/コメディやないか。しかも全力で小物描き込まれた。結婚式で歌って踊って、つーと『エマ』最終回がだぶっちゃいますねぇ、クスン。
睦月のぞみ『兎の角』/天沢さんの覚悟の行動はすごくいい場面のはずなのに、全然描写さいてもらえない所がむしろこの作品のよさだと思うんだ僕ぁ。
●高江洲弥『のぞき穴』/読み切り。これはいいエロス、そしてタナトス。ユーモラスであり、ゾッとくる。絵柄が映えますなあ。
●高田築『補助隊モズクス』/今回もすばらしい。場面ごとに魅せまくる視線あやつるこの構成力。一気にぐいぐい読ませつつ、タンカきる山場ではきっちり留まらせ、うるっときたし実際。式神の設定もさらっと、しっかり読ませます。/読み返すと、ぬいぐるみはそうか。切り落とされた首同様にきいてんなあ。
大武政夫ヒナまつり』/子供は馬鹿でほほえましい…いや、大人が悪いんだけどさ。
なかま亜咲健全ロボ ダイミダラー』/主人公完全に寝返っとるがな。ていうか主人公側と悪役側の描写が完全に逆やがな。思いきり間違えながら見せる最高の盛り上がり。
高橋拡那『しらまり 〜白瀬マリ伝説〜』/『リアル麻雀アドベンチャー 海へ』オマージュですね、違います。うん、まあ、らしくていいんじゃないすか。こういうのはこうでないとね。(AmazonでAKBゲームのレビューを見ながら。)
室井大資『秋津』/仕事編、もとい修羅場編。『ブラック・ジャック創作秘話』では寓話化され、『編集王』でも天才作家の話として語られてますが、現実はね…。笑ったけど痛い、けど笑うしかないよもう!パソコン切れて意識飛ぶ&戻る絵が好きです。/単行本1巻、10月発売とのこと。
福島聡星屑ニーナ』/ああサブタイトルが!というわけで内容的には(実際出てくるけど)『八福神』ムードですな。ポポもこんな顔を見せるようになったか。一方で「これが人類だ」は、この作品でなければ出せなかった場面でもある。/しかし宇宙雷魚最初の一匹を倒したら、そこから始まったともいえるこの物語はどうなるのか?というところで次号休載とのこと。くっ。
●大窪晶与『みそぎそ』/読み切り。とにかく構成うまいんで引き込まれちゃう。/記憶探る場面のこれは、絵コンテ?ハガレンのフィルムみたいで、ちょっとおもしろい。
●紗久楽さわ『かぶき伊佐』/おつみの半生。残酷さふくめて、一つの美であり。
丸山薫『事件記者トトコ!』/主人公強ぇ!こういうノリができる作品は好きです。
長崎ライチふうらい姉妹』/ちっくしょう、温めすぎだろ、お面編。通しで笑ったわよ。
八十八良『ウワガキ』/最終回。なるほど、そういうオチだったか。ちゃんとハッピーエンドになりましたな、お見事。お疲れさまでした。
天乃タカ『ましまろ文學ガール』/一挙二話掲載。血縁の秘密か。世界観としては醍醐味じゃのう。


  • Fellows!Q」は9月発売の3号目で終了。2013年2月より、本誌を年10回発行(隔月6回+季刊4回、ですね)に変更とのこと。

※で、まあその告知中でも「Fellows!Q」発売が延期された件についての謝罪や釈明は一言もないし、Q執筆作家陣も延期についてはおしなべて口つぐんでたし、本当にその辺のなあなあさは気持ち悪くて、メディアブランドとしては到底信用できない「Fellows!」を俺は、ね。

*1:同じ日に出た、同じく同人誌をまとめた越智善彦マリエリ最新刊みたく、マジキューレーベルでよかったんじゃね?だって、奥付けの担当編集者まで同じなんだもん…。