fellows! volume 15
●前号より約200ページ減。とはいえ、900ページ超えなわけですが。
- 長野香子『カバー・ストーリー』/好きだなーこれ。衝動と静謐。冬の熱。
- 大武政夫『ヒナまつり』/変な顔で笑わせるとか古典かよ!なんだけど、そこが武器、でもある。
- 高橋那津子『白獅子の子供たち』/あら、いきなり時間とんだな。こいつらの成長譚メインってわけでもないのか。
- 紗久楽さわ『かぶき伊左』/わりと暗い現実、時代背景絡めてきましたね。でも舞台上は非現実、て割り切りも、それはそれで筋だし美学だとは思う。
- 森薫『乙嫁語り』/食い物絵祭り。調理法やコメント交え、どれも美味そうだ。/『アジアめし』の深谷陽もいいよ!山松ゆうきち『インドへ馬鹿がやって来た』は、メシまずいメシまずい、言ってばっかりだよ!
- 福島聡『星屑ニーナ』/見てないけど『ソーシャル・ネットワーク』って映画、こんな話?/いや今回の話はいいね、マジさ見せてきたサブタイトル含め。最後の謝礼がなんとも粋だ。
- 安住だいち『最愛の隣の悪夢』/新連載。お隣さん、ですか。その設定で話からめるのは、今回みたく実害レベルになっちゃうんじゃ…。
- 佐野菜見『テイラーズ・ハウス』/読み切り。『王様物語』と『アナモルフォシスの冥獣』連想しちゃったのは間違い、なんだろうな。
- 長澤真『瑪瑙之竜』/その「顔の上半分だけ影」な描写は、一体どうなってるんだ&意味あるのか。
- 睦月のぞみ『兎の角』/バカップルですね、わかります。いやもうなんか、いっそすがすがしいわコレ(笑)。
- 長崎ライチ『ふうらい姉妹』/斜井田さんのひどい考えに全俺が泣いた。←初めてこの表現使いたい気分になった、そんな類いの衝撃を受けた。/ていうか斜井田さん、まともになってきてるし…。やっぱり話進めるためには両方がパープーだと、はっ、僕は今ひどい事を。
- 笠井スイ『ジゼル・アラン』/お、いいネタ、いい着地。やっぱりこの地平はこうでないと。しかしサブタイトルはよくわからん。
- 雨隠ギド『恋煩いフリークス』/なんか読んでてこう、キュンとくる“瞬間”は間違いなくあるのよね。逢坂みえこ的とでも申しましょうか。
- 福島久美子『水晶石の森』/うさぎとカメムシ、てこれだけ引っ張って駄洒落&夢オチかよ!でもこの夢は悪くない、うん。
- なかま亜咲『健全ロボ ダイミダラー』/「死亡速度計測(デッドドライブ)だよ つまり人体実験(モルモット)さ」(BGM:Visionary Community)は名言。/自作コラボ、みたいですね。知らなくてもこういうノリは、存外楽しいもんです。
- しおやてるこ『たまりば』/うさぎとキツネ…負けじといいな(蛇虎に)。/サチさん…女だな。うん、女だ、女の描く。この少女&女性は、入江喜和描くところのやすこさん&ユカさんだ!(と、単行本読んだばかりなんで連想する単純な僕は男。)
- 冨明仁『玲瓏館健在なりや』/綾乃さん前回のでなげっぱなしかーい!今回の寮監さんは、メリハリきいたよい立ち回り。
- 原鮎美『ピーチ・オン・ザ・ビーチ』/その返答は酷(こく)すぎるだろ…。/両手でほお杖、むくれ顔のヒロインが、初めてかわいく思えた。
- 八十八良『ウワガキ』/最初から実らぬ恋だった&その手があるとは。この展開には素直に感心。しかし、最強の片思い、とか想像してみると怖いぞ。/それにしても、今回のニーナ、たまりばとコレ、見事に三者三様ですな。
- 高田築『野ばら』/ひさびさ、というか連載開始以来2度目となる純粋ダークな回。『ブラステッド』『蝋燭姫』が終わっちゃったのもあり、このバイオレンスは締まりますな。やっぱりおもしろいわ、この描き手。/掲載誌が区切りの15号目ってことで、ラストはFellows!1号掲載『探偵真木』へのオマージュですな、多分ちがう。しょんぼり。
- 薮内貴広『In Wonderland』/好きな本は人にすすめたいのだ。読まれてほしいのだ!
- 佐野絵里子『為朝二十八記』/最終回。考えたら、単発でのビーム増刊扱い時から続く最長連載、でしたね。伝奇でも歴史物でもなく、昔話的エンド。幸せにくらしましたとさ、ですな。
- 久慈光久『狼の口〜ヴォルフスムント〜』/伝承編。実際こういうパターンの話って、万国共通のもんなのかねぇ。私が印象残ってるのは、矢口高雄が『蛍雪時代』で描いた、地元の伝承。
- 空木哲生『西岸の海戦』/読み切りアクション、後編。うーん、リズムはいいけど、スピード見せるのは絵柄的にちょっと、というところか。画面構成ふくめ、魅力感じさせられる絵なんで、いろいろと描いてみてほしい。ドラマもまたぜひ!
- まさひこ『グルタ島日記 電光オルゴール創作人フゥ』/最終回。これもまた、よい終わり方見せてくれましたね。歩み続けて来た人、だからこその幸せ。何よりです。
- 丸山薫『ストレニュアス・ライフ』/鷹匠スターシリーズ!(C)くじら/こういう異物の入れ方・見せ方がうまいんだ、この作品。そこがいい。あ、あともちろん眼鏡OLさんかわいい。そこもいい。
●雛祭りイラスト特集あり、なんですが、「雛祭りのイラスト」と「『ヒナまつり』のイラスト」がごっちゃに。/「雛祭り絵」では、高橋那津子の幼なじみににんまり、長澤真のニスかわいー、冨明仁の巨大ロボはっちゃけてて好き、長崎ライチのノンけまりくるっとる(笑)、福島聡の色気にゾクリ、犬童千絵はずるいけどやっぱいいなぁ、宮田紘次はこのこのいーねいーねー!/『ヒナまつり』絵は、雁須磨子は描いた事実にまずビビるわ、しおやてるこの美和パイ浮遊にほのぼの、原鮎美の揃えぶりに笑う。
●うーん。今号は明らかに、“減ページ”の影響が見てとれるのが残念。/というわけで次号は、「あなたの、想像の限界を超える、誌上最高のボリューム」だそうです。てか“誌上”って…本誌史上、てことだよ多分!