ここ数日かけて、ちょっとずつ読んだマンガ

いいですな、入江喜和『杯気分!肴姫』新装版。
(「はいきぶん!さかなひめ」って読むんだよ!)

杯気分!肴姫 一杯目 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

杯気分!肴姫 一杯目 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

居酒屋を舞台とした、いわば下町人情モノ。単行本一冊400ページちょいの中に、一話完結の16ページショートがみっちり詰まっております。こいつぁ味わい深い。じーっくり、のんびりとつき合いたい作品であります。



現在「BE・LOVE」で連載中の『おかめ日和』で入江喜和を知り、こういう作風の人なのか、と『のんちゃんのり弁』、『昭和の男』、『ちゃらっぽこ幽霊』(ビーム短編傑作選 奥村編集長セレクション マンゴー編 (BEAM COMIX)所収)まで手伸ばしてみたら、わりと重い部分も描かれてる作風で正直面食らった、という人でも、こちらはほのぼのと楽しめること請け合いです。てか、俺がそうです。なんかすいません。(弁解になりますが、今はそっちのテイストも好きよ?)
あと『おかめ』同様、出てくる料理がみな旨そう*1。絵的にはそれほどでも、なのですが、ここで描かれる世界の中にあるべきモノとして、物語をまとった存在として、実にいいんです。



ビームコミックスレーベルとしては、こちらも新装版として出された“田舎のおはなし”『利平さんとこのおばあちゃん』利平さんとこのおばあちゃん 上 (ビームコミックス)が好きだった人にオススメです。とか思ってたら、新装版『利平さん〜』を担当したフリー編集者・本気鈴さんも関心空間内ブログで称賛されてました。ですよねぇ。
深夜食堂』が、あれだけ凝った装丁と販促をされ、実際に支持を得ている今現在。『利平さん〜』も今掲載されていれば、ちゃんと単行本化してもらえたんじゃないか、多くの人々に読まれたんじゃないかと、わしゃあ思うんじゃがのー。早すぎた名作じゃったんかのー。



あと、新装版『肴姫』担当のコミックビーム編集長・奥村氏の手がけた単行本の中では何が近いかなー、と考えたところ、『ヒゲとボインヒゲとボイン (ビームコミックス)が浮かんで消えなくなっちゃった(汗)。
まあ後味は遠からじかも、と思ってしまう、僕29歳男性。

*1:実際、作者の家庭は居酒屋を営んでいたそうです。