週刊少年チャンピオン2018年51号

板垣巴留BEASTARS』/ジジイかっけえ…。この祖父にしてこの孫ありでしたか。じいちゃんの理屈はもっともで、例えば、いわゆるトロフィーヒロイン描ける力量の作家がいないだけの誌面を、ジェンダー的に進んだ少年マンガ誌!と強弁するとかどんなギャグだよっつうね(何の話だ)。

桜井のりお『ロロッロ!』/めんどくさいオタクの自意識なあ。本屋で働きつつ二次創作しながら『重版出来!』に敵意燃やしてるのとか、私達が吸死をホモ消費するのは正義だが販売側がそういうプロモするのは許せん!なのとか、コミケ佐渡川準に土下座したのを武勇伝気取りで言ってるのとか?一般人をチンパンジーと聞き違えるのはわりと絶妙なネタでは。あと、ふしぎ研究部とギャルキャラの登場かぶってるけどこっちが上ですね(素)。

板垣恵介『バキ道』/解説役が光成と護衛だけでは荷が重そう。また休載か。

夢枕獏(原案:板垣恵介、挿絵:藤田勇利亜)『ゆうえんち-バキ外伝-』/天井貼りつき。強いのか、それ。

●中村勇志『六道の悪女たち』/見開きでひさびさにヒロイン登場、なんて絵面だ。梅澤春人の『BOY』も金属バット片手に熊またがってたけど、ある意味近い世界なのかもしれん。『ももえのひっぷ』最終巻みたいな単行本表紙きたりして。
ももえのひっぷ 4
●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/一コマ、くり返し、メタ、とよいテンポで。

●瀬口忍『ボスレノマ~「囚人リク」外伝~』/結果で力量を示す、いい見開きだな。リクと出会った後だと、もう少し情け見せそうな気もするが。

平川哲弘『ヒマワリ』/作中最大級の急転からさてその後は、と思ったら時間とばすんかい。いやまあ、内面の葛藤とかちまちま描く作風じゃないからこれで正解かも知れんけどさ。作品支持層にとってはこれが、テンポいい!上手い!だったりするのかな。誰かわからないってギャグは、キャラの顔が似たようなのばかりだから、というメタネタだったりしないか。

●村岡ユウ『もういっぽん!』/自然に乱取り出るのがこいつらならではの日常。割って入ろうとしてた早苗とかほめられてうかれる南雲とか、こういうのぞかせ方が描写の妙よ。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/前回からの落差で思うに、ナギリが割と人の役に立ててるのは能力の単純さ故でもあるよな。あと、考えてみたら『団地ともお』作中作「スポーツ大佐」の作り手の存在を一切匂わせない構成すげえ特異だよな、と思った。

●灰谷音屋『ジュニオール』/超技能なれど不慣れな二人で、物語としての展開も作るわけか。対する“自由”の発揮しどころか。/あと、1巻読み返して設定忘れてたのに気づく。以前書いた初戦云々の感想はこっちの勘違いです、すいません。

増田英二『週刊少年ハチ』/そういう結果かあ。まあ賞とるにせよ編集つくにせよ、掲載されない内は始まってもいないとは言えるわけで。(コミックビームだって新人賞あたえるだけなら、石黒正数とか三島衛里子とかいてですね…。)柴田ヨクサルの場合は、編集から新人賞もらうか即連載するか選ぶよう言われて、即断で『谷仮面』始めたそうだが。次回最終回。もうちょっと尺あったら落選展開もあったかな、と思わんでもない。


  • レジェンド作品は『エコエコアザラク』『学校怪談』。後者の紹介文は、もうちょっとこう、作者について触れるとかさあ。
  • 85年チャンピオン書影は『Let'sダチ公』。現コミックビーム編集総長・奥村氏の初担当作品、だったはず。
  • 編集後記、10年ぶりに頭金髪にして娘が口きいてくれなくなった来年40の編集者って…。