週刊少年チャンピオン2018年47号

●村岡ユウ『もういっぽん!』/新連載。「アチぃね~」から始まる最大トーナメント、ではなく女子柔道部マンガ。攻防の描写がさすが。構図・姿勢・見開き中でのコマの位置取りにより、スムーズに読ませるコマと視線の流れを留めるコマを使い分け、コマ内で描く動作の速度・範囲とリンクさせる。断ち切り・動線・キャラのポニーテールにより上段コマ左から折り返す読者の視線を誘導する。ポーズのサンプリングではなく、動きの読ませ方が構成されている。

→メイン四人の少女の性格もきっちり描き分けられて、いいスタートではないだろうか。朴訥な実力行使キャラというのもアレだが、見る分には。

夢枕獏(原案:板垣恵介、挿絵:藤田勇利亜)『ゆうえんち-バキ外伝-』/本編とそこまで時間軸重なってるのか。本編の時間が進まないというのもあるが。

板垣恵介『バキ道』/バーベルと相撲。ほうきとプロレスとの対比でもなかろうが、最大トーナメントでは相見えていたそれらを思うに。

●瀬口忍『ボスレノマ~「囚人リク」外伝~』/個人の力では劣るか。ここで数に頼ったことが、結果的にはリクと会った時のすさみぶりにまで通ずると思うとね。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/しょうもない自滅ネタには弱い…。

渡辺航弱虫ペダル』/幸や不幸はもういい、どちらにも等しく価値がある、みたいな。この発想はレースにおいての真波の生命観からもきてるのだろうけど。

安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』/最後まで校舎内にて話展開したら背景のパースいちいち狂いまくってて(妄想内でも)、そりゃ基本的に広さも構造も位置関係も不明な離れた建物という謎空間を舞台にするよね、と。

佐藤健太郎魔法少女サイト』/ハリガネロスなみなさんの心を埋めあわせる展開。たぶん。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/子供の妄想からの、現実オチなのかこれ。欄外の注ネタは、いやまあ…。

板垣巴留BEASTARS』/すわ、チェ・ゼブラか!(真・異種格闘大戦)と思ったら、ケレン味あふれる変装で世直し行脚とは。本人も楽しんでそうだな、これ。まだ社会人編始まったばかりだが、学園内から一転して草食&メスの立場の弱さが強調される描写続くのは残酷にも見える。以前のストリッパーの話もそれ前提だしな。

桜井のりお『ロロッロ!』/脱ぐなら男女平等ってことで、ええ。本命の反応…。イチカに刺さってる矢?は何。

平川哲弘『ヒマワリ』/ナンシー関も某アイドルグループについて、6人中歌の上手いのは2人だったのに片方がオートレーサーになってしまった、と書いてたけど、まあ大丈夫だったし。

西修『魔入りました!入間くん』/悪魔は自分の欲が第一、と述べた上でのこれだから、ギャラリーの薄っぺらさも一貫性ではある。あと「固く守られてる」なら“弱点”とは呼ばんのでは。

●中村勇志『六道の悪女たち』/まあそうくるよね。普通に強くなっちゃうのか。

●いづみかつき『鬼のようなラブコメ』/主人公カップルはイノセントで、周囲ができた友人という構造。

●灰谷音屋『ジュニオール』/ルーキーへの期待、にしても露骨な扱いの差。失望の代償は大きい。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/ジョンとやさしい世界(前半は)。こうして見ると、最近のノリはリアクション芸のインフレが自分的にはきつかったんだなー、と。半田父母の善性がまぶしい。なんか最近シリアス要素ちらついてるけど、そこは無理しなくていいよ感(純粋に技量の問題として)。

増田英二『週刊少年ハチ』/あれ、話まとめに向かってる?確かにマンガ学校という環境ならではの人脈利用ではある。半田にとっての決断でもあるか。

木々津克久『開田さんの怪談』/連載再開。二重落ち漫談、もとい怪談。このディティール解説の質量が、ホラ話の発想力にも通ずるわけだよな。

●水森崇史『マウンドの太陽』/なんかドカベン世界から来たようなキャラだ。

●齋藤勁吾『アカトラ』/抜刀斎メソッドだな。

石黒正数木曜日のフルット』/強者の庇護下より安心できる場所はない、そりゃそうか。