週刊少年チャンピオン2018年35号

板垣巴留BEASTARS』/まさかの、突然の別れ。学園マンガ世界のキャラにはブラフ用いて、しかし裏社会では、なあ。エゴか原罪か、どちらにも殉じたとも言えるものの。

浜岡賢次『あっぱれ!浦安鉄筋家族』/進めビニールプール。夏休み回のバカバカしさとそこに注ぎ込まれる描写技術は、やはり堂に入ってる。

渡辺航弱虫ペダル』/雨天決行!

石黒正数木曜日のフルット』/一本目。カラーで色ネタ。水着ヒロイン云々はSDキャラでやっておいて、という二重ネタだが、実際下手な作家に描かれてもなあ(素)。あ、石黒先生ではなくてね。

佐藤健太郎魔法少女サイト』/便利だなー。

安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』/ホラーネタ回で手の指の描写いちいち狂いまくってるとそれ自体ホラーに見える、と4ヶ月前にも書いた。

●灰谷音屋『ジュニオール』/主人公、動く。オノマトペの入れ方やラフプレーの描写と、構成の部分で早くもこなれてきた感。

●中村勇志『六道の悪女たち』/連載初っぱなからインパクトある“災害”として現れた彼女には、そも物語としての内面が設定されていなかったのではないかと。この点は今のノリで進めていくと、だいぶ展開的に苦しくなりそうな。しぐさ萌えなんかでぼやかしてる場合じゃなく。

平川哲弘『ヒマワリ』/もうちょっとこう、写真落としこむにしてもなんかさあ。地理的背景もさっぱりだし。遠景しか資料写真準備できないのは、構図の意図がないからなんだよなあ…。

西修『魔入りました!入間くん』/受けた印象を率直に書くと、幼年向けアニメの導入シーンで一話使ったって感じ。やっぱり浦安は大人の目線だな。

桜井のりお『ロロッロ!』/NGワードじゃないのか、それ(どん引き)。意識が分裂するのは並行知識みたいなもんか。どんどん花丸木化してんな。

●齋藤勁吾『アカトラ』/幕末Rock…。

増田英二『週刊少年ハチ』/三角関係かよ、と一瞬思ったが、純粋に能力格差だった。友情も誓いもシステム的には一顧だにされることなく、単に才人と凡人の間の壁だった。だからこそ残酷ってのはまあわかるが、ああいう歪み方されてもねえ。抗う凡人である所の主人公、と。

荒達哉『ハリガネサービス』/以前、下平も羽座川みたく時の止まった世界に入門するしか、と書いたが、認識の面では似たようなもんか。

●細川雅己『SAME KIND』/読み切り。騎士道のような何か。

木々津克久『開田さんの怪談VSフランケン・ふらん』/コラボ読み切り。物語におこる情ではなく、恐怖という人体反応そのものを起こす、とふらんらしいSFテイスト。怪談に対する感情はエロ≒別種の肉体反応でセーブできるという展開もまた。この作品自体もちろんメタネタなんだけども、フォーマットへのツッコミは、身体反応がイメージに勝る、という論理としてやってるわけで、きっちり「VS」なんだよな。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/時を超えて戦い続ける存在による娯楽、キラー7みたいなやつですね。そして最終決戦へ。サクラ大戦5でもラスボス信長の城が空飛んでたよな。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/エンマの力でパワーアップ、ということは、エンマの方も私兵としてオルタナティブ作ってるんだろうか。

石黒正数木曜日のフルット』/2本目。この作品のAIネタはちゃんとSF味あるんだよなあ。まあ今時分は独自の嗜好宿らない消費者もクラスタしぐさでなあなあやってけるし。(それは昔からだったのでは?)


  • レジェンド作品は750ライダー弱虫ペダル750ライダーの方の書影は22巻だが、この手のデフォルメデザインの系譜もちょっと気になったり。(てか検索したら秋田書店版は絶版なんかい。)誌面も1年単位で紹介していくのか。

750ライダー(22)

  • 表2がSwitchソフト、表3がPCソフト、表4がソシャゲの広告と。



※余談
かつてチャンピオンで女子高生大食いマンガ『てんむす』を連載していた稲山覚也氏の、『アイドルマスター ミリオンライブ!Blooming Clover』最新3巻が出ましたよ。
アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 3 (電撃コミックスNEXT)アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 3 (電撃コミックスNEXT)



書影見て、こっちでも食い始めたか~、程度に思ってたら、中身はここに来て物語が猛然と走り出して、これはおもしろい。春香さんかっけえ、天海春香のカッコよさが映える群像劇空間でありみんなで頑張る地平。



かつて、物語として拙いのれない部分あるの認めつつ、絵なり構図なり構成なりでの巧さと挑戦は見せられ続けたわけですよ、読者として。テンプレとサンプリングの小器用さで展開だけは回してみせる芸風と違って、自分なりの作品を表現を描く見せる意志のぞく点が、俺には読者として好ましかったわけですよ。その姿勢がちゃんと才能としての着地を見せた、稲山覚也の最新作はおもしろい。