週刊少年チャンピオン2018年10号

●水森崇史『マウンドの太陽』/新連載。野球マンガ。止め絵並べてるだけ、としか読めんのだよなあ。

板垣恵介刃牙道』/いや、以前対談だかインタビューだかで、無刀が強そうと思ってやらせたけど結果迫力出なくて刀持たせた、と語ってたよね作者。味噌汁みたいにおはなし概念の領域になったからもういい、てこと?

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/馬鹿のユートピアを常人の衆目にさらすのもなんかなあ、と思ったらどういうオチだこれ。次回最終回(一応)。/桜井のりおとの対談掲載。作家性通じての先輩後輩、ということでより技術面に近い内容。全身像と位置関係、大人の手前の世界、“可愛いだけ”を出すことで“普通なだけ”が動き出す、男子の視点、といった構成要素と技巧としてのそれへの自覚性をギャグ作家なればこそ。

桜井のりお『ロロッロ!』/話としてはわりとシリアスな転機のはずだが、そこでこのひどさ。さすがだ。

板垣巴留BEASTARS』/ゴウヒンの“医大”発言出た際、「医療技術はどの辺まですすんでるんだろう。特に義肢~」とか書いてたら、またどぎついの出してきたなあ。起こりうる事態と備えられた対処法という設定に、その悲劇をおさめるあたりがまた物語性ながら。傷つけた側・傷つけられた側双方の苦悩と味方の存在を描く筆致がいいね、と思ってたらまさかの急転。

●中村勇志『六道の悪女たち』/半額弁当を奪い合う戦い、すなわちベン・トー!鼻血が表象かよ、しかし。

渡辺航弱虫ペダル』/やっぱりその二人が残る京伏、は仕方ないにしても、せめて回想でなく去年みたいにリアルタイムで描いてあげれば…。

増田英二『週刊少年ハチ』/現実のマンガ学校の行うネーム指導というのはむしろ、ネタが凡庸でも通俗でもそれなりに見栄えして読める体裁に仕上げる、それこそ才能のない者用の技術ではないかねえ。主人公に先輩の見出だしている個性が弱者としての吐露だとしたら、ますます(初回の感想でいしかわじゅんのコラム引用して言及した)初期福本伸行作品に近い気するが。あと女性の先輩と連日部屋に二人きりでも何のドキドキイベントも起きない、そのテンションでいく作品なのねと。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/ペラペラの「紙」になったんで紙飛行機に折れたからなーーっ、というか二次元ですものね。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/GO!賀間GOッ!柱の「岩鬼の頭脳プレーで、サヨナラなるか…!?」がちょっとおもしろい。


佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/前提にあるのは、無垢な主人公がライバルと切磋琢磨、という少年マンガ・バトル漫画としてのドメスティック構造なのだけれども。その先に行く、王道から脱すると、マジで死亡フラグになりそうでな。音符として舞う鼓動という表現も、すごいんだけどヤバい。命のやりとりになってるからね。

西修『魔入りました!入間くん』/いや、ファッションの概念が異なるとかじゃなくて、「露出の多い服」着てるっていう自覚と認識あるのかよ。そら服装は単に見栄えだけっていうなんちゃってテンプレファンタジーなんざ珍しくもないけどさ、自己ツッコミしたら無内容さのアピールにしかならねえだろ。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/暴力への恐怖はもちろんだけども、そこから現れる精神的な支配の形が実にエグい…。

●伊科田海『GREAT OLD~ドラゴンの創り方~』/色々と惜しいけど、いいシーンではある。ドラゴンは合体するのかねえ。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/大人には見えない妖精、と本当に児童書文脈だな。その世界観に沿った形で、父親との距離感も自然に出せてはいるのか。夫婦の絆の抑えた見せ方もよい。

小沢としお『Gメン』/あっさり落着。引きずる内容でもないか。日頃の行いが大事ってことよ、たぶん。


  • なんか編集後記がことごとく濃い…。