週刊少年チャンピオン2018年8号

  • 表紙の姉ちゃんの水着は、もう童貞を殺すセーターとかまんま着せた方が早いんじゃね。



増田英二『週刊少年ハチ』/新連載。マンガ学校漫画。劣等感からの出発か。読んでいて、上記いしかわじゅんの文章を思い出したわけです、まあ。/私はこの作者好きなんですけども、どの作品も大体1話目の印象は「主人公いいヤツなんだな」どまりである。作風の生真面目さ真っ当さは認めつつ、話の骨子自体にはそう感じ入るものがない、というのが今回ふくめて毎度おおよその第一印象。しかしそれがね、話進んでいく内に、どこかで主人公のその善性がガッチリ物語に食い込む、展開の駆動力となり爆発力となるタイミングがくるのよ。おはなしが青春が寓話が胸張って立ち上がり、描き手の意志の内圧があらわになる。そこが好きなんだな、私は。作者の地力はもとより、連載形式という話法とドメスティックたる少年マンガ文法の受肉する瞬間が、物語りのリアルとして。なので本作の主人公にも、ひとまず“そのまま頑張れ”なわけだ。
/しかしいや、予告カットでの主人公の背後のキャラは男かよ。前連載の予告では逆に、このヒロイン男の娘なんじゃね?と一部で言われてたけども。登場時の胸元を舞う鳥の羽根で隠しているのがわざとやってる感ありありでね、もう。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/力と技の応酬。最後のW雄叫びに至ってはなんだか高橋ヒロシっぽさを感じる。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/校舎入り口、通学路、空き地、公園、路地と、この子供空間描写力な。背景としてのディテールはもちろん、狭さ・広さと体感範囲・場所移動をどうコマ内に切り取って読ませるかの技術。/次号、25周年記念企画。

平川哲弘『ヒマワリ』/「オレたちと同じ曲とは思えないな」て、そもそも振り付けが別物なんですけど。マネージャーが単純な振りの参考映像渡してたとかならそっちのせいだろって話ですけど。

佐藤健太郎魔法少女サイト』/わりと平和に過ごしてる魔法少女が多数派なのかな。アニメの方は中の人的にプリパラ対ミリオンライブ(の赤)じゃんよ。

桜井のりお『ロロッロ!』/「私は人権派ロボなんだ」「言ってる意味がわからん」て結構アバンギャルドな会話では、とか思ってたらオチはまんまバイオレンスだった。しかし、ロボだから救われたポリスさんということに…。

板垣巴留BEASTARS』/センターカラー。『BEAST COMPLEX』単行本表紙はあの二人か。あれ読んで、この作家ヤバい!すげえ!と頭に焼き付いたんだよな。/開口プレイってのもあるしな、違うか。あの修行の結果なら脱力も自然な気がするが、郭海皇みたいな境地になるのだろうか。

●中村勇志『六道の悪女たち』/扉絵でヒロインがメガネ女教師コスプレというのは『実は私は』でもやってたなと。作者の新連載合わせになったのは偶然だろうが。こっちも修行展開、とはいえギャグパートか。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/能力覚醒。この作者なら何らかの派手ギミック秘めてるとは思うが。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/電子書籍版には未掲載の作品なわけだが、例えばこの見開きを画像一枚という形で出されても、というのはな。

→話の流れに入って、ページをめくって、右上から順番に見るものなんだよな。作者のテンションに乗って読む場面であってさ。この後の1ページ大ジャンプ絵とか、その後の和気あいあいぶりも同様に。媒体による読み方の規定は物語としてもある。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/ユーチューバーネタ。ますますこの世界における吸血鬼の認識のされ方が謎だが。まあ水木しげる的な妖怪の概念がかつてあったとして、じゃあそれ現代の情報環境下においてどう宿りうるのか、という点はな。ディティール化したモンスター娘なんかもさあ。

荒達哉『ハリガネサービス』/昨日の(今戦ってる相手もいる場での)練習試合で見た→ブラフでした。まあ前提が超展開だから。

西修『魔入りました!入間くん』/これで次回へのヒキということは、作者も女装が押しになると思ってるのかねえ。ファン層的にはやっぱり、スクールカースト上位の隠れオタク女子とチート女装少年って夢の取り合わせなのかしら。ケツ掘る相手の考察とかされてるのかしら。(真顔)

●伊科田海『GREAT OLD~ドラゴンの創り方~』/向こうの目的が学園以外を破壊することなら、こちらの目的は学園を破壊すること。それはそれでどうなのか。

●瀬口忍『囚人リク』/泣きながら、吐きながら、勝利を告げる。幻視されるスラムの住人としての光景が、この戦いを象徴するいいコマだ。結果的には、三人の長を味方につけたことによる人海戦術だったわけだが、囚人兵の方には名前で影響してたら嬉しいやね。

森田将文『昆虫武将★チョウソカベ!』/新旧旦那さん対決、というフレーズがちょっとおもしろい。虫キャラもヒロインには髪生やさないと見映えつらいか。




  • 増田英二の巻末コメントが、前作の新連載時と比べるとなかなか印象的。

楽しい漫画になればと思っています。
よろしくお願いします!
(※2013年9号掲載)

この作品は挑戦だと思っています。
何卒よろしくお願いします!
(※今号掲載)