週刊少年チャンピオン2018年7、8号

※7号(1月11日発売)

  • 表2はプロトタイプのギャルゲー2作品広告。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/新連載。アナクロばりに熱くまっすぐな主人公と友人達、と思ったら異世界ファンタジーになるのか。相変わらず、いい絵力とおもしろい能力ギミック。

板垣恵介刃牙道』/イメージ斬撃で隙を作って打撃攻撃、と確かに手強さではあるんだけども。フェイントまで使うに値すると認められてるってことかねえ。

平川哲弘『ヒマワリ』/前回読んだ時は個人練習展開きたってダメだろ、と思っていたが、なるほど、ユニット全員が同じ動きして全パートを歌う曲だったのかー…いやいや。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/窓ごし雪合戦。風の表現として、向かい合う二人の描かれるコマ単位で向きが180度変わるのはどおくまんと共通したセンス。


→母ちゃんの雪だるまセンスも継続してるのね。のり子の布団かけダイブと目出し帽顔接近も、微妙にラブがコメってるように見えなくもない。

板垣巴留BEASTARS』/細い点目、かつメガネ越しで感情の読めないキャラというのも、マンガ表現的に直球な造形ではある。ルイは清濁あわせ飲むと言いつつ、父親ほどの余裕と他人への信頼は持ててないものな。「うまい…っ」は感情あふれる表情で好き。

桜井のりお『ロロッロ!』/あれだ、人間の目に入らない小さな戦争的な。殺意に独占欲と普通にヤバい内面のロボットですけど。こっちの主人公の出すオノマトペは「むふり」。イチカは性転換で内面も変化してたけど、こっちは機能として未発達だからこそ自意識が残留して…いや、オチの為のギミックか。

●ニャロメロン『ベルリンは鐘 ヤッホー!』/デジタル作画らしい2D的積み上げ。

●中村勇志『六道の悪女たち』/宅配バイトもクレーマーに会う可能性考えたら強面にやらせるのもあり。そういう話じゃない。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/見守る同期達という過去の登場人物をおいての盛り上げ、とすっかり最終決戦の雰囲気だが。王道の熱さだ。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/えー、ここで退場者出すのかよ。

安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』/さすがにこれと浦安でシチュエーションかぶってしまうのはキツいだろ。


→いまだにこんなスコップの持ち方を描きとばすあたり、やっぱりどうよ。

荒達哉『ハリガネサービス』/「否定という概念」って、否定は概念じゃないだろう。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/そもそも猥談って妄想の世界じゃなく、個人の実体験にまつわるそれだからこその含蓄が、とか言い出したら少年誌に載せられないネタになっちゃうけども。「Y談話」ってネーミングは語義的にねえよ。「フェチだな」てセリフも意味おかしくね?そして板垣巴留の巻末コメント。

猥談―近代日本の下半身
→吸死のY談で笑っている可愛い読者に赤松啓介のシモ談義をつきつける時を想像するような下卑た快感さ。

西修『魔入りました!入間くん』/アイドルの家族ならライブを現地まで見に来るだろう、という認識がまず意味不明なのだが、色々かすむレベルでざつなてんぷれてんかいがきもすぎてもうどうでもいいです。

●瀬口忍『囚人リク』/壮大な自作自演計画も、最後に結実させるのは己の身一つによる土下座と弁舌。この宿敵もたいしたタマである。柱の人物紹介、十二人中一人しか登場してないぞ今回。/巻末コメントによると残り5話。ついにか。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/あ、そういえば前回までのダテ戦にはヒロイン不在だった、忘れてた。かぶきもの姿にへうげものイズムを感じる。ラブコメじゃなくて友情、それがいいのかもしれない。絵的な演出のおもしろさでは、シリアス回よりのびのび描けてる感あるよな。





※8号(1月18日発売)

  • 表紙のグラビア宣伝コピー、「Fカップ」とそんな強調されると、なんかなあ。

渡辺航弱虫ペダル』/最高だな自転車、とまあやりたいことはわかるんだけども、結局旧知の仲、“設定”前提にしないと成立しないってのがな。あと青八木はお邪魔にならないよう退場したのか、という発想がどうしても。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/画力フル活用での日常描写からいきなり超展開オチっていう馬鹿馬鹿しさ、好きだわ。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/センターカラーにて激突。いい笑顔です。

●重本ハジメ『逆襲インフェルノ』/地獄にて絶対優位の鬼達の中、人間は見世物と。おはなしとして印象深く描かれてきた腕を、いきなり失うのね。

板垣巴留BEASTARS』/入れ墨って、体毛(毛皮)はどうなってるんだ。染めてるのか?目の前の暴力という日常と対比する形で、イレギュラー故に信頼していたレゴシを思うのは印象深い演出。ルイはテムの件への心残りがあり、レゴシはその意志を継いだ結果この場にいて、そこから生じた誤解、とこれは引きずりそうな展開。修行を終えたレゴシの行動には、ザ・ワールド・イズ・マイン中でユリカンの言っていた、死者数は単なる数字ではない、物語を想像しろ、といった話がダブる。他人を、命を思える。ヒーローだよ、こいつは。
/というわけで。三話前にレゴシとピナの会話場面を見て私が書いた「ここで敵意抱けるっていうのは相手を対等な存在として見てるからこそだよな。」という感想は、テーマだか文脈だか、いずれ読みとして的中してたと。あの場面を見て禁忌だのBLだのというノリ・雰囲気・通俗性の目眩ましより、おはなしとしての構造と作家性に目が行く性分なればこそ、不憫レズ萌え~てだけの単なる感動ポルノ出してどや顔しとるAIの遺電子にはそりゃ腹も立つわってことよ。

佐藤健太郎魔法少女サイト』/作品としては好みの芸風ではないのだけれども。同じアイドルという題材でヒマワリや入間くんより、作中歌の歌詞やキャラ付けというディティールの部分でよほど明確にカラー出せてるの見ると、そういうガジェットの部分での才能はやっぱあるのよね、と。まあモラルはおいといて、なんだけれども、モラルを守るか破るかの選択できるのも能力あってこそで、無能のテンプレ展開よりは上っていう。

●中村勇志『六道の悪女たち』/いや、そんなにラーメン好きだったのかよ…。

桜井のりお『ロロッロ!』/いい雰囲気からひどいオチだな、さすが。親父さんはずっと不穏キャラで通すのだろうか。

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/えー、ここで山田アウトかよ。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/全選手入場ネタ。ギャグ漫画家がネタに困って単行本読み返して過去キャラ出すパターン、だとしてもふっ切れてるな。浦安の方の入場ネタが話進まないオチなのと比較すると、方向性の違いがおもしろい。こっちのオチは鉄鍋のジャン!だし。

●瀬口忍『囚人リク』/サンボマスターがいるのはともかく、こういうモブの描写力は真骨頂。マンガの続き読めないのはつらいよ。そして三度目の、最期の対峙へ。

小沢としお『Gメン』/前回の集合もなんかしんみりしてたし、因縁の相手と戦いつつ仲間みんなつえー展開だし、終わり近いのかな。

森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/蛍の吐血。フォーマット上、悪役演技似合うね。こっちも大敵との対面展開なのか。

●天山まや『おタエさんは今日もたべたい』/最終回。


  • 裏表紙のラーメン、なにかと思ったらグラブルかよ。
  • 弱ペダアニメ、DVDはBOX売りか。
  • 気づいてなかったが、1号からホビーコーナーのイラストが松本豊に。
  • 次号、増田英二新連載。