週刊少年チャンピオン2017年36+37号

  • 雑誌の新キャッチフレーズは「挑み続けろ。」との事。「名称はチャンピオンなのに挑み続けるチャレンジャーである」、うん。

板垣恵介刃牙道』/少年達、な。確かに少年マンガの文法と美意識背負った無茶無謀の現出なのだよな。思い出アイテムのこの酒出た時とは、すでに作品の脈絡異なってるとはいえ。
浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/物語シリーズ(サブタイトルね)。前作は本当好きで、切り抜き持ってるんだよ俺。物・像の描写に、攻防というやりとり読ませるシチュエーションギャグ。オチのグロ人形はミニオンパロなんだろうけど、母ちゃんの雪だるま攻勢が裕太の感覚狂わせてんじゃないのか。
板垣巴留BEASTARS』/裏社会の存在を視界に入れない、口に上らせないというのは、もちろん大人のずるさではありつつ、この学園(学園マンガ文法)自体が聖域、特殊空間という事でもあるわけで。女の戦い、情念を露骨に前面に出してくるね、また。
●中村勇志『六道の悪女たち』/ケンカというよりバトル。決着は番長呼びふくめそれらしいが。
森田将文『出陣★昆虫武将チョウソカベ!』/白馬に乗った戦国武将って。切り替えは大事だ、うん。
佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/親方は流石の貫禄、もとい凄味か。吽形の引退を後押ししてしまった事への思いもあるのかね。
福地カミオ『猫神じゃらし!』/寸胴体型の方が浴衣似合ってる感、いい。しっぽが記憶を語ってるが、現役期間はどれくらいなんだろう。きれいに締めたな。
●瀬口忍『囚人リク』/また面倒くさい仕掛けだ。部位切断?
●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/家自体がモンスターという作品は他にもあるが、この解決法と手段とオチはそう見ない。
●吉野宗助『音速ノロノロ』/読み切りギャグ2回目。おもしろかった。
●掛丸翔『少年ラケット』/ええ、それ伏線かよ。発動時の、玉の動線が消える速さの表現がよい。相手もまだまだ不穏か、しかし。
石黒正数木曜日のフルット』/ひでえなおい。フルットの方の認識はどうなんだ、魂の一部を見てたのか。
●山田胡瓜『AIの遺電子』/ヒューマノイドがヒトそっくりなのは、という一義的感傷はそれとして、そこから世界法則に沿った新たな価値観や倫理を提示できるかが、SF作家に問われる才能と技術ではないのかねぇ。/というかさあ。今までも度々思わされてきたけど、設定(ロジック)ちゃんと考えた上で描かれてるのか、これ?これまでにあった、ヒューマノイドの傷治療、欠損放置、ストレスによる抜け毛、電脳書き換えによる性格・嗜好の変化、電脳劣化による記憶消失、自己同一性、人間とヒューマノイドのカップル、同性愛者、子作り、といったエピソードとそこで描かれてきた感情と並べた時に。今回出てきた“電脳に体質情報は保持されていて「再建」可能だが上書き(?)により表層は変更できる”、“人間(ヒューマンの男性)とヒューマノイド(女性)は子作り可能”という設定、そんなさらっと出せるもんなの、矛盾感じないの、作者は。それでリサの苦悩に、この作品世界に生きる人間の内面の切実な描写として、感情移入して読めるもんなの、ファンは。それとも親子死別というメロドラマぶりこそがメインで、SFなんざ引き立て役のスパイスに“過ぎない”という認識なのですかね?